著者
柴田 弘紀 千々岩 崇仁 服部 正策 熊澤 慶伯
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

国内産ハブ3種(ハブ、トカラハブ、サキシマハブ)の遺伝的集団構造を詳細に検討するため、12の島から計44検体を収集し、ミトゲノム配列の決定を行った。最尤系統樹を構築したところ、ハブは沖縄クレードと現在のトカラハブを含む奄美クレードの間で大きく遺伝的に分化していた。また、トカラハブを独立種とする従来の考え方は、ミトゲノムデータからは支持されなかった。また奄美クレードと沖縄クレードの分岐年代は、600万年以上前と推定され、奄美群島と沖縄諸島の地理的な分断(150万年前)よりも古かった。さらに、沖縄クレードに比べて、奄美クレード内では遺伝的多様性が高く、島嶼集団ごとの遺伝的分化が顕著であった。
著者
千々岩 崇仁
出版者
崇城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

沖縄本島で土壌などの棲息環境が互いに独立している国頭村と糸満市で捕獲したハブについて、ホスホリパーゼA2(PLA2)を中心とした毒アイソザイムの組成と一次構造を比較した。その結果、沖縄島ハブ固有の毒アイソザイムの組成や一次構造は共通していたが、地域固有のサブタイプが含まれることも見出した。本研究は、個体の可塑性や小さい地域に由来する多様さと、それらが集団としての表現型へ収束するダイナミクスをタンパク質と遺伝子で実験的に観察・検証している。
著者
Kitano Motoo Hirano Masao Ishihara Takashi YOSHIDA Aichi HATTORI Shosaku UEDA Naoko CHIJIWA Takahito OHNO Motonori キタノ モトオ ヒラノ マサト イシハラ タカシ ヨシダ アイチ ハットリ ショウサク ウエダ ナオコ チヂワ タカヒト オオノ モトノリ 北野 元生 平野 真人 石原 尚 吉田 愛知 服部 正策 上田 直子 千々岩 崇仁 大野 素徳
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋研究 (ISSN:09160752)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.11-18, 2002

Trimeresurus flavoviridis (Tf) serum proteins were fractionated by anmnonium sulfate precipitation to five portions depending on the differences of its saturation percentages, that is, 0-20%, 20-30%, 30-40%, 40-50%, and 50-70%. The effects of these proteins on Tf venom-induced rat skeletal muscle damage were investigated with closer attention to histopathological features of impairment, necrosis, and regeneration ofmuscle fibers. The knowledges which portion of Tf serum proteins is effective for prevention of local lesions caused by Tf venom should shed light on the effective medical treatment after bitten by Tf snake. In consequence, it was found that the necrotic change of the rats inoculated with Tf crude venom together with the serum protein fraction of ammonium sulfate saturation percentage 40-50% was the smallest compared to those of the rats tested with other Tf serum protein fractions.