著者
畑野 航琉 中野 眞一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J106-A, no.1, pp.1-4, 2023-01-01

顧客の集合C,施設の集合F,各施設f ∈ Fの開設コストop(f),各顧客c ∈ Cの各施設f ∈ Fへの接続コストco(c, f)があたえられたとき,幾つかの施設を開設し,各顧客を開設施設に割り当て,かつ,各開設施設にr人以上の顧客を割り当てるようにしたい.このとき,全ての開設コストと全ての接続コストの合計が最小の解を計算する問題をmin-sum r-gathering問題という.本論文では,開設コストが0であり,接続コストが三角不等式を満たすとき,各顧客を最も近い開設施設に割り当てるという条件を追加したmin-sum r-gathering問題,すなわち近接条件付きのmin-sum r-gathering問題を解く,近似比3rの近似解を計算する多項式時間アルゴリズムをあたえる.このアルゴリズムは,rが定数のときこの問題を解く初の定数倍近似アルゴリズムである.
著者
松田 賢一 片山(池上) 礼子 東 成美 酒井 賀乃子 中野 眞一 玉村 壮太 早川 隆宏 伊達 彩香 高居 恵愛
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.29-38, 2020
被引用文献数
2

<p>36本の5年生'ルビーロマン'ポット栽培樹を用いて,満開後54日目(ベレゾーン以降の13日目)から収穫(満開後90日)までの間,満開後54~63日(54日区),63~72日(63日区),72~81日(72日区)と81~90日(81日区)の4つの生育ステージに分け,全日光環境制御型温室で9日間の低温処理(昼28°C/夜20°C)を行った.低温処理以外の期間は高温室(昼35°C/夜27°C)で育成した.また,全期間(満開後54~90日)に低温(低温区:昼28°C/夜20°C)と高温(高温区:昼35°C/夜27°C)の両対照区も設けた.低温処理後の果房の着色の変化は,63日区が最も大きく,その次が72日区であった.収穫果粒の着色は,低温区が最も濃く,54日区と高温区が最も薄かった.このことから,'ルビーロマン'では,満開後63日から80日の間は低温に対する感受性が高いことが示唆された.遺伝子発現解析の結果,低温区より高温区の<i>VlMybA1-2</i>,<i>VlMybA1-3</i>の発現レベルが高かった.一方,63日区と72日区の<i>VviF3′H</i>と<i>VviF3′5′H2</i>の発現が低温区と高温区よりも有意に高かった.これらの結果から,成熟後期の温度変化に起因する'ルビーロマン'果粒のアントシアニン蓄積量の増減は,<i>VIMybAs</i>の発現の量的変化によりもたらされたのではなく,別の制御要因が関与する可能性が示唆された.</p>
著者
山中 克久 川野 晋一郎 菊地 洋右 中野 眞一
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.7(2006-AL-104), pp.27-34, 2006-01-20

本文では 正の整数 n の整数分割を列挙するアルゴリズムを与える.この問題は 組み合わせ論において基本的な問題の1つであり 長い間 広く研究されてきた.これまで 整数分割1つ当たり平均定数時間で列挙する方法しか知られていなかった.我々は 与えられた整数の整数分割を 最悪でも1つ当たり定数時間で重複なく列挙するアルゴリズムを与える. また 条件付きの整数分割を定数時間で列挙するアルゴリズムをいくつか与える.
著者
ラハマン モハマッド サイドゥル 中野 眞一 西関 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.98, no.380, pp.1-8, 1998-10-30

平面グラフGを整数格子上に次の(1)-(3)を満たすように描画したものをGの箱-矩形描画という.(1)各点は矩形として描画する.(この矩形を箱と呼ぶ.)(2)各辺は水平もしくは垂直線分として描画する.(3)各面の輪郭は矩形として描画する.平面グラフGの描画で, 各点を格子点として描画し, 各面の輪郭を矩形として描画したものを, Gの矩形描画という.箱-矩形描画は, 通常の矩形描画の自然な一般化である.本論文では, 平面グラフGが箱-矩形描画を持つための必要十分条件を与える.また, Gが箱-矩形描画を持つならば, その描画を求める線形時間アルゴリズムも与える.求められた描画の高さと幅の和は, m+2以下である.ここで, mはGの辺数である.
著者
中野 眞一
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

いくつかの平面構造を格納する、コンパクトなデータ構造を開発した。これらのデータ構造は少ないメモリしか必要とせず、簡単で、基本的なデータに高速にアクセスできる。さらに、必要であれば、元のデータを再構成することもできる。たとえば、各点の子の個数が高々2であり、かつ、兄弟間に順序がない木を格納するコンパクトな2進文字列を開発した。この文字列の長さは圧縮の理論的限界に非常に近いことも示した。
著者
吉井 訓史 中野 眞一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.945-952, 2005-08-01
被引用文献数
9

グラフを, 各面が方形(長方形)であるように, かつ, 辺が交差することなく平面に描画したものを, 方形描画と呼ぶ. 内面の個数がたかだかn個であるすべての方形描画を, 重複も抜けもなく高速に列挙するアルゴリズムが知られている. 本論文では, この列挙アルゴリズムを改造することにより, 方形描画を列挙することなく, これらの個数のみを高速に数え上げるアルゴリズムを提案する. また, この数え上げアルゴリズムを実装することにより, 方形描画の個数の値をn&le;13について求めた. 更に, 従来の列挙アルゴリズムも実装し, 方形描画の個数の値を求めた. 方形描画の個数は, 上記二つの結果において一致することを確認した. これにより, これまで未解決であった方形描画の個数の値がn&le;13まで新たに確定した. 今回提案する数え上げアルゴリズムは, 従来の列挙アルゴリズムより約200倍高速であった.
著者
小野 顕光 中野 眞一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.72, pp.53-57, 2005-05-13

半順序集合Pが与えられたときに、すべてのトポロジカルソートを生成する幾つかのアルゴリズムが知られている.既知のアルゴリズムで最も高速なものは、各トポロジカルソートを"平均"定数時間で生成する.本文は, 各トポロジカルソートを定数時間で生成するアルゴリズムを与える.既知のアルゴリズムは, 各トポロジカルソートを丁度2回づつ生成し, そのうちの一方のみを出力するのに対し, 我々のアルゴリズムは各トポロジカルソートを丁度1回づつ生成する.