著者
北風 政史 真田 昌爾 浅沼 博司 野出 孝一 南野 哲男 高島 成二 中篠 光章 篠崎 芳郎 盛 英三 葛谷 恒彦 堀 正二
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-111, 2000-03-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24

先行する短時間心筋虚血 (ischemic preconditioning) は, 長時間虚血により生じる心筋壊死サイズを縮小する.本研究では, 麻酔開胸イヌを用いそのメカニズムを検討した.その結果, 1) ischemic preconditioningによる心筋梗塞サイズ縮小効果には, アデノシン産生酵素活性化が関与する, 2) protein kinase C活性化に加えてATP感受性K+チャネル開口がアデノシン産生酵素活性化に関与する, 3) 細胞膜・ミトコンドリアに存在するATP感受性K+チヤネルが独立して相加的にischemic preconditioningに関与する, ことが明らかになった.以上の結果より, ischemic preconditioningによる心筋保護作用にはアデノシンーアデノシン産生酵素・protein kinase C・ATP感受性K+チャネル開口が連関している可能性が示された.
著者
葛谷 恒彦 松口 貴子 籾谷 真奈 北尾 悟 杉谷 義憲
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.97-105, 2005-03-08

生活習慣病の発症・進展に深くかかわる"活性酸素"に着目し、活性酸素を除去する働きがある抗酸化物質が生体内でどのように作用するかを明らかにする目的で、ヒト細胞を用いて酸化障害モデルを作成し、抗酸化物質の細胞障害抑制効果の解析を試みた。 ヒト臍帯静脈血管内細胞を培養し、コンフルエントになったプレートの細胞に活性酸素種(H_2O_2、クメンヒドロペルオキシド)を添加し、濃度・時間依存性に進行する細胞死をLDHアッセイにより測定した。自然死、Tween20による細胞死(100%細胞死)を基準として、細胞障害率を求めた。 酸化傷害を与えた結果、H_2O_2では、0.1mM、0.5mMの負荷で酸化障害率が10%以下、1mMで時間に関係なくほぼ40%、5mM、10mMで50%を超え、1時間後が最も高い数値を示した。クメンヒドロペルオキシドでは、0.1mM、0.5mMの負荷で酸化障害率が20%以下、1mMで70%以上、5mM、10mMでほぼ100%近い値を示し、反応時間別に見ると、全ての濃度で3時間後が最も高い数値を示した。
著者
葛谷 恒彦 松口 貴子 籾谷 真奈 北尾 悟 杉谷 義憲 カズヤ ツネヒコ マツグチ タカコ モミタニ マナ キタオ サトシ スギタニ ヨシノリ Tsunehiko KAZUYA Takako MATSUGUCHI Mana MOMITANI Satoshi KITAO Yoshinori SUGITANI
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.97-105, 2005-03-08

生活習慣病の発症・進展に深くかかわる"活性酸素"に着目し、活性酸素を除去する働きがある抗酸化物質が生体内でどのように作用するかを明らかにする目的で、ヒト細胞を用いて酸化障害モデルを作成し、抗酸化物質の細胞障害抑制効果の解析を試みた。 ヒト臍帯静脈血管内細胞を培養し、コンフルエントになったプレートの細胞に活性酸素種(H_2O_2、クメンヒドロペルオキシド)を添加し、濃度・時間依存性に進行する細胞死をLDHアッセイにより測定した。自然死、Tween20による細胞死(100%細胞死)を基準として、細胞障害率を求めた。 酸化傷害を与えた結果、H_2O_2では、0.1mM、0.5mMの負荷で酸化障害率が10%以下、1mMで時間に関係なくほぼ40%、5mM、10mMで50%を超え、1時間後が最も高い数値を示した。クメンヒドロペルオキシドでは、0.1mM、0.5mMの負荷で酸化障害率が20%以下、1mMで70%以上、5mM、10mMでほぼ100%近い値を示し、反応時間別に見ると、全ての濃度で3時間後が最も高い数値を示した。