著者
川井 栄治 吉田 寿夫 宮元 博章 山中 一英
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.112-123, 2006-03-30
被引用文献数
2

ネガティブな事象に対する認知パタンが自己否定的なものに固定化し,それに伴って自己効力感やセルフ・エスティームが低下することを防ぐための授業を考案して,それを小学校高学年の児童に対して学級単位で実施し,その効果について多面的な検討を行った。実験計画はプリポスト・デザインとポストオンリー・デザインを併用した統制群法であり,自己否定的な認知パタンを固定化させないようにすることの必要性について説明したうえで,実際にそのための授業を行う実験群と,前者の説明のみを行う統制群を設けた。得られたデータを分析した結果,実験群の児童の方が統制群の児童よりも,自己否定的な認知パタンを否定する方向の信念を抱くようになっているとともに,自己効力感とセルフ・エスティームが高まっていることが示された。また,このような効果の持続性および日常への般化の存在も示された。
著者
倉西 誠 小西 稔 大山 永昭 松井 美楯 伊藤 一 中村 衛 嘉戸 祥介 吉田 寿
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1830-1838, 1994-11-01
被引用文献数
1

SDF法を使ったフィルム上のID自動認識技術を開発し臨床現場に展開させるためにAPR-SYSTEMの提案を行ったが, この成果を臨床技術として完成させるには次のような課題も残されている.(1)傾斜したり裏返しになっているネームプリント部にある数字を認識する時の対策(2)診療現場で許容される処理時間の検討と, ネームプリント部を検出する時の処理時間の高速化(3)提案したAPR-SYSTEMの開発と実用化(4) PUCK等のように特殊な形となっているネームプリント部への対応紙数の関係から割愛したが, (1)に関しては解決手段をほぼ確立しており, 評価結果を含めて別の機会に紹介したい.今後は(2)と(3)を重点に研究を進める予定でいるが, これらの技術やシステムは放射線診療の発展には不可欠な要素であり, 特許等により排他的, 独占的に一部のメーカーや施設で限られて使われるのではなく, 広く検討され, 多くの人々に普及することを強く期待するものである.最後に, 本研究に対し多大のご協力を賜った東京工業大学像情報工学研究施設・山口雅浩先生, コニカ(株)医用販売事業部・山中康司氏, ご支援を賜った富山医科薬科大学附属病院放射線部長・柿下正雄教授並びに放射線技師各位, さらにRIS(TOSRIM)の開発をお願いした(株)東芝医用機器事業部と東芝メディカル(株)の関係各位に深く感謝申し上げます.なお, 本研究は平成5年度文部省科学研究費補助金奨励研究(B)の補助による成果であり, 報告の要旨は第20回日本放射線技術学会秋季学術大会(山形市, 1992年10月), SPIE's Medical Imaging 1994 (Newport Beach, California U.S.A., 1994年2月)において発表した.