著者
山本 勇樹 森元 慶三 北村 諭思 米谷 智樹 古川 壮彦
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.567-571, 2011 (Released:2012-10-11)
参考文献数
12

The hepatitis B virus (HBV) is a serious concern for people at high risk of exposure to blood in their work because it is very infectious. While infection can be prevented by acquiring antibodies from hepatitis B vaccine, there are low responders and non-responders to the vaccine.We examined 2 possible methods of overcoming this problem: performing an additional vaccination with a different type of vaccine and carrying out 2 additional vaccinations at monthly intervals. Regarding the former method, an additional vaccination with a different vaccine type was carried out for a subject who could acquire no antibodies after undergoing 2 series of 6 vaccinations and who had not had any antibodies to hepatitis B for about 10 years. One month later, the passive hemagglutination test (PHA test) showed that the subject had obtained a 512-fold increase in the number of antibodies. As for the latter method, 3 of 5 non-responders acquired antibodies. Also, 5 of 6 subjects who were less responsive to the vaccine acquired antibodies and maintained them for at least 3 years.We intend to improve immunization coverage by using the methods examined in this study.
著者
石原 陽子 北村 諭 千治松 洋一 本間 日臣
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.22, no.12, pp.1122-1126, 1984-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
6

健康成人29名に喫煙負荷実験を行った所, 1日当りの喫煙量と血中6-keto PGF1α, TxB2, 過酸化脂質量との間には相関はなかった. 喫煙者群では19例中11例で喫煙負荷後に過酸化脂質が増加する傾向を示したが非喫煙者群では一定傾向を示さなかった. また血漿中6-keto PGF1α値は, 非喫煙者群では1例を除く全例で喫煙負荷後上昇したが, 喫煙者群では一定傾向を示さなかった. 血漿TxB2値は, 非喫煙者群では喫煙負荷後に全例が上昇を示した. 一方, 喫煙者群のうち“shallow”群では喫煙負荷により9例中8例でTxB2値の上昇を認めたが,“deep”群では逆に低下した. 喫煙負荷前の血漿TxB2値は, 非喫煙者群に比し“deep”群で有意に高値を示した. 以上の実験成績より, 喫煙の急性効果として, 血中TxB2, 6-keto PGF1α, 過酸化脂質などの液性因子の変動が起ることが解明された.
著者
小林 淳 北村 諭
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.176-179, 1997
参考文献数
10
被引用文献数
1

1995年に宇都宮で開催された第18回日本気管支学会総会出席者を対象に喫煙に関するアンケート調査を行い, 我々自身の喫煙に関する意識を調査した。その結果, 総配布数943枚に対して回収数は748枚で, 回収率は79%であった。喫煙率は22%であり, 回答者の勤務する病院が全面的に禁煙であるのはわずかに59名(8%)であった。また, 医師は39%のみが分煙されているのに対して, 患者は82%が分煙されていた。病院内たばこ販売については, 約6割で自動販売機や売店でたばこが販売されていた。その一方で82%の回答者が病院の無煙環境を望んでいた。我々は職業的倫理観から患者に禁煙を勧め, 同時に自らも率先して禁煙すべきであろう。また気管支学会内部でも十分に論議し, 関連学会と共同で何らかの社会的行動をとるべきではないかと考える。
著者
坂下 泉 北村 諭
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.770-773, 1986-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
13

卵白アルブミン感作および非感作モルモットの血漿中ヒスタミン, セロトニン値の変動を迷走神経電気刺激前後で比較検討した. 迷走神経電気刺激前の血漿中ヒスタミン値は非感作群26.4±10.7ng/ml (n=20), 感作群29.2±9.4ng/ml (n=27) で有意差はなかった. 血漿中セロトニン値は非感作群245.1±80.3ng/ml (n=17), 感作群237.0±55.0ng/ml (n=24) で有意差はなかった. 刺激前後の paired t-test では感作群でヒスタミンが1分後および5分後, セロトニンが1分後に有意に高値を示した. これらの結果より迷走神経電気刺激がヒスタミン, セロトニン放出を直接促進する可能性が示唆された.
著者
木平 百合子 小林 淳 松岡 緑郎 北村 諭
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.1029-1032, 1988

健康成人男子26名に紙巻タバコ5本を20~30分間という短時間内に喫煙させ, 血中補体C3a値およびC5a値を radioimmunoassay 法を用い測定した. 血中C3a値およびC5a値はいずれも喫煙終了直後に有意な上昇を示し, 喫煙終了20分後にも増加する傾向を示した.
著者
鈴木 信夫 大野 彰二 北村 諭
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.355-361, 1994-06-20
被引用文献数
21

11980年4月より1992年3月までの問に当科で組織診が得られた原発性肺癌794例中, 初診時に胸部CT上空洞形成を示した48例(6%)の臨床像について検討した.平均年齢67.9歳で男81%, 女19%であった.類表皮癌30例(63%), 腺癌15例(31%), 大細胞癌2例(4%), その他の癌1例(2%)であった.空洞化率は類表皮癌11%, 大細胞癌6%, 腺癌5%, 小細胞癌0%の順であった.喀痰細胞診, 擦過細胞診, 腫瘍生検の診断率は, 非空洞性肺癌とほぼ同等であった.類表皮癌では腫瘍系の大きなものに空洞が多く認められたが, 腺癌では腫瘍径と空洞化に相関はなかった.臨床病期の検討では, 空洞性肺癌の25%がStageIVであり非空洞性肺癌(51%)に比して遠隔転移症例が有意に少なかった.画像では類表皮癌で空洞壁不整のものが多かった(80%).喀血死した空洞性肺癌の6例全例とも喀血前に壁不整の空洞を呈しており注意が必要と思われた.