- 著者
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佐藤 一誠
- 雑誌
- 研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
- 巻号頁・発行日
- vol.2015-NL-222, no.7, pp.1-1, 2015-07-08
ベイズ的最適化とは,入力から出力を得るコストが高いブラックボックス関数を効率的に最適化する手法の総称である.高コストなブラックボックス関数に対して,できるだけ少ない入力のステップでより最適化な出力を得ることを目的とする.例えば化学実験において,ある実験設定を入力として,得られた化合物の良し悪しが数値的に計測可能な場合に,より良い実験設定を探索する問題は,ベイズ的最適化の 1 つの応用例となる.近年,機械学習アルゴリズムの複雑化にともない,機械学習アルゴリズムの実験設定も複雑化しており,ベイズ的最適化によって機械学習の実験を効率化する研究が注目を集めている.例えば,word2vec に代表される単語のベクトル表現学習では,ベクトルの次元,窓幅,負例サンプリング分布のパラメータ,負例数,学習率などさまざまな実験設定があり,これらの効果的な実験設定を効率的に探索する必要がある.本発表では,ベイズ的最適化の入門から最先端の話題まで説明し,NLP の実験の効率化などについても触れる予定である.