著者
安藝 雅彦 中野 公彦 須田 義大 岸波 友紀 高須賀 直一 磯貝 俊樹 川合 健夫 小野口 一則 青木 啓二
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.105-107, 2013-03-01 (Released:2013-06-19)
参考文献数
4

本稿は専用道における大型車両自動運転のためのセンサシステムのフィージビリティスタディ環境構築の報告である.エネルギーITS 推進事業「自動運転・隊列走行に向けた研究開発」において,これまで開発した技術実証の場として,専用道を走行するダブルストレーラを対象に自動運転のためのセンシングシステム検証のために長期計測環境を構築したので報告する.
著者
須田 義大 大口 敬 中野 公彦 大石 岳史 小野 晋太郎 吉田 秀範 杉町 敏之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.95-98, 2016

新たなモビリティ社会の実現のためには,車両制御以外の様々な課題に対する取り組みが必要である.まず,全ての自動化のレベルでHMI が重要課題となる.次に,自動運転により人間にはできない高度な運転が実現できる一方で,一般交通への受容性評価もまた重要課題である.さらに,自動運転の実用化に向けては,自動運転に関する総合的なエコシステムを整え,社会制度との適合性を含む社会受容性を確保する必要がある.本稿では,このような自動運転により新たなモビリティ社会を築くための様々な重要課題と展望について述べる.
著者
佐藤 稔久 長谷川 国大 Wu Yanbin 木原 健 中野 公彦 楊 波 合田 美子 戸田 真志 松葉 龍一 新目 真紀 半田 純子 伊藤 誠 周 慧萍
出版者
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
雑誌
SIP成果報告書 (ISSN:27584089)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.103-107, 2021 (Released:2023-03-31)
参考文献数
16

SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)の“走行環境条件の逸脱や自動運転システムの機能低下における適切な運転引継のためのHMI等に関する研究開発”と“運転者や歩行者等が習得すべき知識とその効果的な教育方法に関する研究開発”の取り組みを概説する.前者では,自動運転から手動運転への運転交代前におけるドライバーの周辺監視状態の評価指標の検討や,HMIによるドライバーのシステム理解への効果の検討等に取り組んでいる.後者では,主な研究目的に基づき,(1)個人特性を踏まえた教育方法の提案,(2)動機づけ手法の提案,(3)部分教育を意識したモジュール化可能な完全教育教材の開発の3つの研究テーマを設定し研究を行っている.また,試作した教材を用いて,自動運転に関する一般的な知識を事前に提供することの効果についてドライビングシミュレータを用いた検証を行った.これらの成果をもとに,日独連携として自動運転と教育についてのワークショップを担当した.
著者
平沢 隆之 渡辺 翔 須田 義大 吉田 秀範 中野 公彦 水間 毅 長谷川 智紀 竹内 俊裕 栃岡 孝宏 山本 康典 岩下 洋平 藤元 秀樹 東 耕一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.177-182, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
7

車車間通信型ASV の普及スキームの一環として提案した路面電車と自動車の間での通信型ASV プロトタイプサービスを,実証実験への試供が可能となったASV 通信機を用いて構築した.両車両が見通し不良状況にて1 対1 で遭遇する基礎的なシーンを想定し,広島地区第二次ITS 公道実証実験デモに合わせて機能検証データを取得した.その結果,プロトタイプサービスが路面電車運転士の気づき支援に必要な機能を満たすことを確認した.
著者
趙 巍 中野 公彦 鄭 仁成 趙 希禄
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.908, pp.21-00319, 2022 (Released:2022-04-25)
参考文献数
17

In this study, we proposed a new rotational multi-stable vibration energy harvesting system to harvest vibration energy using elastic spring and piezoelectric element. Theoretical studies such as the equation of dynamic motion of the proposed rotational multi-stable vibration model, the distribution characteristics of elastic potential energy, and the prediction of the periodic excitation frequency by the natural vibration mode measurement experiment will be conducted. Using the developed rotational multi-stable vibration energy harvesting experimental device, we investigated the amplitude increase effect due to the new stochastic resonance phenomenon that occurs in the proposed rotary multi-stable vibration system, and evaluated the performance of the multi-stable vibration energy harvesting.
著者
霜野 慧亮 中野 公彦 鈴木 彰一 岩崎 克康 須田 義大
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.85-89, 2022-02-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
11

自動運転の社会実装には,実際の交通環境下で自動運転車両がどのように走行しているのかを,社会に対して適切に伝えることが望ましい.実交通環境下での自動運転車両の走行データ収集は,そのようなコミュニケーションの際に有用な情報をもたらすだけでなく,より高度な自動運転車両の機能開発や運用上の工夫等の観点からも,有益な情報をもたらすと期待される.柏市柏の葉地区では,2019 年11 月から長期間実証実験として自動運転バスが営業走行している.この取り組みは,長期間にわたり自動運転車両が走行していることから,将来的に自動運転車両が実装された際の状況に比較的近い状態にあると考えられる.この自動運転バスにドライビングレコーダを搭載し,運転手による手動介入時の映像データ取得を行い,介入時の周辺交通や道路環境の要因について分析を行う取り組みを開始している.本稿では,この取り組みの概要を紹介する.
著者
尹 遠東 中野 公彦 鄭 仁成 山邉 茂之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.189-194, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
4

地上信号機の情報を路車間通信によって車に伝達し,信号機情報を車内に表示する車内信号を提案し,安全運転支援システムの一環として使用することを考える.ただし,車内信号を使用する際には,信号表示を視認する必要があるため,前方注視を妨げないか等,ドライバの運転行動に与える影響を検討する必要がある.車内信号システムを構築し,ドライビングシミュレータ実験を通じて,ドライバの運転操作,視行動,アンケートによる評価により,提案した車内信号の信号モードと信号表示装置がドライバ運転に与える影響を評価する.
著者
岡本 裕司 中野 公彦 大堀 真敬 多加谷 敦 須田 義大 堀 重之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.267-270, 2010-05-01 (Released:2010-09-22)
参考文献数
5
被引用文献数
3

本研究では,自動車運転時の乗員の筋電位を自動車の運動性能の評価指標として用いる可能性を調べるために,乗員の筋電位と車両の横加速度との相関を調べている.筋電位は,頭部を支える役割を持つ頚部左右の胸鎖乳突筋に対して計測を行った.実験では,被験者を後部座席に乗車させ,市販車とその剛性を改良した改造車でスラロームコースの走行を行った.結果は,加速度が生じる方向とは逆側の筋肉の筋電位が大きくなることが分かった.加えて,車両内部に生じる横加速度の小さい改造車に乗車した時の方が,筋電位のRMS値が小さくなる傾向がみられた.
著者
坂井 康一 和田 健太郎 小野 晋太郎 貝塚 勉 杉町 敏之 平沢 隆之 大口 敬 須田 義大 中野 公彦 大石 岳史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.57-62, 2018-03-01 (Released:2018-03-30)
参考文献数
3

高速道路ネットワークの整備が進む中,道路を賢く使うには,ITS 技術を活用した運用施策の実施が求められている.一方で,実施例のない施策の場合,ドライビングシミュレータ等の仮想実験環境を用いて,施策の効果・安全性等の事前評価を行う必要がある.本研究では,高速道路ネットワーク機能を最大限利用するための運用施策の事前評価のため,道路運用施策,評価すべき項目,仮想実験環境に必要な機能・性能,要素技術・理論モデルについて検討を行った.
著者
羽田野 袈裟義 種浦 圭輔 渡邉 誠 中野 公彦 斉藤 俊 松浦 正己
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.270-283, 2006 (Released:2006-08-18)
参考文献数
27
被引用文献数
3 4

プーリ・ワイヤ・フロート・カウンタウェイト・ラチェット機構を組み合わせたつるべ式構成の波力エネルギー変換システムの力学モデルを提示している.計算では,フロートの喫水状態を時々刻々調べ,フロートの一部没水,全没水及び宙吊りに応じて計算式を使い分けている.また,水槽実験により力学モデルの検証を行い,フロートがローリングを起こさない場合にはエネルギー利得の実験と計算が良好に一致することを確認した.次いで,実稼動を想定して諸量の計算を行い,フロートの喫水状態により発電量,ワイヤ張力などの力学量の時系列変化に違いが出ることを明らかにすると共に,種々の波高と周期の組合せに対してエネルギー利得の評価を試みている.
著者
ディアス チャリタ 井料 美帆 霜野 慧亮 中野 公彦
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.81-85, 2017

<p>パーソナルモビリティ(PMV) は,短距離トリップにおける持続可能な代替交通手段として注目されている.歩行者や自転車交通需要の大きいアジア諸国においてPMV の公道走行を行うためには,PMVと他の交通手段とが混合する環境での相互の影響を理解する必要がある.本研究では,PMV の一種であるセグウェイを用いて,異なる混合交通条件下での利用者の追従時の反応時間を計測した.その結果,通常の追従状態では,セグウェイ利用者は自転車・歩行者に対して異なった反応時間を示し,急減速による危険な状況では,反応時間は相手の交通手段によらないことを確認した.</p>
著者
中野 公彦 大堀 真敬 山口 大助 山邉 茂之
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.142-145, 2009

運転者の行動を解析するために, ドライビングシミュレータを運転している被験者の脳波を計測し, PARAFAC法によって分析した.本手法は多チャンネルの時変スペクトラムを空間, 周波数, 時間の因子に分解するもので, 時間, 周波数のトポグラフィーが比較的容易に得られることから, 脳波解析の効率的な手法となることが期待されている.ドライビングシミュレータ内は脳波計測に適した環境ではないが, 運転している人のα, β波の活動を明確に示すことができた.[本要旨はPDFには含まれない]