著者
中山 幹男 戸田 眞佐子 大久保 幸枝 原 征彦 島村 忠勝
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.824-829, 1994-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
21
被引用文献数
4 2

マウスのインフルエンザウイルス感染実験系を用いて, 紅茶エキスによるインフルエンザウイルスの感染性の阻止を検討した.ウイルス懸濁液のみを鼻腔内に吸入させたマウス群は, 体重減少をおこし10日以内に100%が死亡したが, ウイルス懸濁液に2%(w/w) 紅茶エキスを混合し5分後に吸入させたマウス群では, 正常マウス群と同等の体重増加を示し, すべてのマウスが生残した.生残マウスのインフルエンザウイルスに対する血中抗体価を調べたところ, 10匹中9匹は抗体陰性であった.この実験結果から, 日常飲用している紅茶エキス濃度 (約2~3%) で, 105.3PFU/マウス (101, 3LD50) の高濃度のインフルエンザウイルスの感染性がほぼ100%阻止されることが明らかになった.以上の成績は, MDCK細胞を用いたin vitroの成績を支持するとともに, 紅茶エキスで処理されたウイルスの感染性が生体内で復帰しないことを示唆している.
著者
岩田 雅史 戸田 眞佐子 中山 幹男 辻山 博之 遠藤 済 高橋 雄彦 原 征彦 島村 忠勝
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.487-494, 1997-06-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
9 8

紅茶エキスによるうがいが, インフルエンザを予防できるかどうかを検討した.実験は, 平成4年10月18日から平成5年3月17日までの5カ月間行なった.まず同一職域集団297人を2群に分け, 実験群151人は, 原則として8時と17時の2回, 1回約100ml程度の紅茶エキス (0.5W/V%) でうがいをした.対照群146人は, 特に何も行なわなかった.実験期間中にインフルエンザ症状を呈した者56人の咽頭ぬぐい液からウイルスを分離し抗原分析をした結果, A型ウイルスH3N2が2株およびB型ウイルス10株が分離された.感染の判定は, 実験開始時および終了時に採血を行い, A/Yamagata/120/86 (HIN1), A/Saitama/55/93 (H3N2), B/Saitama/5/93と赤血球凝集抑制反応を行ない, 抗体価が4倍以上上昇したものを感染とみなした.その結果, 感染者は実験群35.1%に対して対照群では48.8%で, 有意な差 (p<0.05) が認められた.この結果, 紅茶エキスによるうがいは, インフルエンザを阻止しうる可能性が示唆された.
著者
岩田 雅史 戸田 眞佐子 中山 幹男 辻山 博之 遠藤 済 高橋 雄彦 原 征彦 島村 忠勝
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.487-494, 1997
被引用文献数
8

紅茶エキスによるうがいが, インフルエンザを予防できるかどうかを検討した.実験は, 平成4年10月18日から平成5年3月17日までの5カ月間行なった.まず同一職域集団297人を2群に分け, 実験群151人は, 原則として8時と17時の2回, 1回約100ml程度の紅茶エキス (0.5W/V%) でうがいをした.対照群146人は, 特に何も行なわなかった.実験期間中にインフルエンザ症状を呈した者56人の咽頭ぬぐい液からウイルスを分離し抗原分析をした結果, A型ウイルスH3N2が2株およびB型ウイルス10株が分離された.感染の判定は, 実験開始時および終了時に採血を行い, A/Yamagata/120/86 (HIN1), A/Saitama/55/93 (H3N2), B/Saitama/5/93と赤血球凝集抑制反応を行ない, 抗体価が4倍以上上昇したものを感染とみなした.<BR>その結果, 感染者は実験群35.1%に対して対照群では48.8%で, 有意な差 (p<0.05) が認められた.この結果, 紅茶エキスによるうがいは, インフルエンザを阻止しうる可能性が示唆された.
著者
矢部 貞雄 中山 幹男 山田 堅一郎 北野 忠彦 新井 陽子 堀本 泰介 増田 剛太 見藤 歩 田代 眞人
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 : 日本伝染病学会機関誌 : the journal of the Japanese Association for Infectious Diseases (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.1160-1169, 1996-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
7 12

1985年から1995年にかけて, 主に東南アジアからの入・帰国者でデングウイルス感染が疑われる症例について, 血清学的診断及びRT-PCRによるデングウイルス遺伝子の同定を行い, 輸入感染症としてのデングウイルス感染の重要性を検討した. デング熱を疑われて検査依頼のあった不明熱患者は173例であった. その内77例がデングウイルス2型抗原に対してペア血清によるHI抗体価の有意上昇, あるいは単一血清で320倍以上のHI抗体価を示したことから, デングウイルス感染と診断された. 一方, ペア血清で4倍以上の抗体価の上昇が認められた15例については, 3例で回復期の抗体価が80倍以下, また12例では回復期が160倍と低かったため, いずれもデングウイルス感染が疑われたが確定診断は不可能であった. 患者の旅行・滞在先の地域別では, タイが39名と最も多く, 続いてフィリピン15名, インド13名, インドネシア9名であった.<BR>HI試験では, デング患者血清は日本脳炎ウイルス (JEV) 抗原との問に異常に高い交差反応が見られたが, IgM-Capture ELISA法ではこのような交差を認めなかった. 一方, JEV感染患者血清ではデングウイルス2型に対するHI試験での交差はほとんど認められず, デングウイルス感染備のJEV抗原に対するHI交差反応は一方向的なものであることが明らかとなった. またデング熱患者血清について, デングウイルス1~4型のE~NS2領域に対する各プライマーを用いてRT-PCRを行ったところ, 第三病日以内の血清3例からデングウイルス1型の遺伝子が, また第4病日の血清1例からデングウイルス2型の遺伝子が検出された.