著者
志賀 幹郎 竹田 ゆう子 史 杰 所澤 潤 李 明玉 田中 亜子
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

韓国、中国、台湾で実地調査を行い、報告書にそれぞれ論文、調査報告として公表した。韓国に関しては、英語教育の早期化に関連する英語村についての調査報告、および日本語教育の実態についてのインタビュー記事を掲載した。中国に関しては、中国東北部朝鮮族自治区における外国語教育動向を詳しく紹介した。台湾に関しては、現地語教育の実際を収集資料を駆使して明らかにすることができた。いずれも、実地調査による最新の情報をもとに論じたもので、外国語教育が国・地域の実情と複雑に関連し合う状況の一端を示せたと考える。また、国内外の研究協力者の寄稿を報告書に多数収載することができた。研究協力者は、本研究のテーマに関心を寄せ、様々に意見交換や情報提供を行ってくれた。寄稿原稿には、韓国における初等英語教員養成の問題を扱った論文、韓国の日本語教科書の内容分析を行った論文、日本の英語教育改革動向の概論、日本のバイリンガル英語校に関する論考、日本の小学校における外国語教育実践の報告等があり、本研究のテーマを様々に掘り下げている。報告書以外に、本研究の成果は平成18年度に「海外の外国語教育(韓国の場合)」(日本語教育学会主催研修会)(志賀)の題で公表したほか、同年度に「韓国の英語教育早期化動向-初等学校第1学年からの英語必修化計画」(志賀)、「中国における外国語教育の政治過程-建国初期から文革期のコリアンチャイニーズを中心に-」(李)の二編の雑誌論文としても公表した。本研究により、各国・地域の英語教育早期化の現状は、国際的動向の一様な現れというよりは、それぞれの国・地域の固有性の中でよく理解されるという了解が得られたと考える。また、英語教育および第二外国語教育の早期化の大きな課題は、言語教育の公共性をいかにして確保するかであり、各国・地域の取り組みは、そのための奮闘の軌跡として興味深いものであることが分かった。
著者
所澤 潤 中田 敏夫 入澤 充 小川 早百合 古屋 健 江原 裕美 澤野 由紀子 志賀 幹郎 山口 陽弘 田中 麻里 YOFFE LEONID G 服部 美奈 山崎 瑞紀 日暮 トモ子 猪股 剛 小池 亜子 小室 広佐子 近藤 孝弘 三輪 千明 市川 誠 音山 若穂 前田 亜紀子 徳江 基行 モラレス松原 礼子 佐藤 久恵 林 恵 清水 真紀 福田 えり (石司 えり) 白石 淳子
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。