著者
前田 駿太 増田 悠斗 佐藤 友哉 嶋田 洋徳
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.46-57, 2016-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究の目的は,社交不安症における心理的ストレッサーに対するコルチゾール反応についてメタ分析を用いて検討することであった。文献検索の結果,社交不安症の診断基準を満たす者と健常者の間で心理的ストレッサーに対するコルチゾール反応を比較している9報の文献が抽出された(社交不安症群:N=265;健常群:N=199)。そして,ベースライン期,ストレス期(ストレス負荷後25分まで),回復期(ストレス負荷後25分経過以降)の3つの時期それぞれにおいて,社交不安症群と健常群のコルチゾール値の差分値に基づく効果量を算出した。メタ分析の結果,いずれの時期においても社交不安症群は健常群よりも高いコルチゾール値を示すことが明らかになった。このことから,社交不安症においては直接的なストレッサーの呈示に対してのみならず,ストレッサー呈示前後の認知的処理によってもコルチゾール反応が亢進していることが示唆された。
著者
佐藤 友哉 橋本 塁 嶋田 洋徳 大月 友
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.91-98, 2015 (Released:2015-11-19)
参考文献数
28

本研究の目的は、社交不安の2つのサブタイプ(全般性、非全般性)における、刺激関係の形成の流暢性と、スピーチ場面で生起する生理的反応の差異を検討することであった。54名の大学生を対象に、パフォーマンス場面に対する不安を測定するSocial Phobia Scale(以下、SPS)、対人交流場面に対する不安を測定するSocial Interaction Anxiety Scale(以下、SIAS)への回答を求め、関係ネットワーク間での刺激関係の形成の流暢性を測定するGo / No-go Association Taskを実施し、スピーチ課題中の精神性発汗を測定した。SPS、SIAS得点の平均値、標準偏差をもとに群分けを行い、基準を満たす30名が分析対象とされた。その結果、全般性の社交不安を示す者は、不安が低い者と比較してパフォーマンス場面をあらわす言語刺激群と、ネガティブな情動をあらわす言語刺激群の間の刺激関係を形成しやすいことが示された。また、不安が低い者は、スピーチ準備期と比較して実施期の精神性発汗の程度が高いことが示された。本研究の結果から、社交不安の2つのサブタイプを関係フレーム理論の観点から記述する有用性が示唆された。