著者
佐藤 遼 片山 健介 大西 隆
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.42.3, pp.859-864, 2007-10-25 (Released:2017-02-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2

本論文は、日本の地域間所得格差構造について既往の研究よりも細かい地域単位で分析を行い、地域圏の内側の格差について実態を解明したものである。まず、市区町村単位の平均所得のデータを用いて1980年から2005年までの6時点で各地域圏内の所得格差をタイル尺度により測定した結果、近年特に大都市圏内での所得格差拡大が著しく、それが日本全体の格差拡大にも大きな影響を与えていることが明らかになった。次にそれを引き起こした地域構造的な要因について首都圏を例に分析した結果、人口の増加量が多い市区町村で平均所得も増加している傾向が確認できた。これは1990年頃の地域間格差の拡大時には見られない新しい現象であった。人口の転入超過量とその年齢構成によってクラスター分析を行った結果、特に都心回帰現象に伴う都心部への人口流入量が大きく、郊外部や地方部からの人口を吸収していた。また、地域によって流入している人口の所得階層に差があり、結果として地域間で所得階層による居住地の分化が進み、小さいスケールでの地域間所得格差が拡大していることが明らかになった。
著者
林 和弘 吉本 陽子 佐藤 遼 鈴木 羽留香
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.270-283, 2019-10-25 (Released:2019-10-29)
参考文献数
32

Digitalization means fundamentally changing the framework of science, technology and social industry, and the services and customs that have been developed in that framework, beyond the mere digitization of existing systems and services. In other words, it is accelerating the transformation of science, industry, and society toward the digital native era, and there are signs of discontinuous change in the way universities, corporations, economies, and legal systems work. In such a situation of change, the framework of innovation policy also needs to change drastically. Although it is still fluid as of 2019, digitalization is also necessary in the creation of innovation policies, and it is foreseen that a mechanism with inclusiveness, immediacy, flexibility, etc. and small and quick trials according to the development of ICT will be necessary in the future.
著者
佐藤 遼 城所 哲夫 瀬田 史彦
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.945-950, 2014
被引用文献数
1

本研究の目的は、大都市圏から地方への移住に「関心がある」層と移住が「可能である」層との間の、理想の地方移住後の生活イメージに関する選好パターンの違いを明らかにすることである。本研究では特に、移住先地域での暮らし方・働き方の質に関するイメージに着目した。まず、アンケート調査により地方へ「移住可能」である層を定義した。次に、因子分析により理想の地方での暮らし方・働き方のイメージに対する選好パターンを分析した。そして、ロジスティック回帰モデルを構築し、イメージへの選好パターンと「移住可能であるか」どうかとの関係性を分析した。結果、地方でのやりがいのある仕事のイメージを好む人ほど、地方移住して生活していけると考えている傾向があることがわかった。
著者
福田 崚 城所 哲夫 瀬田 史彦 佐藤 遼
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1070-1077, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
24

東京一極集中を緩和・解消すべく企業を地方に移転する必要性が指摘されているが、産業活動の面から見れば東京に立地するメリットは大きく、その実現は容易ではない。既往研究では地方移転を惹起する様々なファクターが指摘されているが、定性的な分析に留まっており、また空間的な示唆に乏しい。本研究では、評価のために企業移転を用い、ルーチン的な観点から「非合理な」企業を抽出した上で、(1)ネットワーク(地域にの多様なリンク)(2)立地環境(魅力的な地域資源、それに敏感な主体)(3)中心市街地(集積による密度の高さと多様性)の三つのアプローチから定量的にこれらの移転を説明することを試みた。上の結果、「非合理な」企業は高度人材を志向して移転しており、それらの企業はイノベーションに重きを置いていることが多いことが明らかになった。また地域レベルで見ても、三つのアプローチいずれも流入企業を惹きつける誘因たりうることが示されたが、その中でも地域内のネットワーク構造が大きく影響していることが示唆された。
著者
佐藤 遼 城所 哲夫 瀬田 史彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.945-950, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
9 1

本研究の目的は、大都市圏から地方への移住に「関心がある」層と移住が「可能である」層との間の、理想の地方移住後の生活イメージに関する選好パターンの違いを明らかにすることである。本研究では特に、移住先地域での暮らし方・働き方の質に関するイメージに着目した。まず、アンケート調査により地方へ「移住可能」である層を定義した。次に、因子分析により理想の地方での暮らし方・働き方のイメージに対する選好パターンを分析した。そして、ロジスティック回帰モデルを構築し、イメージへの選好パターンと「移住可能であるか」どうかとの関係性を分析した。結果、地方でのやりがいのある仕事のイメージを好む人ほど、地方移住して生活していけると考えている傾向があることがわかった。
著者
佐藤 遼河 杉本 徹
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究の目的はコーパスとシソーラスを用いてユーザが指定した被喩辞と特徴語の組に対応する比喩を生成し、提案するシステムを構築することである。本研究では、2つのプロセスから喩辞を求める。1つめはword2vecを用いて被喩辞と特徴語の単語ベクトルを取得し、コサイン類似度を基に喩辞の選択に用いる。word2vecを用いることで任意のコーパスから単語ベクトルを作成することができ、ユーザの執筆する文章に合わせたことば選びが可能である。2つめは分類語彙表のカテゴリを用いて特徴語とカテゴリの共起行列を作成し、特徴語と共起しやすいカテゴリに属する単語を喩辞とする。共起行列により特徴語に適した多様な喩辞を提案できる。システムが生成した喩辞を適切性と有用性の観点から評価した。結果として、適切な比喩の割合は低いもののユーザが文章を作成するに当たって有用な比喩を生成することができた。次に、青空文庫をコーパスとした単語ベクトルを用いた場合の喩辞と国語研日本語ウェブコーパスの単語ベクトルを用いた場合の喩辞を比較した。その結果コーパスを変えることでユーザの執筆する文章に合わせた喩辞が出力できることが分かった。
著者
佐藤 遼次 佐藤 一郎 金子 雅彦 水野 貴之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2E6GS504, 2020 (Released:2020-06-19)

企業が事故や災害で被災し操業が中断した際に,その経済的ショックがサプライチェーンを介して取引先に波及するかどうかを明らかにするために,本研究では,サプライヤーの売上情報とその顧客企業の売上情報との関係を表現する回帰モデルを構築した.具体的には,主に上場企業に関する財務情報を収録したデータベースから,事故や災害による被災の有無に関わらず,2012年から2016年までの製造企業の売上情報(約7,500件)を整理した.これを企業の取引関係を収録したデータベースと突合することで,各決算年度におけるサプライヤーおよび顧客企業の売上成長率を紐づけたデータセットを作成した.これに,各企業の国籍や業種等の情報を加え,機械学習(LightGBM)を用いることで,サプライヤーの売上前年比を含む情報から,その顧客企業の売上前年比を回帰するモデルを構築した.そのモデルにおける特徴量の重要度を評価することで,企業の売上成長が,サプライチェーンを介した取引先のパフォーマンスによる影響を受けていることを明らかにした.
著者
佐藤 遼河 杉本 徹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3Pin127, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究の目的はコーパスとシソーラスを用いてユーザが指定した被喩辞と特徴語の組に対応する比喩を生成し、提案するシステムを構築することである。本研究では、2つのプロセスから喩辞を求める。1つめはword2vecを用いて被喩辞と特徴語の単語ベクトルを取得し、コサイン類似度を基に喩辞の選択に用いる。word2vecを用いることで任意のコーパスから単語ベクトルを作成することができ、ユーザの執筆する文章に合わせたことば選びが可能である。2つめは分類語彙表のカテゴリを用いて特徴語とカテゴリの共起行列を作成し、特徴語と共起しやすいカテゴリに属する単語を喩辞とする。共起行列により特徴語に適した多様な喩辞を提案できる。システムが生成した喩辞を適切性と有用性の観点から評価した。結果として、適切な比喩の割合は低いもののユーザが文章を作成するに当たって有用な比喩を生成することができた。次に、青空文庫をコーパスとした単語ベクトルを用いた場合の喩辞と国語研日本語ウェブコーパスの単語ベクトルを用いた場合の喩辞を比較した。その結果コーパスを変えることでユーザの執筆する文章に合わせた喩辞が出力できることが分かった。