- 著者
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中村 隆宏
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.6, pp.383-390, 2008-12-15 (Released:2016-10-31)
- 参考文献数
- 3
「危険体験」をはじめ「体験型教育」,「体感教育」といった安全教育手法が注目されている.その内容や手法は多岐にわたり,今後ともさまざまに発展する可能性を示している.一方で,今後の普及およびさらなる発展のためには,どのようなコンセプトに基づく教育であるべきかといった議論が不可避であり,危険体験という教育手法についてその成り立ちや経緯,実施上の問題点や課題についても検討・整理する必要がある. 本研究においては,さまざまな展開を示しつつある危険体験教育について,安全教育としての実質的な効果を高め有効な教育手法としての発展の方向性を探る観点から,危険体験教育を実施する教習機関などへの聞き取り調査を実施した.本稿では,調査結果の報告を含め,教育手法開発の背景,教育実施上の課題など,危険体験教育の問題点と今後の展開について検討する.