著者
吉賀 夏子 堀 良彰 只木 進一 永崎 研宣 伊藤 昭弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.310-323, 2022-02-15

わが国には,江戸時代以前に記された業務記録や証文などの古記録が数多く存在する.これらを有効に活用するためには,少ない工数で機械可読データを構築する必要がある.特に,地域特有の資料の場合には,地域特有の固有表現への対応が必要となる.本研究では,江戸期の業務日誌である「小城藩日記データベース」の目録記事文からLinked Dataなどの機械可読データを生成することを具体的目標とし,固有表現抽出の効率化を行う.その第1の手法は,市民参加による人手そのものの有効活用である.第2の手法は,機械学習による固有表現の自動抽出である.これらの手法を組み合わせることで,通常は収集の難しい地域特有の固有表現を記事文から,自動かつ高精度で抽出可能である.
著者
只木 進一 菊池 誠 杉山 雄規 湯川 諭
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.166-171, 2000-03-05
被引用文献数
4

自動車の流れ,特に交通渋滞は,私たちが日常的に経験する現象であり,その原因の理解と対策は今日の大きな社会的問題の一つです.交通流の理解及びその制御の研究は,1950年代からこれまで交通工学の分野で続けられてきました.近年,物理モデルによる統一的な交通流現象の理解への研究が始まっています.本稿では,高速道路上の交通流に対する追従モデルとセルオートマトンモデルを中心に,物理的モデル化を通した交通流研究の動向を示したいと思います.
著者
吉賀 夏子 只木 進一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.257-266, 2018-02-15

Web上には,江戸時代以前の書籍である古典籍の書誌および画像データが多数公開されている.これらのデータの活用には,古典籍を構成する序や跋などの情報を含めて,Linked Data形式などへ構造化することが有効である.古典籍の書誌データは専門用語が多く,構造化のためには,一般には専門家の手作業が必要であった.本稿では,形態素解析と注記の記述様式に特化したスクリプトを活用することで,半自動でこうした作業を実施する方法を提案する.また,具体的なコレクションへの適用を通じて,手法の有効性を検証する.提案手法は,コレクションごとに軽微な調整で適用できる手法であり,古典籍の書誌データを構造化するために有効である.
著者
渡辺 義明 渡辺 健次 江藤博文 只木 進一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.2802-2809, 2001-12-15
参考文献数
12
被引用文献数
19

大学の教育と研究を支援するため、キャンパス全域に公開端末や情報コンセント、無線LAN等の配備が進んでいる。我々は、このような不特定多数が多様な端末を接続して利用するネットワーク環境に適用可能な、利用者認証と利用記録を行うためのゲートウェイシステムOpengateを開発した。本システムは、閉鎖状態の端末からゲートウェイを通過するWebアクセスと行うと認証画面が表示される平易なインタフェースを持つ。認証にはPOPやFTPサーバが利用できる。認証後には端末へJava Appletを送って利用終了を監視する。このような方法により、ゲートウェイシステムの設定だけで、個人持参のPCから固定設置のWeb専用端末まで、多様な端末群を利用者の事前設定なしに制御できる。本システムはすでに、学内において約9ヶ月にわたり支障なく稼働している。To Support educational and research activities,a lot of "terminals for public use,""network sockets" and "wireless LAN" are implemented in the whole area of the campus. We have developed a gateway system named "Opegate" to authenticate and record users in such an open network environment.When an user accesses from a terminal in closed state to any web site through the gateway system,the system returns the page for authentication.To authenticate the user,POP and FTP servers are applicable.After the authentication,the system sends Java Applet to the terminal and watchs the usage.The setup procedure is needed only for gateway System.Without any setup of each terminal, the system controls wide variety of terminals,from web specific terminals for public use to personal PCs connected to network socket or wireless LAN.The system has been working for 9 months in our campus.
著者
吉賀 夏子 渡辺 健次 只木 進一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1N3OS10a4i, 2018-07-30

<p>Web上で参照可能な歴史的価値の高い貴重書等の書誌データは、年々充実している。書誌データの活用を促進するために、対応するオントロジーを提案し、Semantic Web技術を基にした検索システムを構築した。応用として、佐賀大学の貴重書および国立国会図書館の書誌データから引用可能な著作を例に、国立国会図書館の典拠データを利用して名寄せを行い、各データベースの書誌を同じタイムライン上に可視化した。</p>
著者
吉賀 夏子 只木 進一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.257-266, 2018-02-15

Web上には,江戸時代以前の書籍である古典籍の書誌および画像データが多数公開されている.これらのデータの活用には,古典籍を構成する序や跋などの情報を含めて,Linked Data形式などへ構造化することが有効である.古典籍の書誌データは専門用語が多く,構造化のためには,一般には専門家の手作業が必要であった.本稿では,形態素解析と注記の記述様式に特化したスクリプトを活用することで,半自動でこうした作業を実施する方法を提案する.また,具体的なコレクションへの適用を通じて,手法の有効性を検証する.提案手法は,コレクションごとに軽微な調整で適用できる手法であり,古典籍の書誌データを構造化するために有効である.A large amount of bibliographic data and images of Japanese historical rare books, published during the Edo period and before, have been accessible recently on the Web. For utilization of those data, it is effective to convert information including book parts such as preface and epilogue into well-formed data format like Linked Data. Such conversion, in general, has required handworks by persons with special knowledge. This paper proposes a new semi-automatic method for this task, where the method employs morphological analysis tools and scripts specialized to formats in bibliographic notes. The method is evaluated by applying it to some collections. The method can be applied to a collection with small amount of tunings, and is effective to formalize bibliographic data of Japanese historical rare books.
著者
松原 義継 大谷 誠 江藤 博文 渡辺 健次 只木 進一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.1-6, 2011-07-08

電子メールサービスは,インターネット利用における基本的なサービスの 1 つである.その重要性から,電子メールサービスには,管理コストを削減しつつ安定性と十分な性能を要求される.このような要求に応えるための 1 つの方法としては,外注サービスを選択することがある.佐賀大学では,電子メールサービスを提供するためプライベートクラウドを使い始めた.本稿では,仕様の概要および外注化までの過程を議論する.併せて,外注化の評価および課題も報告する.Electronic mail (e-mail) services have been one of fundamental services in the Internet use. Their importance requires stability and sufficient performance with cost reduction. One of methods for responding such requirements is to select out-sourcing services. Saga university started to use a private-cloud service for providing e-mail service. This report discusses the outline of the specifications and the process of the out-sourcing. The evaluation and operational status are also reported.
著者
渡辺 義明 只木 進一 渡辺 健次 江藤 博文 大谷 誠
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、佐賀大学で開発しキャンパス全域で運用しているネットワーク利用者認証システムOpengateを基に、改良を行った。1.IPアドレスに基づいてネットワークの開放と閉鎖を行っているため、IPv6通信に対応するには、利用端末のIPv4とIPv6との両アドレスを検知する必要があったが、これを実現する仕組みを工夫してIPv4/IPv6両対応とした。2.利便性と安定性の向上のために数多くの改訂を行った。例えば、XML形式の設定ファイルで統一的に制御できるようにした。また特別な設定を必要とする利用者に対する別設定ができるようにした。さらに汎用な及びセキュアな認証プロトコルも利用できるようにした。3.従来は利用終了の即時検知を実現するためにJavaAppletを利用していた。しかしJavaVMが標準実装から外れるようになったため、JavaScriptがAjax処理を繰り返してサーバとの間にTCPコネクションを維持する方式を考案し実装した。4.Java Servlet環境を利用してOpengateと同様な基本機能を実装した。結果として充分に代替できるシステムとなりうることが分かった。実運用システムの実現は今後の課題である。5.開発システムをオープンソースプログラムとして公開した。また導入利用者や開発協力者の利便性を図るため、プロジェクトをSourceForge.netに登録した。国内外に導入事例が広がっている。