著者
幕内 晴朗 田中 公啓 松永 仁 岡部 英男 川内 基裕 関口 昭彦 進藤 剛毅 古瀬 彰
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.873-876, 1989-04-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

最近13年間に17例の「エホバの証人派」信者に対する無輸血開心術を行った。年令は6才から51才, 男女比は3:14で, 成人例は全て女性であった。体重は21.5~51.0kg, 術前Ht値は35.1~53.7%であった。使用した人工肺は気泡型13例, 膜型4例で, 体外循環時間は死亡例(340分)を除くと最長222分であり, 体外循環中の最低Ht値は18~31%であった。術前後における体重増加率は-0.8~+9.6%と開きが大きく, 体外循環時間とは正の相関が認められたが, 最低Ht値や希釈率とは相関しなかった。二弁置換術の一例は不十分な心筋保護により心蘇生が得られず台上死したが, 他は全例生存した。Ht値は術後除々に低下し, 2~14日で最低(16.0~32.6%)となり, 以後上昇に転じた。術後24時間の胸部ドレーンの排液量は5.5~25.6ml/kgであり, 内2例に再開創・止血を行った。膜型肺の使用, 術中Cell-Saverの使用, 術後自己血返血システムの併用および術後出血に対する再手術の迅速な決断が無輸血手術の成功に委要と考えられた。
著者
古瀬 彰
出版者
一般社団法人日本外科学会
雑誌
日本外科学会雑誌 (ISSN:03014894)
巻号頁・発行日
vol.103, 2002-03-10
被引用文献数
1
著者
高浜 龍彦 古瀬 彰 水野 明 浅野 献一 吉竹 毅 柳生 邦良 和気 一夫 川内 基裕 宮脇 雷士夫 横井 泰 岡部 英男 古由 直樹
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.503-506, 1985

最近Osserman分類IIA型2例, IIB型1例の3例の胸腺腫を伴わない重症筋無力症に対し, 胸腺全摘, 郭清術術前に, 新鮮凍結血漿2,400ml(2例), 4,800ml(1例)を用いた血漿交換療法を施行することにより, 全例手術当日に容易に呼吸器離脱を行うことが出来た。これは, 血漿交換非施行例27例(I型1例, IIA型8例, IIB型11例, III型4例, IV型3例)の平均人工呼吸日数2.7±3.1日(最長12日)と比較しても, IIA型+IIB型19例の平均人工呼吸日数21±2.4日(最長11日)と比較しても, 術後の人工呼吸所要時間を著しく短縮させ得たと考えられる。4800mlの血漿交換を行ったIIB型の例では, 血中抗アセチルコリン受容体抗体は, 血漿交換施行前の30nmol/lから8.0nmol/lへと著明な減少を認めた。1例に術後非A非B肝炎罹患を認めたことから, 軽症例は本療法の適応外とし, 術前に測定した抗アセチルコリン受容体抗体の値や, 臨床的重症度に応じて血漿交換量を加減するのが適切であると考えられる。