著者
石原 孝 松沢 慶将 亀崎 直樹 岡本 慶 浜端 朋子 青栁 彰 青山 晃大 一澤 圭 池口 新一郎 箕輪 一博 宮地 勝美 村上 昌吾 中村 幸弘 梨木 之正 野村 卓之 竹田 正義 田中 俊之 寺岡 誠二 宇井 賢二郎 和田 年史
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.3, 2017 (Released:2017-04-14)
参考文献数
43

2012年9月から2013年4月にかけて、日本海沿岸で196個体のウミガメ類が漂着した。混獲された個体などを合わせると243個体となり、例年にない数のウミガメ類が発見された。種別の発見数はアカウミガメ151個体、アオウミガメ61個体、タイマイ17個体、ヒメウミガメ4個体、ウミガメ科の雑種4個体、オサガメ3個体であった。本研究で特に注目したのは、当歳幼体とここでは呼ぶ、甲長10 cm前後の孵化後数ヶ月のアカウミガメであった。アカウミガメ当歳幼体は107個体が漂着し12個体が混獲されており、ウミガメ類発見数の大半を占めていた。これらアカウミガメ当歳幼体は、mtDNAコントロール領域における~820塩基対より決定したハプロタイプの出現頻度から、沖縄や沖永良部産で、一部屋久島産が含まれることが示唆された。これらの個体が日本海に流入し始めたのは混獲の目立ち始めた10月から11月にかけてだと考えられ、水温の低下に伴い12月から1月になって日本海の海岸線に大量に打ち上げられたと推察された。水温の低下する冬季の日本海はウミガメ類の生存には厳しい環境であるとも思われるが、中には津軽海峡を通って太平洋へ抜けたであろう当歳幼体もいた。日本海に入ることはアカウミガメの当歳幼体にとって必ずしも無効分散ではないのかもしれない。
著者
秋山 宣行 中村 幸弘
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.1073-1080, 2009-08-20 (Released:2009-09-01)
参考文献数
12
被引用文献数
3 5

The purpose of this study was to correlate test bolus (TB) parameters and patient information and cardiac function with main bolus (MB) contrast density for 64-slice computed tomography, and to evaluate MB contrast density on a fixed injection rate, in comparison with an injection rate adjusted with TB parameters and patient information. A total of 256 patients underwent coronary CT angiography. In 126 patients (group 1), contrast material was administered at a flow rate of 4 ml/sec. The peak enhancement, the time needed to reach the peak of the TB and cardiac function of the MB were calculated for each patient in this group. The dependency of MB contrast attenuation on these parameters was evaluated. Significant correlations were obtained between the peak density of the TB and the patient’s body surface area (BSA) with the enhancement of MB. Furthermore, females showed a higher peak enhancement of MB than males. In view of the results of group 1, in the other 130 patients (group 2) injection protocols were computed by using regression analysis of each patient’s attenuation response to a TB and patient sex and BSA. Compared with group 1, the variations of MB contrast density of group 2 were reduced. Optimized contrast injection protocols are useful to reduce variations of MB contrast density, by taking these TB parameters and patient sex and BSA into account.
著者
本間 義治 牛木 辰男 武田 正衛 中村 幸弘
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.345-353, 2007-02-28

浮遊遠洋性の珍蛸アミダコ(♀)が, 2004年11月から2005年2月下旬にかけて,上・中越地方を中心に新潟県沿岸へ漂着したり捕獲されたりして,34個体が記録された.これらの中で,2月15日に掬われ,上越水族博物館へ収容され,18日に死亡した全長53cmの個体を10%フォルマリンで,次いでブアン氏液で固定し,卵巣・卵管の組織標本を作成して,観察した.卵巣重量は40g,抱卵数は60,000個以上であった.卵巣は中央に卵巣腔があり,多数の包嚢からなり,嚢内には様々の発育段階の卵巣卵(非同時発生型)が存在していた.若い卵母細胞は,それぞれ結合組織性の薄膜(層板)に付着していた.初期の卵母細胞には,円形の核(生殖胞)が明瞭であるが,発育が進むと卵は長楕円形となり,卵胞上皮が随所から陥入し始め,複雑に入り組み,卵黄形成が盛んとなる.さらに成熟が遊むと,卵母細胞は大きく球状化して,最大径1.2 mmに達する.卵膜には放射線帯,卵胞膜,莢膜の分化が明瞭となり,卵黄は板状化する.近位卵管内壁の粘膜は高く,複雑にひだ打っているが,遠位卵管壁は厚い結合組織と筋肉層で覆われ,内壁の粘膜は低く,ひだ打ちの程度は小さかった.浮遊遠洋性アミダコ卵母細胞の成熟過程は,沿岸性のマダコや深海性のメンダコ類などと変わらず,多回産卵を行うと推定された.
著者
今福 道夫 中村 幸弘
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.19-22, 1995-12-15

巻貝の軟体部が付着したままの貝殻を背負うヤドカリが、新潟県上越市沖の浅海の砂底から見つかった. 3個体はトゲトゲツノヤドカリDiogenes spinifronsで、1個体はトゲツノヤドカリD.edwardsiiであった.そのうちの1個体では、巻貝の蓋にヤドカリの鋏によると思われる傷が多数あったことから、その巻貝は生きている間にヤドカリによって襲われたものと推定される.また、水槽観察から、軟体部がヤドカリによって食べられたようなので、軟体部をもつ殻は、新しい宿と食料の保管という二重の機能をもつものと考えられる.
著者
中村 幸弘
出版者
國學院大學国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.72, pp.15-30, 2009-03