著者
伊理 正夫
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.58-66, 1993-03-15
著者
松井 正一 伊理 正夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.306-313, 1980-07-15
被引用文献数
9

従来の浮動小数点表現方式で問題となっていた指数部あふれを解決する新しい表現方式の提案を行う.新表現方式は 指数部と仮数部との境界を動的に変化させることにより 指数部あふれを防ぐとともに 普通の大きさの数に対してはより高い精度を確保することができる.また普通の数ではない数をいくつか考えることにより "数の体系"を閉じたものとする.新しい表現方式が効果を発揮するような計算例も示す.
著者
伊理 正夫 松谷 泰行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.103-107, 1967-03-15
被引用文献数
1
著者
杉原 厚吉 伊理 正夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.962-974, 1987-09-15
被引用文献数
12 8

ソリッドモデラにおける最も重要な問題の一つは 図形の交差判定である.図形要素が非常に接近したとき 数値計算の誤差が図形の交差の順序を逆転させることがある.このような誤った判定に基づいて図形を操作すると たとえば立体の表面の表と裏が部分的にひっくりかえったりして システムの暴走の原因となる.これを防ぐために 従来のシステムでは"非常に接近した図形要素は同じ位置を占めているとみなす"という便宜的処理にたよっており 暴走を完全に防ぐことはできていない.本論文では 計算誤差による交差判定の誤りを完全に防止できる多面体モデラの一設計法を提案する.これは 最近 数値計算や計算量の理論などの分野で認識され始めている "有限の桁数で表された原始データを厳密に正しいものとみなすと それを用いた計算結果の符号判定もやはり有限の桁数の計算で厳密に行うことができる"という"新しい観点"を利用したものである.まず この観点からソリッドモデラにおける図形の表現法・操作法をみなおす.そして 多面体を構成する各面の方程式の係数を唯一の基礎的データとみなし すべての図形操作をこのデータにさかのぼって行うことにより 基礎的データの5倍の精度の計算で上の目的を達成できることを示す.また 予備的な計算実験例もあわせて報告する.
著者
伊理 正夫 今井 敏行 久保田 光一 室田 一雄 杉原 厚吉
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

本研究は,代表者伊理正夫が1983年に発案した高速自動微分法のためのソフトウェア試作と実際問題への応用を発展させ,実用技術として確立することを目的とした。本研究によって得られた成果をその目的に沿って述べると次のようになる。(1)プリプロセッサの改良:C++による処理系を試作し,既に製作してあったFORTRANによるものとともに改良を重ね,実験用ソフトウェアとしては一応の完成をみた。それらを移植し,種々の計算機上で高速自動微分法を利用可能にした。さらに,勾配の誤差も計算できるようにするなど改良を加えた。現在,サブル-チン等の副プログラムに対する処理,ベクトルプロセッサ向けの処理を導入すべく,処理系をさらに改良中である。(2)丸め誤差の推定の理論の厳密化,丸め誤差の推定値を積極的に利用する算法の開発・実験,実際的な問題への応用:理論的に従来の区間解析よりも優れていることを証明しただけでなく,応用時に問題になる計算グラフの作成方法の改良の必要性を指摘し,解決のためグラフの縮小法を開発した。実用面では,演算増幅器の直流解析などを例にした非線形方程式系解法への応用や,幾何的アルゴリズムを利用した地理的最適化問題に適用し,精度,速度,特に収束性を詳しく調べることを通じ,従来の方法に比べて高速自動微分法が有効であることを確認した。(3)高速自動微分法と数式処理システムとの融合:プリプロセッサが改良中であること,実用面での高速自動微分法の有効性の証明を精密に行なうのに時間と労力を費やしたため,この方面に関する研究は,完成しておらず,今後の課題として残された。上記の成果をふまえて,国際数理計画シンポジウム,京大数理解析研研究集会,情報処理学会研究会,SIAM Workshopなどでの発表,内外の研究者との交流を行い,本研究の成果が国際的に先導的地位にあることを確認した。
著者
伊理 正夫 真鍋 龍太郎 森戸 晋 田辺 國士 刀根 薫 今野 浩
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1987

本研究は, 1988年夏に東京で開催される第13回国際数理計画法シンポジウム(13th International Symposium on Mathematical Programming)に向けてわが国の学界および産業界の研究者と実務者たちを糾合し, 数理計画法の理論と応用を総合的な立場から研究することを目的に行なわれた.理論に関しては, 線形計画問題の新解法, 計算幾何学, ネットワーク理論, 非線形最適化のアルゴリズム, ファジイ計画法, 均衝計画法, アルコフ決定問題などの研究グループが組織され, 様々な研究を行なった. また, 応用上は, 化学プロセス, 金融・投資, 鉄鋼業, 石油精製, 人工知能, ロボット工学, 通信ネットワークの最適設計, FMSなどへの応用に見るべきものが多数得られた. これらはすべて日本の研究者がオーガナイザーとなり, 今夏の国際会議の特別セッションとして企画を進めている.また, 1987年10月には, 2日間にわたって広島において第8回数理計画法シンポジウム, Japanを開催した. この会議は上記の国際会議の準備会として実施されたもので, 発表件数は約20件, 参加者は150人に達し活況を呈した. また, この会合には, 国際会議の組織母体の1つである国際数理計画法学会の現会長M.Balinski教授が特別参加し, 特別講演を行ったほか, 日本側関係者と国際会議に関する重点的な打合わせを行なったことを付け加えておく.