著者
西尾 友佑 三谷 康範 伊東 啓太郎 石松 一仁 藤塚 恭平 副島 康正 Nishio Yusuke Mitani Yasunori Ito Keitaro Ishimatsu Kazuhito Fujitsuka Kyohei Soejima Yasumasa
雑誌
【B】電力・エネルギー部門 電力系統技術研究会
巻号頁・発行日
2011-09-30

近年注目されている壁面緑化であるが、その効果を評価するにはデマンド抑制やエネルギー削減、緑化植物そのものの生成エネルギーを定量的に考える必要がある。本研究では、居住空間基本単位を想定したエコエネルギー実験施設「Green Cube」に壁面緑化を施し、エアコンの消費電力量に基づいてデマンド抑制効果・省エネルギー効果を定量評価し、その緑化植物の生成エネルギー量を収穫重量からのカロリーベースで検討する。
著者
伊東 啓行
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.127-132, 2019-04-10 (Released:2019-04-09)
参考文献数
23

腹部大動脈瘤破裂(ruptured abdominal aortic aneurysm, RAAA)に対する救命手段は緊急手術のみであるが,今日その方法としては人工血管置換術(open surgical repair, OSR)に加えて,ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair, EVAR)も有力な選択肢となっている.RAAAの治療に当たる血管外科医はOSR, EVARのいずれにも精通しておく必要がある.ここではRAAA治療の現状に加えて,RAAA術後合併症として重要な腹部コンパートメント症候群について述べる.
著者
守田 智 吉村 仁 伊東 啓 泰中 啓一
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究課題では社会に遍在するネットワーク上での拡散現象に着目している.この1年で,特に知られるようにもなった感染性拡散モデルに対する基本再生産数およびそれを拡張したタイプ別再生産数の定式化を行った.驚くべきことに従来から知られていた公式より正確なものが得られた.実在のネットワークではリンクのつながり具合に相関がみられるが,この相関を考慮した場合についても定式化に成功した.また,上記の研究をリアルな性感染症拡散モデルにも応用している.
著者
守田 智 岡部 拓也 伊東 啓
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究課題では,ネットワーク上のダイナミクスに応用できるような形式で隣接行列を縮約的に表現する方法を開発し,理論物理学で発展してきたネットワーク理論の応用範囲をより現実の問題を扱えるような形式に書き直すことを目指している.記述に膨大な容量を必要とする隣接行列に代わる縮約的表現によって,ネットワーク上を伝播する感染症や情報,あるいは進化ゲームにおける戦略の拡散メカニズムをより的確に理解できるようにする.研究代表者がその理論的基盤を整備し,分担者と協力して応用を開拓する.
著者
伊東 啓 柿嶋 聡 上原 隆司 守田 智 小山 卓也 曽田 貞滋 John Cooley 吉村 仁
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.577-578, 2016-03-10

北米には、13年もしくは17年に一度、大量発生するセミが生息している。このセミはその発生周期から周期ゼミ・素数ゼミと呼ばれており、なぜ素数周期で大発生するセミが誕生したのかは未だに大きな謎である。これまでの研究から、様々な周期が混在したときに、交雑の観点から素数周期だけが生き残ることが数値計算によって導かれていたが、その前段階である周期性そのものの進化は再現されていなかった。我々は、個体ベースのシミュレーションモデルを構築し、氷河期(平均気温の低下)という環境下でセミの周期性が進化する様子を再現することに成功した。これにより、氷河期による成長スピードの低下という危機的状況が周期性進化に大きく関係していることが示唆された。本結果は、環境変動によって進化が引き起こされることを明確に示したものである。
著者
伊東 啓太郎
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.49-56, 2016 (Released:2017-08-31)
参考文献数
35
被引用文献数
4

風土性と地域・まちづくりについて,特徴的なランドスケープの事例とランドスケープデザインの実践を踏まえながら,景観生態学からのアプローチとその課題について整理,考察した.都市における生物多様性と地域特性を取り入れながら設計した都市公園を事例として,デザインプロセスとその特徴を再検証した.パブリックな空間におけるデザインには,制約条件が多い.このため,地域の特性を表現し,デザイン性を高めるには,地形,植生,歴史や文化を直接的,間接的に取り入れてゆく必要がある.特徴的なランドスケープは,そのままでも人を惹きつけ,守られる可能性が高い.ここでは,日常にあるランドスケープを地域の歴史や自然の中にどのように位置づけ,デザインしてゆくかということについて考察した.
著者
真鍋 徹 石井 弘明 伊東 啓太郎
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-7, 2007-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
64
被引用文献数
12 8

都市緑地は, 都市住民に対するレクリエーション, 防災, アメニティー, 環境調節機能や, 都市に生育・生息する野生生物に対するハビタット, コンジット, シンク機能など, 多面的機能を持った存在である.これら緑地空間の持つ機能を効率的に活用するには, 新たな緑地を創出するよりも, 現存する緑地を活用するほうが, 技術面・コスト面からみても有効であると考えられる.その地の潜在的な植生の姿を現在にとどめるような自然度の高い社寺林は, 都市緑地の効果的な維持・管理に向けての中核的存在となり得ることが期待できる.社寺林の生態学的研究は植物社会学的手法による群落記載に端を発した.その後, 社寺林を孤立林として認識し, 孤立した社寺林の群集構造・動態, 生息・生育地機能, 物理的環境要因を評価した研究へと発展した.また, 最近の研究結果から, 社寺林の構造・動態には, 社寺林内外の管理様式や神仏分離・都市公園法などの政策といった社会的要因も関与していることが示された.社寺林の機能を評価するためには, 広域的な景観スケールで社寺林を捉える必要がある.また, 生態学的要因のみならず人文科学的・社会科学的要因も考慮しなければならない.さらに, 都市緑地の中核的存在として社寺林を活用するには, 人による管理が必須であることが, 科学的な根拠の基で主張できるようになってきた.社寺林に限らず, 今後の都市緑地の保全・管理においては, 多様なスケール・手法を用いた個々の研究を蓄積し, 有機的に統合することが重要であるといえる.