著者
木村 真二 藤田 健太 石隈 慎一郎 白岩 真弥 豊田 英里 浦川 聖太郎 佐藤 文衛 伊藤 洋一 時政 典孝 向井 正
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.88-88, 2005

1995年に初めて我々の太陽以外の恒星の周りを回る惑星、太陽系外惑星が発見されて以来、その数は現在までに160個に達している。太陽系外惑星の検出方法はいくつかあるが代表的なものとしては、ドップラーシフト法とトランジット法がある。我々はすばる望遠鏡でのドップラーシフト法による観測から視線速度に変化の見られる天体を、西はりま60cm望遠鏡を用いて観測し、トランジットの検出を試みている。今回は、西はりまでの観測においてトランジット検出に十分な測光精度を得られたことを報告し、さらにいくつかの天体の観測・解析結果を示す。
著者
佐藤 文衛 神戸 栄治 安藤 裕康
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.751-760, 2004-11-05

1995年の太陽系外惑星(以下,系外惑星)の発見は,人類史上に燦然と輝く大発見であった.その後,現在までに約120個の系外惑星が発見され,驚くべき多様性に富む姿が明らかになってきた.我々日本のグループも2001年に系外惑星探索を始め,昨年,日本初の系外惑星の発見に成功した.これらの発見を支えているのは,恒星のわずか数ms^<-1>のふらつきをとらえる視線速度精密測定技術の目覚しい進歩である.最近,視線速度測定精度はついに1 ms^<-1>の壁を突破し,いよいよ地球型惑星の検出を視界にとらえ始めた.第2の地球に会える日は着実に近づいている.
著者
佐藤文衛 綱川秀夫著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2018
著者
井田 茂 佐藤 文衛 渡部 潤一 河合 誠之 玄田 英典
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

太陽系外の惑星(系外惑星)の発見数は750個以上、ケプラー衛星望遠鏡による候補天体も2300個以上となり、惑星および惑星系の性質についての統計的議論が始まっている。本研究では主星の組成(重元素比)によって惑星系がどう変わるのかを調べた。惑星軌道進化のN体シミュレーションおよび惑星の衝突流体シミュレーションを行う一方で、その結果を組み合わせたモンテカルロ計算を行なった。重元素比が高い主星のまわりでは重元素が多いので、巨大ガス惑星が複数形成され、軌道不安定をおこして、軌道離心率が跳ね上げられることがわかった。また、視線速度法サーベイ観測を推進する一方で、アマチュアや学生を巻き込んだトランジット・フォローアップ観測ネットワークを組織し、理論・観測の両面から追及した。
著者
吉田 道利 泉浦 秀行 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡に装着された可視光高分散エシェル分光器用に、望遠鏡カセグレン焦点から光を導く光ファイバー天体導入システムの開発を行った。また、ファイバー集光システムに付随する問題点とその解決策を明らかにした。さらに、巨星周りの惑星探査計画を進め、散開星団に世界ではじめて系外惑星を発見するなど、巨星周りに惑星を新たに8個発見することに成功し、恒星質量・年齢と惑星質量・軌道半径の間に相関関係が存在する兆候を見出した。
著者
佐藤 文衛
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.138-146, 2009-09-25

太陽以外の恒星を周回する惑星,すなわち系外惑星はこれまでに約350個発見されているが,そのうちの約8割はドップラー法-惑星との共通重心を周回する恒星の視線速度変化をとらえる方法-によって発見されたものである.近年,ドップラー法の測定精度は1m/sを切るところまで到達し,地球型惑星の検出にも手が届き始めている.我々日本のグループも,短周期巨大惑星の探索や巨星を周回する惑星の探索などで成果を挙げてきた.本稿では,まずドップラー法の基礎となる恒星の視線速度を精密に測定する手法を解説し,続いて,我々の観測から明らかになった新たな系外惑星の姿を紹介する.