- 著者
-
南部 光彦
- 出版者
- 日本小児アレルギー学会
- 雑誌
- 日本小児アレルギー学会誌 = The Japanese journal of pediatric allergy and clinical immunology (ISSN:09142649)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.5, pp.737-743, 2005-12-31
- 参考文献数
- 18
4か月健診を受診した400人を対象とし, 家族背景・生活習慣とアレルギー疾患発症との関連性を検討した. 月齢4か月時と3歳6か月時にアンケート調査をした. また乳幼児健診時にアレルギー疾患の有無を調べた.<br>4か月健診では, アトピー性皮膚炎 (AD) は37人, 湿疹は62人に認められた. ADも湿疹も1-6月生まれより, 7-12月生まれに多かった. 3歳6か月時のアンケート調査でのAD, 食物アレルギー, 気管支喘息の発症は, 既往を含めて314人中それぞれ71人, 52人, 21人であった.<br>家族の人数とAD発症には関連性はなかったが, 1-6月生まれでは, 家族風呂に入る時期を生後3か月以降にした者の割合が月齢4か月時のAD群に高かった. また7-12月生まれでは, 風呂上りのタオルを使い回ししている者の割合が月齢4か月時の湿疹群に高かった. ただし, 入浴順, 浴槽洗いの頻度, 口で噛んだものを子どもに与える, 唇同士のキスとアレルギー疾患発症には有意な関連性はなかった.<br>家族背景・生活習慣とADや湿疹との関連性が示唆されたが, その因果関係は不明である.