- 著者
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井沼 崇
間佐古 将則
中島 千晴
- 出版者
- 樹木医学会
- 雑誌
- 樹木医学研究 (ISSN:13440268)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.3, pp.133-138, 2015
<p>2012年8月,和歌山県のユーカリ栽培圃場に植栽されているユーカリ'銀世界'(<i>Eucalyptus pulverulenta</i>)に葉枯れ症状が発生し,症状が進展したものでは,茎部まで枯死した個体が見いだされた.葉および茎の病斑部には分生子殻が多数形成され,その内部に形成された分生子を用いて,単胞子分離を行い,菌株を確立した.この分離株上に形成された分生子を用いて調製した分生子懸濁液を2種のユーカリ属植物の葉に無傷で接種したところ,原病徴を再現,病斑からは接種菌が再分離され,病原性が確認された.また,形態的特徴,rDNA ITS領域および<i>β</i>チューブリン遺伝子の塩基配列より<i>Pseudoplagiostoma eucalypti</i>と同定した.培養菌叢は15~35℃で生育し,適温は25~30℃であった.</p>