著者
上田 勇仁 半田 純子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.543-556, 2022-09-10 (Released:2022-09-15)
参考文献数
21

プロジェクト学習における学習をKOLB の経験学習モデルに則して捉え,経験を概念化し他の状況に応用可能な知識などを構成するプロセスである抽象的概念化に着目した.高等教育の初年次教育科目で実施されたプロジェクト学習において,受講者が各回の授業終了後に記述する振り返り課題の記述内容を抽象的概念化とし先行実践を実施した.先行実践の結果を踏まえて抽象的概念化を支援する内省支援として振り返り課題を記述する際の記述指示を改善した.振り返り課題を評価するルーブリック評価表をもとに解釈と分析を促す記述指示を準備し,教育実践を通じて受講者からの評価,記述量,抽象的概念化の種別を検証した.その結果,改善した記述指示に対して9割以上の肯定的な意見があり, 授業の後半から改善した記述指示を取り入れた実践において記述量に有意な差が見られた.抽象的概念化に該当する記述については,「報告」の記述が減少し,「解釈」に関する記述が増加する傾向があったが「分析」については有意差を確認することはできなかった.
著者
佐藤 稔久 長谷川 国大 Wu Yanbin 木原 健 中野 公彦 楊 波 合田 美子 戸田 真志 松葉 龍一 新目 真紀 半田 純子 伊藤 誠 周 慧萍
出版者
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
雑誌
SIP成果報告書 (ISSN:27584089)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.103-107, 2021 (Released:2023-03-31)
参考文献数
16

SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)の“走行環境条件の逸脱や自動運転システムの機能低下における適切な運転引継のためのHMI等に関する研究開発”と“運転者や歩行者等が習得すべき知識とその効果的な教育方法に関する研究開発”の取り組みを概説する.前者では,自動運転から手動運転への運転交代前におけるドライバーの周辺監視状態の評価指標の検討や,HMIによるドライバーのシステム理解への効果の検討等に取り組んでいる.後者では,主な研究目的に基づき,(1)個人特性を踏まえた教育方法の提案,(2)動機づけ手法の提案,(3)部分教育を意識したモジュール化可能な完全教育教材の開発の3つの研究テーマを設定し研究を行っている.また,試作した教材を用いて,自動運転に関する一般的な知識を事前に提供することの効果についてドライビングシミュレータを用いた検証を行った.これらの成果をもとに,日独連携として自動運転と教育についてのワークショップを担当した.
著者
新目真紀 合田美子 半田純子 長沼将一
雑誌
情報教育シンポジウム2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.127-131, 2010-08-11

本研究はICTシステムを利川した授業運営にeポートフォリオを導入した場合の活用支援に関する考察である.近年.多くの教育機関においてeポートフォリオの利活用が急速に拡大している.しかしながら,学習者がeポートフォリオを活用することで学習効果を向上させるために必要な要件は必ずしも明らかになっていない.そこで,本研究ではeポートフォリオを学習者が学習過程を記録して振り返りの場として用いた際の効果を検証する.その枯果,eポートフォリオを積極的に活用した学習者ほど自己効力感が高く,授業への満足度が向上することが明らかとなった.これにより,eポートフォリオを導入する際にはただ単に学習結果の格納場所として利用するのではなく,段階的な記録と振り返りの機会を増やすことが有効である可能性が示された.
著者
山根 信二 玉木 欽也 権藤 俊彦 半田 純子 齋藤 長行 新目 真紀 長沼 将一 長沼 将一 新目 真紀
出版者
岡山理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

多業種にまたがりソーシャルメディアを活用できる人材の育成プログラムを確立した.ソーシャルメディア/デジタルコンテンツの適切な利用環境をデザインしさらにアセスメントできる専門家を「ソーシャルコミュニティデザイナ」として定義し、平成26年度に(1)ソーシャルコミュニティデザイナに必要なコンピテンシの体系化を行い、平成27年度に(2)コンピテンシにもとづく人材育成プログラムの作成と領域横断型授業の試実装と(3)産学による成果の戦略的な共有と評価を実施した.