著者
富士谷康 吉田拓磨 中村明順 安積卓也 望月祐洋 西尾信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-05-22

Web 上での活動支援のためにユーザ個人の閲覧履歴を分類する研究が行われている.分類の際にはユーザの閲覧意図を考慮する必要があるが,時刻やページ本文を用いた既存手法では複数の意図が混在したり,本文が存在しないページの分類ができない.本論文では新たな意図の出現を捉え,閲覧意図の階層性を反映した閲覧履歴の分類を目指し,2 段階の分類手法を提案する.第 1 段階では閲覧の起点とタブ切替に注目した履歴間の関連性を用い機械的に分類する.第 2 段階ではまとめた履歴に含まれる本文の類似度によって階層的クラスタリングを適用することで,分類結果が表す閲覧意図の粒度操作を可能にする.評価では,被験者が意図ごとにまとめた履歴と提案手法による分類結果の一致性が,本文のみによる比較手法より幅広い閾値で高く,閲覧の起点で意図の出現を一定程度の正確性と網羅性で捉えられることを示した.Many researches have been performed on clustering methods for personal web browsing history. Existing clustering methods using the visit time and/or text contents cannot reflect user's intentions. This paper proposes a two-phased clustering method suited for capturing the appearance of a user's new intention along with reflecting the hierarchical structure. In the first phase, we create groups of history by applying a clustering method based on the relationship in browsing history. In the second phase, we apply a hierarchical clustering method using the similarity of text contents in order to control the granularity of an intention. The conformance rate was evaluated between the results grouped manually by research participants and grouped automatically by proposed method. The results show the effectiveness of proposed method compared with a method only using a document clustering. Moreover, proposed method can capture the appearance of intentions in a precise and comprehensive manner.
著者
大畠 雅之 徳永 隆幸 吉田 拓哉 望月 響子 永安 武
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1151-1155, 2010
参考文献数
8

瘻孔再発を繰り返した直腸尿道瘻術後の高度排便障害に多孔性ポリウレタン肛門用装具(アナルプラグ)使用でQOLの改善が得られた症例を経験したので報告する.症例は10歳男児.直腸尿道瘻の診断で生後9か月に根治術を受けたが術後直腸尿道瘻が再発した.3回の瘻孔閉鎖術不成功の後,7歳5か月時に腹仙骨会陰式Endorectal pul-through法による直腸尿道瘻閉鎖が行われた.その後難治性の便失禁に陥り,人工肛門,MACE法による排便管理を予定したが家族の希望で多孔性ポリウレタン肛門用装具の使用を試みた.使用開始当初の肛門違和感克服後便失禁症状の著明な改善がみられた.成長期の小児にとってアナルプラグの長期効果は不明であるが,肉体・精神発達時期の小児にとって一時的とはいえ失禁の不安から解放される時期を提供できる有効な治療法の一つと思われる.