著者
末木 文美士 阿部 泰郎 司馬 春英
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、日本中世仏教の思惟方法を検討し、それを他の諸思想と比較し、現代的意味を探ることを目的とした。具体的には、(1)真福寺などに写本で伝えられる文献を調査し、その思想内容を分析した。(2)平成24年度には研究会を開催し、仏教研究者のみならず、現代哲学研究者も出席して、広い視野からの比較研究を進めた。(3)平成25年度には、中日仏学会議(北京)、世界哲学会議(アテネ)に出席して、成果を発表した。(4)比較研究を進めるために、Bernard Faureの著作Unmasking Buddhismを和訳するとともに、拙著『浄土思想論』の中国語訳、『仏教vs.倫理』の英訳を作成した。
著者
八巻 和彦 矢内 義顕 川添 信介 山我 哲雄 松本 耿郎 司馬 春英 小杉 泰 佐藤 直子 降旗 芳彦 橋川 裕之 岩田 靖男 芝元 航平 比留間 亮平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

<文明の衝突>から<文明の対話>への道は、各社会が己の価値観を絶対視することなく、互いの相違を外的表現の相違であって本質的な相違ではないことを認識することによって確保されうる。たとえば宗教において教義と儀礼を冷静に区別した上で、儀礼は各社会の文化によって表現形式が異なることを認識して、儀礼の間に相違が存在するから教義も異なるに違いないとする誤った推論を避けることである。キリスト教ユニテリアニズムとイスラームの間の教義には本質において相違がないが、儀礼形式は大いに異なることでしばしば紛争が生じ、他方、カトリックとユニテリアニズムの間では教義は大いに異なるにもかかわらず、儀礼が類似しているとみなされることで、ほとんど紛争が生じない、という事実に着目すれば、われわれの主張が裏付けられるであろう。