著者
西岡 里香 祖父江 理 大西 啓右 藤田 拓朗 尾崎 太郎 守時 政宏 西島 陽子 今滝 修 串田 吉生 南野 哲男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.1191-1198, 2017-06-10 (Released:2018-06-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

14歳,男児.剣道の練習後に肉眼的血尿と尿蛋白を認め,受診した.部活動後に限定された肉眼的血尿というエピソードや溶血所見より,剣道にて誘発された行軍ヘモグロビン尿症候群の診断に至った.腎炎合併を否定するため施行された腎生検では近位尿細管への鉄沈着を認めた.若年者の運動後に検尿異常を認めた場合,運動歴の聴取が診断には必須である.予防により血管内溶血を軽減させることが可能であるため,予防策の提示も重要である.
著者
北風 政史 真田 昌爾 浅沼 博司 野出 孝一 南野 哲男 高島 成二 中篠 光章 篠崎 芳郎 盛 英三 葛谷 恒彦 堀 正二
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-111, 2000-03-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24

先行する短時間心筋虚血 (ischemic preconditioning) は, 長時間虚血により生じる心筋壊死サイズを縮小する.本研究では, 麻酔開胸イヌを用いそのメカニズムを検討した.その結果, 1) ischemic preconditioningによる心筋梗塞サイズ縮小効果には, アデノシン産生酵素活性化が関与する, 2) protein kinase C活性化に加えてATP感受性K+チャネル開口がアデノシン産生酵素活性化に関与する, 3) 細胞膜・ミトコンドリアに存在するATP感受性K+チヤネルが独立して相加的にischemic preconditioningに関与する, ことが明らかになった.以上の結果より, ischemic preconditioningによる心筋保護作用にはアデノシンーアデノシン産生酵素・protein kinase C・ATP感受性K+チャネル開口が連関している可能性が示された.
著者
森 和俊 親泊 政一 原田 彰宏 南野 哲男
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

小胞体膜結合性転写因子ATF6は、小胞体ストレスを感知するとゴルジ装置へ移行し、プロテオリシスによる活性化を受ける。この小胞体ストレスの感知にATF6内腔領域のみが十分であることを証明した。ATF6αノックアウトマウスは正常に発育するが、腹腔に小胞体ストレス誘導剤を投与すると脂肪肝を形成して死亡する。その原因として、肝臓からの脂肪の放出を担う超低密度リポタンパク質形成に関与するApolipoprotein B-100の品質管理にATF6α非存在下では問題が生じることを突き止めた。