著者
青山 秀紀 谷口 充展 近藤 一晃 中村 裕一 秋田 純一 戸田 真志 櫻沢 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.28, pp.121-126, 2010-05-06

本稿では,画像認識と筋電インタフェースを利用した情報提供システムを提案する.このシステムは,頭部に装着したカメラの画像情報から手が触れている物体を,筋電インタフェースによって手指の動作を認識し,その動作の違いによって,その物体の名称や使用方法などの情報の種類を選択して提供する.また,このシステムでは,動作認識の対象を,学習済の全ての動作ではなく,手の付近に存在する物体に行い得る動作に限定することで,認識率の向上を図っている.本稿では,限定された認識対象動作数と認識率の関係について報告する.
著者
田嶋 晶子 鈴木 克明 戸田 真志 合田 美子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47118, (Released:2023-11-24)
参考文献数
7

本研究は,スイスの語学学校における旅行の日本語コースを,旅行の文脈を残しながら日本文化を中心に学ぶコースへと改善することを目的とした.コースはゴールベースシナリオ(GBS)理論に沿って設計・開発し,その妥当性と有用性を検証した.その結果,eラーニングの主教材であるストーリー型教材のみの文化学習では中程度の学習効果となり,ストーリー型教材と課題,授業への参加,振り返りを組み合わせたブレンド型学習では高度な学習効果があげられることが示唆された.また,ストーリー型教材による疑似体験は学習の魅力を向上させられることが示唆され,教材を続けることに対して積極的な態度を育てられたことも示唆された.
著者
三井 一希 藤森 啓太 戸田 真志
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47037, (Released:2023-11-24)
参考文献数
7

小学生を対象に,AI(Artificial Intelligence)による画像認識機能の体験を組み込んだ水産業に関する授業を開発し,授業実践を通じた評価を行った.質問紙やインタビュー調査の結果から,開発した授業は児童や教師に概ね好意的に受け止められること,児童が水産業への興味や関心を高めたりすることに寄与する可能性が示された.また,自分にとって身近な問題として児童が学習に取り組める可能性が示唆された.
著者
戸田 真志 秋田 純一 大江 瑞子
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.51-56, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

本稿では,ウェアラブル楽器の一環として,あるいはウェアラブルコンピューティング技術のファッション応用に対する具体的実現としての「着るピアノ」について,導電性布素材を用いた新しいアーキテクチャを提案する.提案するアーキテクチャでは「服としての一体感を演出するために,なるべく布素材を用いる」「機能分化により軽量化を図る」「意図しないシーンで音が出ることを防ぐ」「鍵盤レイアウトの自由度を向上させる」の特徴を有し,衣服としての着心地,着るピアノとしての操作性,デザインの自由度などについて大幅な改善を実現したものである.本提案は,「着るピアノ」の改良,ということのみならず,ウェアラブル基盤としての導電性布素材の新しい利用方法を模索するものとの位置づけも可能である.
著者
三井 一希 戸田 真志 松葉 龍一 鈴木 克明
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.157-169, 2023-01-20 (Released:2023-02-01)
参考文献数
26

本研究では,情報端末を活用した授業の設計を支援することを目指したシステムの開発を行い,その操作性と有用性(ユーザにとって有用と捉えられるか)を検証した.システムの設計にあたっては,先行研究から現状の問題点を抽出するとともに,ユーザーニーズの調査を行って5つの機能要件を定めた.そして,機能要件を満たすシステムをスマートフォン等で動作するアプリケーションとして開発した.開発したシステムを16名の教師が評価したところ,操作性については問題点が見られなかった.また,有用性については,特徴的な機能であるSAMR モデルに基づき授業事例を段階的に示すことを含め,機能要件に定めた項目について概ね良好な評価を得た.一方で,書き込み機能や実践のアップロード機能といったユーザ参加型の機能には,抵抗を示す教師が一定数いることが示された.
著者
佐藤 稔久 長谷川 国大 Wu Yanbin 木原 健 中野 公彦 楊 波 合田 美子 戸田 真志 松葉 龍一 新目 真紀 半田 純子 伊藤 誠 周 慧萍
出版者
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
雑誌
SIP成果報告書 (ISSN:27584089)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.103-107, 2021 (Released:2023-03-31)
参考文献数
16

SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)の“走行環境条件の逸脱や自動運転システムの機能低下における適切な運転引継のためのHMI等に関する研究開発”と“運転者や歩行者等が習得すべき知識とその効果的な教育方法に関する研究開発”の取り組みを概説する.前者では,自動運転から手動運転への運転交代前におけるドライバーの周辺監視状態の評価指標の検討や,HMIによるドライバーのシステム理解への効果の検討等に取り組んでいる.後者では,主な研究目的に基づき,(1)個人特性を踏まえた教育方法の提案,(2)動機づけ手法の提案,(3)部分教育を意識したモジュール化可能な完全教育教材の開発の3つの研究テーマを設定し研究を行っている.また,試作した教材を用いて,自動運転に関する一般的な知識を事前に提供することの効果についてドライビングシミュレータを用いた検証を行った.これらの成果をもとに,日独連携として自動運転と教育についてのワークショップを担当した.
著者
三井 一希 戸田 真志 松葉 龍一 鈴木 克明
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46010, (Released:2022-12-19)
参考文献数
26

本研究では,情報端末を活用した授業の設計を支援することを目指したシステムの開発を行い,その操作性と有用性(ユーザにとって有用と捉えられるか)を検証した.システムの設計にあたっては,先行研究から現状の問題点を抽出するとともに,ユーザーニーズの調査を行って5つの機能要件を定めた.そして,機能要件を満たすシステムをスマートフォン等で動作するアプリケーションとして開発した.開発したシステムを16名の教師が評価したところ,操作性については問題点が見られなかった.また,有用性については,特徴的な機能であるSAMRモデルに基づき授業事例を段階的に示すことを含め,機能要件に定めた項目について概ね良好な評価を得た.一方で,書き込み機能や実践のアップロード機能といったユーザ参加型の機能には,抵抗を示す教師が一定数いることが示された.
著者
西山 雄大 榎本 洸一郎 戸田 真志 森山 徹 郡司 ペギオ幸夫
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.18-24, 2013 (Released:2013-02-08)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Animal collective behaviours are regarded as emergent properties that result from local interaction between individuals in a swarm. Then we discern between individual movements and swarm behaviour. Dynamic swarm, however, might manage both of them in parallel. Swarm of soldier crabs seemed to change individual behavioural rules in water-crossing behaviours. We conducted experiments where the regular oscillations by soldier crabs resulted from collective movements triggered by cohesion. Then we focus on effects from a collective to individuals and vice versa. We demonstrate bidirectional characteristics that swarm of soldier crabs have.
著者
谷塚 光典 東原 義訓 喜多 敏博 戸田 真志 鈴木 克明
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.235-248, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2

自己評価機能と学生間の相互コメント機能を有する教職eポートフォリオ・システムを開発した.そして,開発した教職eポートフォリオ活用の効果を明らかにするために,教育実習を終えた大学生を対象にアンケート調査を行った.その結果,教育実習生は,教職eポートフォリオを活用して自己評価することを通して,教育実習を客観的に振り返ることができることを感じたり,自己課題を明確にしたりしていた.また,教育実習生間の相互コメントを通して,教育実習を改めて振り返り,教育実習生間で相互コメントすることの意義を実感していることがわかった.そして,教職eポートフォリオの効果について尋ねたところ,自分の受けた教育の振り返り,目指すべき教師像の明確化,自らの資質・力量の現状理解等には効果がある一方で,これからの教職課程の見通しを持つことには寄与していないことが明らかになった.
著者
戸田 真志
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:21888701)
巻号頁・発行日
vol.2015-CVIM-197, no.6, pp.1-6, 2015-05-11

近年の撮像機器や耐水/耐圧部材の安価化により,水中カメラを駆使して, 「海中をみる」 行為が盛んに行われている.カメラを用いた水産資源量調査は,その代表格といえよう.カメラを用いた調査は,従来の音響探査等に比して圧倒的な空間解像度を有し,さらにユーザにとってわかりやすく直感的な情報が得られるが故に,実用化が大いに期待されている.本報告では,著者らが取り組む視覚を用いた水産業支援の試み,特に漁場の水中視覚情報から水産資源量を自動計測するシステムの開発について,北海道常呂地区や野付地区のホタテ漁などにおける事例を取り上げ,取り組みの背景や研究開発の詳細を紹介する.
著者
渡邊 浩之 鈴木 克明 戸田 真志 合田 美子
出版者
日本リメディアル教育学会
雑誌
リメディアル教育研究 (ISSN:18810470)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.161-172, 2014-11-30

The role of student tutors is to support new students, as well as other students who are having trouble with learning, so as these students can teach themselves. In Japan, however, there are but a few case examples that verify the quality of these tutors. Therefore, for the purpose of this research an examination of established peer support learning guidelines and other guidelines applied by North American universities was conducted in order to manifest new guidelines. In order to establish the guidelines, elements required of tutoring were extracted from various tutor handbooks, guidelines, and manuals used by twenty-six institutions and universities in Japan and the United States. These extrapolated elements were then integrated to complete the guidelines. Furthermore, the guidelines were revised through a two-step formative evaluation. Finally, the guidelines were tested in order to evaluate their effectiveness in improving the quality of tutors. To conclude this paper, future topics for consideration are discussed.
著者
榎本 洸一郎 戸田 真志 桒原 康裕
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-6, 2011-08-29

本論文では,水産資源量調査のために撮影された海底画像群からホタテの自動計測システムの開発を目的とし,砂場環境に適したホタテ領域の抽出手法について提案する.対象となる砂場環境下では,ホタテは砂に身を隠している.このため,ホタテの殻はほとんど確認することができず,視覚的特徴が少ない条件下で認識する必要がある.そこで,新たにホタテが呼吸することで露出している殻縁領域に特化した局所特徴量を提案し,その結果について検討し,その有効性について述べる.This paper describes our method to extract scallop areas from fine sand seabed images from the sand field. In the sand field, we can see only the shelly rim because the scallop is covered with sand and opens and closes its shell while it is alive and breathing. We propose a method to extract the shelly rim areas using the new local features, presents the results, and discuss it.
著者
苅宿 俊文 郡司 明子 刑部 育子 茂木 一司 古川 聖 戸田 真志 植村 朋弘 佐伯 胖 高木 光太郎
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の研究成果は3点ある。その概要は、1、WSは参加者、ファシリテータ、活動対象の3つから構成されていることを基に、F2LOモデルを定義した。2、WSの3つの構成要素は、相互間の関係性の分析を重層的な視点から組み立ていくことの重要性を指摘した。そして、WSにおけるコミュニケーション構造は「位置づく-見立てる-味わう」の3つの場面の重層的な関係性を調査した。3、WSの重層的な関係性を分析していくために、iOSアプリ「デキゴトビデオ」を制作した。この「デキゴトビデオ」は、映像の編集を簡単に出来ることで臨床的な調査に適したツールである。今後、学習環境デザインの分野で活用することが期待されている。
著者
植村 朋弘 刑部 育子 戸田 真志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.34-37, 2011-03-30

CAVScene(Gyobu,Toda,Uemura,kudo,2009)は、幼稚園など実践活動における学習環境を、観察記録するためのツールとして開発された。そこでの偶発的・創造的に起きる学びの過程を追いながら、効果的な観察記録が可能である。このツールは、片手で持てるサイズのWebカメラ付きモバイルPCで、移動しながら観察できる。画面上のタブレット機能によって、動画や静止画を撮影したり、再生しながら画像に直接メモ書きができる。付箋機能によって観察内容をテキスト人力し画像に貼ることもできる。このツールは、実践直後でも具体的画像を基に実践者にフィードバックし、観察者と情報共有しながらの振り返り(リフレクション)が可能である。開発は幼児教育・情報システム開発・インターフェイスデザインの3分野の研究者によって進められた。
著者
刑部 育子 戸田 真志 植村 朋弘
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、実践者(教師や保育者)と研究者が共に日常の教育実践や保育活動記録を気軽に共有でき、実践を協働でデザインすることを支援するインターフェイスを構築することを目的としている。インターフェイス・デザインの分野ではデザイナがユーザとともにモノとのかかわりを含めた活動文脈を有し、経験する「参加共有型デザイン(participatory design)」が行われ始めている。この手法を保育・教育実践に応用することで、実践者とともに保育(教育)実践および記録をその日のうちに共有し、新たな実践を共に日常的に創造することを支援するインターフェイスの開発を目指した。本年度は研究計画3年間の最終年であり、観察ツールを実践において使用し保育デザインの循環を構築した。本年の成果の特記事項として、昨年度の試作版ツール開発に関する受賞に続き、拡張版ツール開発における成果が国際教育工学系会議ED-MEDIA2009で発表した結果、657の採択論文のうちの18の受賞論文の一つとして選ばれ、二年連続で受賞したことである(Gyobu, Toda, Uemura, & kudo, 2009)。このツールを実際の保育実践の場で年間の園内研究会で使用した実績も大きな成果であった。実際に使用した結果として、このツールによる、その日のうちに即時の重要な活動のシーンの共有が園内研究会における話し合いを焦点化、活性化させる効果がみられ、複数の人々との議論における、言葉のみの議論にありがちな言葉によるすれちがい、イメージのずれを解消し、建設的な「場面」に基づく事実による保育実践の話し合いが可能となった。
著者
相田 彰大 戸田 真志 植村 朋弘 刑部 育子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.147, pp.27-32, 2010-07-17
参考文献数
11

昨今,ストレージデバイスの記録密度の向上が驚くべきスピードで進められている.それに伴い,画像や動画などの様々なメディアが容易に保存可能となった.中でもデジタルカメラやビデオカメラは情報を記録する際に頻繁に活用されるツールの一つであり,多くの人によって写真や動画は撮影され,保存されている.しかし,これらのメディアの多くは特に整理されずに保存されており,またどのような意図で撮影したのかなどは撮影した本人にしか分からない.既存の方法としては,タグを用いることでの情報付与などがあるが,こういった方法は撮影後に行う後処理で情報整理に用いる際にはタイムラグが生じる.そこで,撮影中にリアルタイムで,また,撮影後にフィードバックを行いながら簡単に手書きメモや付箋などの情報を付与するこで,円滑に情報整理が行えるCAVSceneのシステム提案・開発を行った.また,この開発したツールを実際に教育現場に適用する事でその実用性を検証した.
著者
三島木 一磨 戸田 真志 川嶋 稔夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.5, pp.1-8, 2010-02-25

近年様々なメディアが簡単に保存できるようになった.写真もそのひとつであり,人々はそれらをどんどん保存しているが,それらの多くは整理されないまま保存されており,このままではそれらの写真は価値を失ってしまう.これらの有効な再利用のために,我々は複数人で写真を閲覧しおしゃべりをするシーンに着目した.このようなシチュエーションを解析することで写真に関する情報を抽出し,付加することが可能でないかと考えた.本論文では閲覧者の行動モデルと写真の情報モデル及び「タグの伝搬」モデルを定義する.そしてこれらのモデルに基づき画像処理によって写真の状態を解析しタグを付加するシステムを提案する.さらにそれを用いて実験を行い,モデルの正当性を検証する.Many media forms can be stored easily at present. Photographs, for example, can be easily stored even though most of them have not been edited. This means they will gradually lose their value and become essentially unusable. To make better use of photographs, we tried to make use of information provided by viewers who had seen and commented on them. We felt that analyzing this information would enable us to make maximum use of photographic data. To do this, we defined a "tag propagation" model and relationships between photos. We also proposed a system that uses image processing to analyze viewers ' handling of photos and how the photos are relevant to each other. We then validated our model by using it.