著者
今栄 国晴 平田 賢一 清水 秀美 北岡 武 中津 楢男 西之園 晴夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.107-115, 1984-01-20

教育工学専門家に要求される能力(コンピテンス)を調べるために,日本科学教育学会など4学会の会員に,能力に関する質問90項目を主体とする調査票を郵送し,563名の有効回答を得た.因子分析の結果,5因子が抽出されたが,小・中・高の学校や教育センターに勤務する教育工学教師には,授業設計・授業研究能力因子とメディア制作・機器操作能力因子が重視され,大学・研究所勤務の専門家には,それらとともに,とくに研究能力が重視され,さらに,教育システム開発運営能力因子や教育に関する基礎知識因子も比較的重視されていることがわかった.このことは,教育工学専門家を養成する場合,その将来の勤務先によって養成すべき能力に大きな差があることを示唆している.なお,米国AECTのスペシャリストに要求される能力表との比較検討も行われた.
著者
中津 楢男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.279-287, 1993-06-25
被引用文献数
3

本論文ではデータベースの並行制御に関する直列化可能性理論を扱っている.一般に与えられた実行履歴が直列化可能かどうかの判定はNP完全であることが知られており,直列化可能な実行履歴の部分集合で多項式時間で判定できるクラスがいくつか知られている.こうしたクラスは実際のスケージューラの構成に利用できるほか,任意のスケジューラの能力の上界を与える点から注目されている.本論文では直列化可能性判定のための新しい概念を与える.この概念によれば,直列化可能性判定が明解になるばかりでなく,これまで知られている主な結果を含んだより一般的な定理を証明できる.次にこの定理に基づいて,多項式時間で認識できる,従来知られているより広いクラスをいくつか提案する.最後に多項式時間で動作する先読みスケジューラが存在するかどうかの判定にもこの概念が適用できることを示し,そのような先読みスケジューラが存在するより広いクラスを与える.