- 著者
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南 誠剛
小牟田 清
辻本 正彦
浅井 光子
- 出版者
- 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.6, pp.595-599, 2002-10-20
- 被引用文献数
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背景. 肺癌の歯肉への転移は非常に稀である. 症例. 51歳女性. 平成12年3月初旬より左側下顎歯肉腫脹を自覚した.胸部X線にて右中肺野腫瘤影を認めたため当院に紹介された.左側下顎腫瘍が急速に増大してきたため,同年3月29日に摘出術を施行し未分化な転移性癌が認められた.CTガイド下肺生検でも同様の組織が採取された.全身検索を行うも歯肉以外の遠隔転移は認めなかった.以上より肺原発pleomorphic carcinoma (Stage IV,T4N2M1) と診断した.CBDCA+VP-16による化学療法を2クール施行するも効果はなかった.腫瘍は急速に増大し胸水も貯留するようになり6月10日死亡した.結論. 歯肉転移は稀ではあるが,その予後は非常に悪く患者のQOLを著しく低下させる.早期に発見して積極的な治療が必要である.