著者
樋口 京一 森 政之 澤下 仁子 亀谷 富由樹 内木 宏延 前田 秀一郎
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アミロイドーシスとは蛋白質がアミロイド線維に異常凝集し、生体に傷害を与える疾患群である。アミロイド線維による伝播現象に注目して、合成ペプチドを用いた新たな線維形成解析システムと新規のアミロイドーシスモデルマウスの開発を行い、アミロイドーシスの発症機構や治療方法に関して体系的な解析を行った。その結果、1)糞や骨格筋を介した新たな伝播経路の発見、2)線維形成阻害ペプチド、熱ショック転写因子(HSF1)、アポリポプロテインA-I(apoA-I)等の治療ターゲットの発見、3)今後アミロイドーシス研究者が利用可能なモデルマウスの開発、などの成果を得た。
著者
岡野 翔 面谷 信 中田 将裕 前田 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.666, pp.13-16, 2005-02-17
被引用文献数
3

現在、紙とディスプレイの長所を併せ持った新しい表示媒体として電子ペーパーの開発が行われている。本研究は紙の利点である読みやすさの要因を明確にすることで、電子ペーパーのめざすべき読みやすさの条件を明確にしようとするものである。本研究では、媒体の呈示条件を読みやすさの重要な要因候補として考え、最新の電子書籍端末2種(Librie, Σbook)と紙を用いて、3通りの媒体呈示条件(立掛け, 水平置き, 手持ち)における読書作業性の比較評価を行った。両電子書籍媒体においては「手持ち」条件が顕著に高い評価結果となり、電子表示媒体を手持ち可能な形状等にすることで読書性が向上することが示唆された。
著者
北村 正敬 前田 秀一郎
出版者
山梨大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

センサー配列DRE(dioxin-responsive elemen;ダイオキシン応答配列)の下流にレポータータンパクSEAP(secreted alkaline phosphatas;分泌型アルカリフォスファターゼ)をコードする遺伝子を挿入した遺伝子構造を作製し、芳香族炭化氷素群に属する有害化学物質に反応するトランスジェニックセンサーマウスを作製した。樹立したDRE-based sensing via secreted alkaline phosohatase(DRESSA)マウスに5μg/kg体重の2,3,7,8-TCDDを強制経口投与したところ、血中のSEAP活性はべ一スの100倍以上に増加した。DRESSAマウスにおけるダイオキシンの検出限界は、2,3,7,8-TCDDを指標にした揚合、0.5μg/kg体重(強制経口投与)であった。また、雌雄差を比較検討したところ、雄のDRESSAマウスは雌のそれに比し高い反応性を示した。タバコ煙にはダイオキシンをはじめとするハロゲン化芳香族炭化水素や多環芳香族炭化水素など、ダイオキシン受容体を活性化する物質が数多く含まれる。われわれはまず遺伝子組換えセンサー細胞を用い、タバコ煙が極めて高レベルのダイオキシン受容体活性可能を有することを明らかにした。次に樹立したDRESSAマウスに能動喫煙の形でタバコ煙を曝露し、その後血中のSEAP活性を測定した。その結果、喫煙により有意かつ持続的な血中SEAP活性の上昇を認めた。同様の結果は、受動喫煙のモデルにおいても得られた。これらの検討結果は、樹立したセンサーマウスが環境モニタリングにおいて有用であること、すなわち有害化学物質を含む外気や室内空気に反応してSEAPを発現産生することを強く示唆するものであり、現在実験的喫煙環境および市中幹線道路近傍大気を用い、センサーマウスによる大気汚染検出の試みを継続中である。
著者
杉本 明 氏原 邦博 前田 秀樹 下田 聡
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.67, pp.52-54, 2001-05-15

琉球弧におけるサトウキビの安定多収栽培実現の主な障害は, 収穫後の萌芽が不良で株出しの生産力が低いこと, および, 台風, 干ばつ被害を受けやすいことである. 琉球弧の気象条件に適応性の高い栽培法を確立するために, 秋植え・秋収穫による1年1作株出し多収栽培法成立の可能性を検討した. 極早期型高糖性品種を用いた秋植えは, 気象災害に比較的強い夏植えと同様の生育経過を辿り, 1年後には収穫しうる糖度に達する可能性が高い. 秋収穫における萌芽時の地温は, 冬収穫時の地温に比べて萌芽適温に近く(宮里 1986, 杉本 2000), 既存の品種を10月に収穫すると, 株出し栽培の萌芽・初期生育が改善されて梅雨時期には生育旺盛期に達することが報告された(杉本 2000). 梅雨前に大きく生長したサトウキビは梅雨の降雨を最大限に利用して旺盛に生育し, 多収になるとともに, 土壌表面の植物被覆により, 土砂流出抑制への貢献も期待される. 本報告では, 収穫時期の異なる1年栽培の株出しサトウキビに認められる蔗茎収量および可製糖率に関連する特性の差異を報告する.