著者
大谷 明
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.657-662, 2003-11-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
12

伝染病とは現在感染症と呼ばれているが, かつての人類の社会を根底から脅かしたおそるべき疾病を述べるには長い間社会になじんできた「伝染病」という言葉がふさわしいように思う。
著者
大谷 明弘
出版者
九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 = Progress in Social Welfare Research (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.77-83, 2019-03-31

本研究は,認知症介護研修の現状と課題を確認した上で,施設介護職員に対する認知症介護教育に「コンピテンシー(competency)」の概念を導入することの意義を明らかにすることを目的に文献研究を実施した.論文検索には,CiNii,J-STAGE,医中誌 webを活用し,11本の論文が該当した.結果,施設介護職員のコンピテンシーに関する研究がほとんど行われていないことが明らかになった一方で,隣接領域である看護師や主任介護支援専門、社会福祉士等に関しては,既にいくつかの研究が行われており,各々の専門教育に導入され始めている現状が明らかになった.このことは,施設介護職員を対象とした認知症介護教育にもコンピテンシーの導入が可能なことを意味している.今後の課題は, 施設介護職員が置かれている労働環境の現状把握,認知症介護における熟練介護職員の優れた行動特性の具体的な概念および省察的実践との関連性を明らかにすることである.
著者
大谷 明希
出版者
医学書院
雑誌
助産雑誌 (ISSN:13478168)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1034-1035, 2014-11-25

縁あって,カナダ東部ケベック州の移民権を得て17年になる。そのうちの丸3年は日本に戻り,実家である大阪府寝屋川市の大谷助産院で再修行もしたが,5年前に再びケベックに戻って来てからは,こちらで助産師として働く準備をしている。はじめはケベック助産師会に日本の助産師免許と経験をもって資格を認めてもらえるように働きかけたが,助産師会の査定によると,私の日本の教育課程(専門学校卒)ではここで働くには十分な教育を受けてないということで,今ケベック大学の4年間の助産師プログラムに在籍している。大学レベルの助産師教育を終了し働いた経験のある移民の助産師には,3,4か月のコースも用意されているのだが,このコースを修了するのも安易ではない。というのも彼女たちの実習を担当できる助産師が足りないため,実習待ちで何年も働けずにいる助産師たちがいるのだ。 ケベック大学の4年プログラムに入るのはかなり躊躇した。4年は長いと思った。また子どもも3人おり,大学は自宅から車で2時間以上も離れている。しかし,私は助産師の仕事が心から好きで,自分のためにも子どもたちのためにも,いきいき生きていくためには,やはり助産師を目指すしかないと思った。大学ではお産や助産師に関する最新の情報を得たり,今までの助産師の経験のなかでの疑問点をもっと深く調べてみたりできるだろうと期待して進学を決めた。幸い皆健康に恵まれ,子どもたちの父親も協力的だったので何とか現在も学業を続けられている。
著者
大谷 明 佐藤 学
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.34-45, 1999-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26

SDS(Self-rating Depression Scale)developed by Zung in 1965 is widely applied to psychiatric studies. The existence of the response bias in SDS, however, has been suggested by several researchers. The purpose of the present study was to examine precisely the response bias in the Japanese version of the SDS. Data from 2, 097 Japanese high school students are shown to illustrate the response bias related to the positive or negative expressions of items in the scale with statistical methods of analysis, together with several sets of empirical data from otherstudies. The findings were discussed in terms of statistical view. Apart from the main subjects, we point out some incorrectness of Zung(1967b)in Appendix.
著者
名倉 宏 安藤 紀昭 大谷 明夫
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.147-151, 2000-02-29 (Released:2010-06-28)
参考文献数
10

扁桃は, 口腔や鼻腔より侵入する抗原を摂取し, その抗原情報を認識し, それらの抗原侵襲から生体を防御することを主要な機能としている.口蓋扁桃の陰窩は粘膜表面から洞状に陥凹, 分岐することにより, 広い面積で抗原と接触し, それらに対する能率的な免疫反応を誘導することが, 想像されている.陰窩を被覆する上皮細胞は網目構造をとり, その間に多数のT, Bリンパ球が介在していて, リンパ上皮共生関係にある.この上皮細胞には.リンパ装置の濾胞域の樹状細胞と類似した細胞膜抗原 (MHC class II抗原, DC54, CD106, CD21, CD80/86) が発現されている.これらのことから陰窩上皮細胞は, 陰窩の抗原を摂取し, 抗原提示とT細胞の活性化, B細胞の分化とclonal expansion, 成熟を司っているものと考えられる.
著者
臼井 和也 加井 謙二郎 妹尾 宏 大谷 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.38, pp.61-66, 1995-08-24
被引用文献数
4

HDTV test broadcasting using the MUSE system was started in 1991. At present HDTV is broadcasting everyday for 11 hours. The MUSE system transmits sound signals in a digital scheme. The digital signal has a region which enables transmission of data other than sound called a data channel. Using the data channel, new broadcasting multimedia services can be provided. In this paper, service functions for the multimedia service are discussed. An experimental system to evaluate the functions for the service is developed using the MUSE data channel and the HDTV display. Experimental programs are also developed for evaluation tests.
著者
山寺 静子 大谷 明 小船 富美夫 小松 俊彦 鈴木 一義 中山 幹男 萩原 敏且 松本 美弥子 山本 紀一 ルナール 純子
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.379-386, 2007
被引用文献数
1

厚生労働省のインフルエンザ対策の一環として一般市民を対象にFax, E-mailを含む電話相談を行った.<BR>相談件数は2003/04シーズンは2,813件, 2004/05シーズンは2, 444件であった.月別は10~11月が最も多く, 相談者は女性が72.5%を占め, 特に30代が最も多かった.相談者の居住地別では東京都が最も多く, 神奈川, 千葉, 埼玉, 長野の順であった.職種別では主婦が1,114件 (45.6%) を占め, 次に民間企業が447件 (18.3%), 医療従事者が227件 (9.3%) であり, 2003/04シーズンと同様の傾向がみられた.相談の内容はワクチンに関するものが1545件で62.2%を占め, その内訳はワクチン接種の是非, 副反応, 接種回数が主であった. また妊婦, 乳幼児, 授乳中の接種については296件 (19.2%) であった.2004/05シーズンはワクチン不足についての問い合わせ (7件), 重症急性呼吸器症候群: SARS (22件) また鳥インフルエンザ (22件) についての相談は前シーズンに比べ減少したが, 抗ウイルス薬 (209件) に関する相談が増加していた.<BR>毎年の相談内容は, インフルエンザの医療事情を強く反映しており, 医療従事者からの間合せも相当数みられることから, 対応する担当者の知識や情報の確保は重要な課題であると考えられた.また, 具体的な内容としては, 厚生労働省および感染症情報センターから出されている「一般向けのインフルエンザQ&A」で「妊産婦及び授乳中あるいは育児中の方へ」のようなセクションをもうけて, 解説することの必要性を提案した.
著者
大谷 明弘 林 典生 おおたに あきひろ はやし のりお Akihiro OTANI Norio HAYASHI
雑誌
最新社会福祉学研究
巻号頁・発行日
vol.13, pp.15-27, 2018-03-31

本研究は, 認知症に伴う行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms ofDementia:以下,BPSD)の背景因子を捉えるためのケアの視点を明らかにするためにCiNiiおよびJ-STAGEを活用した文献研究を実施した.論文145本が対象となり,更に先行研究に基づき5要因(身体的要因,精神的要因,環境的要因,個人的要因,介護者要因)を抽出し,その後分類した.分類結果は,①BPSDの現状把握のための背景因子,②介護施設の現状,③実践的アプローチの現状の3つになった.この結果から,施設での多忙な業務の中でも5要因に着目することでBPSDの背景因子を推定できる可能性が明らかになった.また,介護負担感の概念の広さが,隣接する研究領域に重複させ,分類を困難にしている理由として考えられた.今後は,介護負担感の概念整理と共に本研究で明らかになった5要因に基づく背景因子の推定を実施した上でのケアが,利用者のBPSD減少やQOL向上,更に介護職員の介護負担感に与える影響を明らかにする必要があるIn this research, in order to clarify the viewpoint of care for grasping background factors ofbehavioral and psychological symptoms of dementia (hereinafter referred to as BPSD), a reviewresearch was conducted through utilizing CiNii and J-STAGE. With 145 papers as a subject,based on the previous researches, 5 factors (physical factors, mental factors, environmentalfactors, personal factors, and caregiver's factors) were extracted, and classified afterwards.Consequently, they were classified into the followings; (1) Background factors for grasping thecurrent status of BPSD, (2) Current status of nursing-care facilities, and (3) Current status ofpractical approach. From this result, it has become clear that the background factors of BPSDcan be estimated through focusing on 5 factors despite busy tasks at facilities. Additionally,it was deemed that a broad concept of caregiver's burden made adjacent research areasoverlapped, which resulted in difficult classification. From this time on, it is necessary to clarifythe effects of decreases in users BPSD, QOL improvements, and caregiver's burden exertedby the care in which not only the concepts of caregiver's burden were organized but also thebackground factors based on the 5 factors clarified in this research.
著者
大谷 明
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.85-87, 2000-06-01 (Released:2010-03-12)
著者
馬原 文彦 古賀 敬一 沢田 誠三 谷口 哲三 重見 文雄 須藤 恒久 坪井 義昌 大谷 明 小山 一 内山 恒夫 内田 孝宏
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1165-1172, 1985
被引用文献数
22 61 50

昭和59年5月中旬より7月までの短期間に, 徳島県阿南市において, 紅斑と高熱を主徴とし特徴的な経過を辿ったリケッチア症と思われる3症例を経験した. これらの症例は, Weil-Felix反応OX2陽性で, 恙虫病とは異なる反応を示し, 詳細な臨床的血清学的検索の結果, わが国初の紅斑熱リケッチア症と判明した.<BR>症例は, 62~69歳の農家主婦で, 藪または畑に入ってから2~8日後に発熱, 悪寒戦標をもって発病し, 稽留熱 (39~40℃ 以上) と, 四肢末梢から全身に拡がる皮疹を特徴とした. 皮疹は, 米粒大から小豆大, 淡紅色の痒みを伴わない紅斑で, ガラス圧により消退するが, 次第に出血性となった. 3例中2例で痂皮または潰瘍を伴う硬結を認めた (刺し口). 全身リンパ節腫脹, 肝脾の腫大は認めなかった. 治療は, テトラサイクリン系抗生剤 (DOXY) が著効を示した.<BR>血清学的検査では, Weil-Felix反応で, 3症例共OX2に有意の抗体価上昇を示した. 間接免疫ペルオキシダーゼ反応では, 恙虫病リケッチア3株に陰性であり恙虫病では無いことが証明された. 更に, CF反応で紅斑熱群特異抗原に対し陽性となり, 本症例は, 紅斑熱リケッチア感染症であることが確認された.
著者
加井謙二郎 臼井 和也 上野 幹大 大谷 明 磯部 忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.90, pp.13-20, 1996-09-13
参考文献数
4
被引用文献数
2

統合サービス型テレビ(ST)は、統合ディシタル放送(SD)の受信端末であり、その基本機能は、メディアを横断的に受信・提示するメディアフュージョン、各種サービスを統合的に提示・選択可能とする見出し画面、時間の制約をなくし、対話的な視聴を可能にするノンリニア視聴、そしてマルチメディア情報提示である。これらの機能はコンピュータとハイビジョンテレビ、映像音声記録装置、映像合成処理装置により実現可能であり、基本機能評価のため、シミュレーション装置を構築した。この装置を用い、実験番組に対するアンケートを行い、基本機能に対する肯定的評価と操作には従来型テレビリモコンが支持を集めるなどの知見を得た。Information environment in the future home will be changed by ISDB (Integrated Services Digital Broadcasting) and other new media and technology in the next decade. For these ages, we are proposing a new type of TV set named ISTV (Integrated Services Television). In this paper, basic concept and functions of ISTV are firstly discussed. Basic functions of ISTV are "media fusion", "menu display", "non-liner viewing" and "interactive multimedia presentation". A simulation system of ISTV is constructed and it's configuration is discussed next. Evaluation test for human interface of ISTV are conducted and effectiveness of this new type TV is confirmed.
著者
馬原 文彦 古賀 敬一 沢田 誠三 谷口 哲三 重見 文雄 須藤 恒久 坪井 義昌 大谷 明 小山 一 内山 恒夫 内田 孝宏
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1165-1172, 1985
被引用文献数
22 61

昭和59年5月中旬より7月までの短期間に, 徳島県阿南市において, 紅斑と高熱を主徴とし特徴的な経過を辿ったリケッチア症と思われる3症例を経験した. これらの症例は, Weil-Felix反応OX2陽性で, 恙虫病とは異なる反応を示し, 詳細な臨床的血清学的検索の結果, わが国初の紅斑熱リケッチア症と判明した.<BR>症例は, 62~69歳の農家主婦で, 藪または畑に入ってから2~8日後に発熱, 悪寒戦標をもって発病し, 稽留熱 (39~40℃ 以上) と, 四肢末梢から全身に拡がる皮疹を特徴とした. 皮疹は, 米粒大から小豆大, 淡紅色の痒みを伴わない紅斑で, ガラス圧により消退するが, 次第に出血性となった. 3例中2例で痂皮または潰瘍を伴う硬結を認めた (刺し口). 全身リンパ節腫脹, 肝脾の腫大は認めなかった. 治療は, テトラサイクリン系抗生剤 (DOXY) が著効を示した.<BR>血清学的検査では, Weil-Felix反応で, 3症例共OX2に有意の抗体価上昇を示した. 間接免疫ペルオキシダーゼ反応では, 恙虫病リケッチア3株に陰性であり恙虫病では無いことが証明された. 更に, CF反応で紅斑熱群特異抗原に対し陽性となり, 本症例は, 紅斑熱リケッチア感染症であることが確認された.