著者
伊東 大介
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.379-383, 2022 (Released:2022-11-22)
参考文献数
22

The approval of amyloid β–targeted therapy for Alzheimer disease (AD) in the United States has opened the door for disease–modifying drugs for protinopathies. However, the target of treatment is mild cognitive impairment and/or mild Alzheimer disease (AD), but not advanced AD, and its efficacy is limited. Therefore, there is no doubt about the importance of establishing a therapeutic strategy for tau protein, another pathological indicator of AD. Tau is an accumulation protein that is pathologically correlated with the severity of dementia, and it has been considered as a key molecule that directly leads to neurodegeneration. Therefore, control of tau lesions is the essential therapeutic target in symptomatic AD.Immunotherapy and nucleic acid therapies are being developed as disease modifying agents for protinopathies. In particular, several clinical trials are underway for tau–targeted antibodies and antisense oligonucleotides. In this article, we will discuss the current status and prospects of disease–modifying drugs against tauopathies.
著者
松山 周世 伊東 大
出版者
一般社団法人 日本創傷外科学会
雑誌
創傷 (ISSN:1884880X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.109-117, 2022 (Released:2022-07-01)
参考文献数
9

遊離組織移植後の血行動態をモニタリングし,血行動態を早期に判断し,移植組織を救済することは手術の成功率を高めるうえで重要である。術後のモニタリングには種々の方法が報告されているが,統一された血流の評価方法は確立されていない。今回われわれは,指装着型近赤外線組織オキシメータを用いて術後の移植組織のモニタリングを行い,その有用性を検討した。集積したデータでは,組織酸素飽和度(rSO2)が 30% 以上かつ総ヘモグロビン指数(T-HbI)が 0.48 以下であれば移植組織は全例生着していた。しかし,生着した移植組織と健側とでは,測定値に有意差がみられるタイムポイントも存在していた。rSO2とT-HbIの明確なカットオフ値はないが,手技が簡便,非侵襲的,再現性が高いといったさまざまな利点があり,臨床所見での評価に難渋する症例に対して,補助的なモニタリングとして有用な方法の一つと考えられる。
著者
徳原 克治 山中 英治 伊東 大輔 小柴 孝友 佐藤 正人 小切 匡史
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1690-1694, 2001-11-01
被引用文献数
15

患者は69歳の男性.1995年頃より, 肛門周囲の皮膚からの排膿, 出血を繰り返し, 1999年3月頃には大豆大の腫瘤が出現した.2000年初めより排膿, 出血が頻回となり腫瘤が増大してきたため, 同年5月当科を受診した.肛門3〜5時方向にかけて表面に潰瘍を有する38×27mm大の腫瘤が存在, その一部を生検したところ中分化腺癌と判明した.また大腸内視鏡で, 肛門縁より20cm口側のS状結腸に2'型進行癌を認め, 生検の結果は中分化腺癌であった.両病巣の組織像が一致したことより, S状結腸癌とその管腔内転移による転移性痔瘻癌と考え, 腹仙骨式直腸切断術を施行した.痔瘻は日常診療においてしばしば遭遇する疾患であるが, 痔瘻に癌が発生した場合は転移性痔瘻癌も念頭に置き大腸検査を施行する必要がある.また大腸癌患者で痔瘻を有する場合は, 痔瘻への転移も考慮にいれた厳重な経過観察が必要であると考えられた.
著者
古元 克好 水野 礼 森 友彦 伊東 大輔 小切 匡史
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.3704-3708, 2009 (Released:2010-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

10例の急性上腸間膜動脈閉塞症例を検討した.術前診断に有用と考えられたのは腹部CTにおけるsmaller SMV signで,単純CTでも指摘できた.全例が小腸大量切除と大腸部分切除を必要とし救命例6例の平均残存小腸長は75cmで,うち中心静脈栄養を離脱しえた4例は95cm,離脱しえなかった2例は35cmであった.代表例として,中心静脈栄養を離脱できずにいる1例について報告する.68歳男性,腹痛を主訴に来院し腹部単純CTでsmaller SMV signを認め,さらに14時間後のCTで上腸間膜動脈血栓が明らかになったため,発症28時間後に手術を行った.残存小腸が20cmで経口摂取が不可能なため在宅中心静脈栄養中だが,カテーテル感染を繰り返し24回の入れ替えを行っており必ずしも良好なquality of lifeではない.5年以上生存しておりこのような例はまれであるが,肝,腎障害や高カルシウム血症も経験しており短腸症候群の管理の困難さを痛感している.
著者
伊東 大輔 天目 隆平 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.566, pp.1-6, 2006-01-19
被引用文献数
1

拡張現実感(Augmented Reality : AR)を利用したヒューマンナビゲーションなどの位置に依存した情報提供サービスを実現する上で, 位置に依存した情報を管理するためのオーサリングシステムの必要性が指摘されている.近年, 地図を用いたオーサリングシステムなどの開発も盛んに行われている.しかし, 2次元及び3次元の地図を利用して位置依存情報のオーサリングを行う場合, 地図と現実環境の不一致により, 制作者の意図した提示位置と現実の環境中での提示位置にずれが生じる場合がある.本稿では, 地図情報を利用したシステムとモバイルARシステムを利用した2つのフェーズを切り換えてオーサリングを行うことで, 効率的なオーサリングが可能なシステムの構築を目的とする.第1フェーズでは地図を利用し, 第2フェーズではARを利用してオーサリングを行う.制作者は2種類のクライアントシステムを利用し, 意図した提示位置・姿勢にコンテンツを配置することで, 地図と現実環境の不一致による提示位置のずれ等を解消する.また, プロトタイプシステムを用いた実験結果によりシステムの有用性を示す.
著者
伊東 大介 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.122, pp.17-24, 1999-06-17
被引用文献数
1

近年、人間の顔表情をCG (Computer Graphics)にて表現することは映画の特殊効果や、ヒューマンインタフェースのためのエージェントの表現として-般的になっており、そのクオリティは実写に近いレベルまで達している。しかしながらそれらの構築に対しアニメータ等の膨大な労力と資金が必要であり、製作期間も長期間にわたるのが現状である。そこで本論文ではリアルな顔画像生成のため、皮膚組織や表情筋を持つ顔面筋肉モデルを用いて表情表出を行うシステムを構築し、各表情筋の変化に対応した筋電を測定する装置を用いて各々の筋電を測定し、各筋肉の収縮をモデル化する。測定データから顔面筋肉モデルの表情筋をコントロールして、リアルな口形状のモデル化を実現するシステムも可能となった。