著者
金銅 誠之 江口 徹 伊藤 由佳理 伊山 修 馬 昭平 菅野 浩明 長尾 健太郎 向井 茂 島田 伊知朗 小木曽 啓示 吉川 謙一 宮本 雅彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

いくつかの方程式の共通零点の集まりとして定まる図形(代数多様体)の構造や対称性および図形のある種の分類(モジュライ空間)を行うことが代数幾何の大きな問題である。楕円曲線の2次元版としてK3曲面と呼ばれる代数多様体が19世紀に発見され、現在、数学および数理物理でも興味を持たれている。本研究において、K3曲面のモジュライ空間の構造の解明や、K3曲面の対称性を表す自己同型群の記述などの成果を得た。またK3曲面の対称性とマシュー群と呼ばれる有限単純群との間の不思議な関係を示唆するマシュームーンシャイン現象と呼ばれるものが関心を集めているが、この方面での研究においても成果をあげた。
著者
金銅 誠之 島田 伊知朗 小木曽 啓示 伊山 修 馬 昭平 菅野 浩明 江口 徹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

研究代表者は標数2、Artin 不変量1の超特異K3曲面を標準被覆に持つエンリケス曲面は3種類に限ること、およびそれらの具体的な構成を与えた。分担者 馬はジーゲルモジュラー多様体上の普遍アーベル多様体やそのコンパクト化上の多重標準形式とジーゲルモジュラー形式の対応を与え、久我族の小平次元の評価を得た。分担者 菅野は複素 Chern-Simons 理論の正準量子化から導かれる U(1) 同変な変形 Verlinde 代数とある種の 4 次元超共形場理論の超共形指数が定める2次元位相的場の理論の対応関係に関して研究を行った。分担者 島田は超越格子のディスクリミナントが小さい特異K3曲面上のエンリケス対合を分類し、さらに階数10の双曲的ユニモジュラー偶格子の交点形式を2倍にしたものから階数26の双曲的ユニモジュラー偶格子への埋め込みを分類した。分担者 小木曽は複素Enriques曲面の自己同型の正エントロピーの最小値を決定し、さらに素体上超越次数が正である任意の奇素数標数の代数閉体上、K3曲面と双有理な滑らかな射影代数曲面でその全自己同型群が非有限生成であるものの存在を示した。また、素体上超越次数が零である任意奇素数標数の代数閉体上では、K3曲面と双有理な滑らかな射影代数曲面の全自己同型群は常に有限生成であることも示した。近年のCohen-Macaulay表現論は、導来圏・三角圏を制御する傾理論の影響を大きく受けて発展していが、分担者 伊山は主要な研究成果に関するサーベイをICM 2018のproceedingsに執筆した。
著者
吉田 健一 橋本 光靖 伊山 修 藤野 修 寺井 直樹 寺井 直樹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

研究代表者は、以前の研究で原伸生氏と共に、一般化された密着閉包の概念を導入し、乗数イデアルを可換環論の言葉で定義することに成功した。具体的には、乗数イデアルは、密着閉包のテストイデアルの標数に関する極限として得られる。本研究では、小さな標数のテストイデアルの振る舞いと乗数イデアルの振る舞いとの違いを明らかにした。さらに、可換環論におけるさまざまな不変量の研究を行うために、密着閉包の理論を整備した。
著者
庄司 俊明 岡田 聡一 伊山 修 伊師 英之 小森 靖 宮地 兵衛 長尾 健太郎 宮地 兵衛 筱田 健一 谷崎 俊之 兼田 正治 有木 進 和田 堅太郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

Exoticベキ零錐の軌道分解から得られる交差cohomology とC型Weyl群の既約指標との間のSpringer対応を証明した。それを利用してこれらの交差cohomology のPoincare多項式に関するAchar-Henderson の予想を証明した。