著者
今栄 国晴 平田 賢一 清水 秀美 北岡 武 中津 楢男 西之園 晴夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.107-115, 1984-01-20

教育工学専門家に要求される能力(コンピテンス)を調べるために,日本科学教育学会など4学会の会員に,能力に関する質問90項目を主体とする調査票を郵送し,563名の有効回答を得た.因子分析の結果,5因子が抽出されたが,小・中・高の学校や教育センターに勤務する教育工学教師には,授業設計・授業研究能力因子とメディア制作・機器操作能力因子が重視され,大学・研究所勤務の専門家には,それらとともに,とくに研究能力が重視され,さらに,教育システム開発運営能力因子や教育に関する基礎知識因子も比較的重視されていることがわかった.このことは,教育工学専門家を養成する場合,その将来の勤務先によって養成すべき能力に大きな差があることを示唆している.なお,米国AECTのスペシャリストに要求される能力表との比較検討も行われた.
著者
今榮 國晴 村久保 雅孝 中西 宏文 多鹿 秀継 橘田 紘洋 清水 秀美 平田 賢一
出版者
名古屋音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

〈目的〉中学校技術・家庭科「情報基礎領域」の授業の前後に、生徒のコンピュータリテラシーがどのように変化するかを明らかにする。〈手順1〉コンピュータリテラシーテスト(第3版)の標準化測定ツールとして我々が開発したコンピュータリテラシーテストの第3版を作成し、中学生2688人、高校生679人を対象に標準化した。このテストは、情意面を測定するコンピュータ態度尺度、コンピュータ不安尺度の2尺度、及びコンピュータ教養的知識尺度、コンピュータ技術的知識尺度の知識面2尺度の計4尺度から構成されている。テスト第2版標準化(平成2年)のデータと比較すると、パソコンやワープロを操作できる生徒が7割前後に増えたこと、コンピュータへの肯定的態度の増加、コンピュータへの不安や緊張の減少など、情報化に沿った変化があったが、知識量に変化はなかった。〈手順2〉情報基礎授業の前後の比較6中学校の3年生566人の生徒を対象に、情報基礎領域の授業(20〜30時間)の前後にコンピュータリテラシーテストの得点がどのように変化したかを調べた。その結果、コンピュータに関する知識は増加したが、コンピュータに対する態度に変化はなく、コンピュータ不安は授業後に高くなることが分かった。情報基礎授業が、コンピュータに対する不安や緊張を高めることは、授業の方法や内容に改善すべき点があることを示唆している。義務教育における教科指導は、知識の習得もさることながら、社会人として、将来、情報化に積極的に対応できるように学習を継続できる構えを形成することに主目標があるはずだからである。その他、授業改善に有用な資料を得ることができた。
著者
清水 秀美 今栄 国晴
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.348-353, 1981-12-30
被引用文献数
17