著者
佐藤 久恵
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.231-243, 2021

<p> 大正十一(一九二二)年七月七日、宮尋常高等小学校の小野さつき訓導は、担任の児童五十六名と共に校外授業の写生のため白石川を訪れた。授業後、川遊びを始め溺れた児童三名のうち二名を救助し、その後一名と共に溺死し殉職した。本稿では、この経緯について宮城県公文書館から取り寄せた公文書『大正十一年学事雑務』のそれに関する部分を翻刻し考察した。文書全体は七月八日から約一カ月の間の文書だが、その中から以下の三文書を中心に取り上げた。①は同校上席訓導佐藤保治、校長我妻貞亮が宮城県知事に提出した「進退伺」の別紙「調査書」、②は①を受け七月十五日付けで刈田郡長佐藤静治が同知事宛に報告する起案文書の「別紙」、③は小野訓導表彰申請の際の「調書」である。これらによって、雑誌等による資料では見えなかった到着時から既に「水泳をしたい」と希望するような児童の行動予測が不十分であったと考えられる記述があることと、また、村葬の可決や仙台四新聞社との協議により最初期から顕彰の広がりがみられることとを確認した。</p>
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。