著者
倉本 圭 川勝 康弘 藤本 正樹 玄田 英典 平田 成 今村 剛 亀田 真吾 松本 晃治 宮本 英昭 諸田 智克 長岡 央 中川 広務 中村 智樹 小川 和律 大嶽 久志 尾崎 正伸 佐々木 晶 千秋 博紀 橘 省吾 寺田 直樹 臼井 寛裕 和田 浩二 渡邊 誠一郎 MMX study team
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.207-215, 2018-09-25 (Released:2018-12-21)

火星衛星Phobosからのサンプルリターンに挑む火星衛星探査計画 (Martian Moons eXploration: MMX) は,現在,宇宙航空研究開発機構 (JAXA) プリプロジェクトとして,2024年の打ち上げと5年の往還期間を設定し,精力的な検討・初期開発が進められている.MMXは,サンプル分析,Deimosを加えた火星衛星の近接観測,そして火星大気および火星圏のモニタリング観測を組み合わせることにより,惑星に寄りそう衛星という切り口と視座から,太陽系における大気と水を湛えたハビタブル惑星の形成と進化の解明に迫ろうとしている.
著者
生駒 大洋 玄田 英典
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.196-210, 2007-02-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
47
被引用文献数
1

Although the mass of oceans on the Earth is a tiny fraction (0.023 wt%) of the bulk Earth mass, the existence of oceans is sufficient to distinguish the Earth from the other planets in the solar system. Water is essential for the origin and evolution of life, the stability of the surface environment, and the evolution of the planetary interior. At present, we have no definite answers to fundamental questions about the origins of water on the Earth. The process by which water was supplied to the Earth is thought to be closely related to the dynamics of the solar system. Because of several uncertainties about the planet formation process (the position of the snow line in the solar nebula, the lifetime of the nebula gas, the timing of the formation of Jupiter, etc.), the origins of the Earth's oceans are still much in question. In this paper, we describe several possible sources of the Earth's water in the solar system and possible processes by which water was supplied to the Earth. Within the context of the modern theory of planetary formation, we discuss several scenarios for the origins of the Earth's oceans.
著者
玄田 英典 中村 智樹 兵頭 龍樹 黒川 宏之 臼井 寛裕
出版者
東京工業大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

火星衛星の起源と形成過程の解明を目指した日仏共同研究体制の構築と強化を行う。研究代表者と分担者が年に1回程度1ヶ月間渡仏し、パリ地球物理研究所とパリ天文台にて、それぞれ、火星衛星の起源に関する理論研究と、火星衛星のスペクトルに関する分析と観測を行う。また、宇宙望遠鏡(Twinkle)を用いたフォボスとデイモスの観測も行う予定である。
著者
玄田 英典 小久保 英一郎 井田 茂
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.35, 2007

地球型惑星形成の後期には、原始惑星同士の衝突が頻繁に起こるステージが存在する。本研究では、SPH法を用いて様々な衝突条件で原始惑星の衝突を計算し、合体条件などを系統的に調べ定式化した。その結果、過去の研究でわかっていた衝突イベントの約半数が合体しない衝突であることがわかった。合体条件を原始惑星の軌道進化に組込み、非完全合体が地球型惑星の特性(個数・質量・自転など)に与える影響を明らかにする。
著者
玄田 英典 生駒 大洋
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.77-77, 2005

地球の海の起源を解明する際に、D/Hが重要な制約として議論される。しかし、その議論では地球に水をもたらしたソースのD/Hが海の形成時やその後の進化の間に不変であることを前提としている。本講演では、水素に富む原始大気中で海が形成され、その後、大気中の水素が散逸した場合、海のD/Hが2~7倍程度高くなることを示す。初期地球には、相当量の水素分子が存在していたはずである。例えば、金属FeによるH2Oの還元で大量の水素が作られる。また、そもそも原始地球がネビュラ中で形成した場合、水素を多く含むネビュラガス(H2)を重力的に捕獲する。
著者
井田 茂 佐藤 文衛 渡部 潤一 河合 誠之 玄田 英典
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

太陽系外の惑星(系外惑星)の発見数は750個以上、ケプラー衛星望遠鏡による候補天体も2300個以上となり、惑星および惑星系の性質についての統計的議論が始まっている。本研究では主星の組成(重元素比)によって惑星系がどう変わるのかを調べた。惑星軌道進化のN体シミュレーションおよび惑星の衝突流体シミュレーションを行う一方で、その結果を組み合わせたモンテカルロ計算を行なった。重元素比が高い主星のまわりでは重元素が多いので、巨大ガス惑星が複数形成され、軌道不安定をおこして、軌道離心率が跳ね上げられることがわかった。また、視線速度法サーベイ観測を推進する一方で、アマチュアや学生を巻き込んだトランジット・フォローアップ観測ネットワークを組織し、理論・観測の両面から追及した。