著者
吉兼 隆生 芳村 圭
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

今いる場所の天気がどうなるのか。天気の変化が自然災害や経済活動に直結するため、古くから局地気象予報の実現が期待されてきた。しかし,局地気象予報については多くの問題があり、未だに実現できていない。本研究では、大規模スケールでの気象現象(季節風や低気圧など)に伴う天気パターンに領域での気温や地上風分布が対応しており、領域内のシミュレーションと観測のそれぞれの気象分布パターンがお互いに強く関係することを利用して、機械学習を用いた局地気象予測法を開発し推定値の評価を行った。その結果、降水だけでなく、気温や地上風についても本手法によりモデルバイアスを低減し高い精度で予測できることを示した。機械学習と数値シミュレーションを組み合わせた本手法は、お互いの長所を活かすことにより局地気象予測の実現に大きく貢献するだろう。
著者
冨田 智彦 安成 哲三 斉藤 和之 吉兼 隆生 日下 博幸 安成 哲三 斉藤 和之 吉兼 隆生 日下 博幸 山浦 剛 橋本 哲宏 坂元 勇一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究計画では、我が国の夏季水資源管理にとって重要な梅雨降水の年々変動特性、関連する大規模大気循環場、そして西太平洋における大気海洋相互作用の役割を議論する。主な研究成果は、(1)黒潮域の大気海洋相互作用が10 年規模の梅雨前線活動に及ぼす影響を明らかにした点、(2)エルニーニョ/南方振動現象が梅雨前線の北進中にその活動度をいかに変質させるか、を解明した点、そして(3)梅雨前線活動に2-3 年周期、3-4 年周期、そして新たに6 年周期変動の卓越を見出し、各時空間変動特性を明らかにした点、の3 点である。
著者
児玉 安正 佐藤 尚毅 二宮 洸三 川村 隆一 二宮 洸三 川村 隆一 吉兼 隆生
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

亜熱帯域には3つの顕著な降水帯(亜熱帯収束帯)があり,梅雨前線帯はそのひとつである.本研究では,各収束帯の生成メカニズムについて研究した.SACZ(南大西洋収束帯)について,ブラジル高原の影響をデータ解析と数値実験の両面から調べた.亜熱帯ジェット気流の役割に関連して,ジェット気流に伴う対流圏中層の暖気移流と降水の関係を論じたSampe and Xie(2010)仮説が梅雨前線帯だけでなく,SACZとSPCZ(南太平洋収束帯)にも当てはまることを示した.梅雨前線帯が南半球の収束帯に比べて向きや緯度が異なることについて,黒潮の影響を論じた.