著者
中井 達郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.200, 2009

沖縄のサンゴ礁では、古来さまざまな人間活動が行われてきた。それは、サンゴ礁の中でも、外洋に面した礁斜面よりむしろ、陸側に位置するイノウ(礁池)を含む礁原(以下「イノウ」と記す)を中心的な活動の場としてきた。「イノウ」は干潮時に干出する部分も多くあり、その際は、徒歩で活動できる場が広がる。サンゴ礁地形がこのような浅場を用意し、人々が容易に集落からアプローチすることを可能とした。アプローチが容易な「イノウ」では、伝統的に、集落の女性、子供を含む一般の人々が活動の主体となってきた。例えば「浜下り」は、女性が主体の祭事的活動である。また、日常的に行われてきたマイナー・サブシスタンス的漁労活動では男性だけでなく女性が大きな役割を果たしてきた。このような漁労活動を通じて「イノウ」を「海の畑」と呼び、陸上の延長として捉えてきた。そこにはサンゴ礁に対する個々人の価値付けが見て取れる。社会的にも集落内の構成要素のひとつとする位置づけもなされてきた。<br> このような伝統的な活動は、特定のプロ集団ではなく、一般の人々が主体となる生活の一部としての祭事活動であり、生業活動である。その中で、これらの活動には、地域の人々にとっての「あそび」的要素、レクリエーション的要素も含まれていたと思われる。例えば、「浜下り」は、春の大潮時の採集活動も含んだ楽しみな年中行事として現代まで引き継がれている。この要素は時代が下るにしたがって増大してきているようにみえる。また同時に変質も感じる。かつては「あそび」的要素は祭事的要素や生業的要素と一体となって、「イノウ」という場の価値付けがなされ、その結果、一定の利用ルールが共有されていた。集落の前面の「イノウ」はそこにすむ集落の人々に限定されていた。しかし、時代が下るにつれて、「イノウ」の価値付けとその利用ルールが変化してきているように思われる。<br> 現代の沖縄社会で、海での「あそび」の中心はビーチ・パーティーのようである。おそらくアメリカ文化がもたらしたものであろう。そこには上記のような伝統的な「あそび」の流れをどこまで引き継いでいるのだろうか。少なくとも、バーベキューの主役は肉であり、「イノウ」とは無縁である。ダイビングも盛んとなり、沖縄の観光にとって大きな役割を果たすようになった。その中心はスキューバ・ダイビングである。スキューバ・ダイビングは、ある程度以上の水深がなければその醍醐味を味わうことは困難である。「イノウ」とは無縁である。また、地域住民が日常的に楽しむ方法とはなっていないようである。一方で、沖縄在住の人々個人のブログやホームページをみると、沖縄の醍醐味として、豊かな海の自然、特に魚介類の採集の楽しさが語られている文章を散見する。しかし、資源の枯渇は著しい。埋立によって集落前面の「イノウ」が失われ、残された健全な「イノウ」に人々は集中する。<br>豊かな沖縄のサンゴ礁を維持し、持続可能な利用の基盤には、地域住民によるサンゴ礁への適正な価値付けが必要である。このような議論を進めるにあたって、サンゴ礁における「イノウ」を再認識することの重要性と、「あそび」場という視点からの再整理が必要だと感じる。
著者
大谷 道輝 中井 達郎 大沢 幸嗣 金 素安 松元 美香 江藤 隆史 假家 悟 加野 象次郎 内野 克喜
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1153-1158, 2002-12-01 (Released:2003-02-18)
参考文献数
24
被引用文献数
9 11

Twenty percent of dermatologists have experienced a separation of water or deterioration of topical corticosteroids mixed with commercially available ointments and/or creams. However, few investigations of this deterioration of admixtures have been reported. To assess the effects of preservatives in preventing microbial contamination of these admixtures, we attempted to investigate the concentration of preservative agents in admixtures and the microbial contamination of these admixtures with a topical corticosteroid ointment (Antebate®). The concentration of parabens was reduced by half using an admixture of corticosteroid ointment with four types of moisturizing creams, Urepearl, Pastaronsoft, Hirudoid, and Hirudoidsoft. After a further 3 months, no decrease in parabens was seen. No microbial contamination was found in any admixture stored at room temperature for 1 week and touched two times daily with a finger. The concentration and ratio of the parabens in the aqueous phase and oil phase were entirely different in the admixtures before being centrifuged. The aqueous phase of the admixtures of the oil/water (O/W)-type emulsions of Urepearl and Hirudoid was not found to have microbial contamination immediately after being centrifuged. All aqueous phases stored at room temperature or in a refrigerator for 1 week and touched with a finger twice daily exhibited microbial contamination. These experiments demonstrated that O/W-type emulsions, in which the water easily separates from the bases, should be thoroughly mixed to prevent microbial contamination.