著者
座光寺 秀典 宮本 達也 神家満 学 犬塚 秀康 土田 孝之 荒木 勇雄 武田 正之
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.29-33, 2010-01-20
被引用文献数
2

われわれはロタウィルス胃腸炎後に両側尿管結石による急性腎不全となった2幼児例を経験した.症例は2歳4ヵ月の男児と1歳1ヵ月の男児.4〜5日続く下痢,嘔吐に引き続いて無尿となったため当院を受診した.便中ロタウィルス抗原陽性で腹部超音波検査と腹部CTで軽度水腎症と両側尿管結石を認めたため,ロタウィルス胃腸炎後の尿管結石嵌頓による腎後性腎不全と診断した.直ちに経皮的腎瘻を造設し,数日で腎機能は正常化した.尿アルカリ化を行い腎瘻カテーテルから砂状の結石の排出を認めた,結石分析の結果酸性尿酸アンモニウムであった.酸性尿酸アンモニウム結石は先進国ではまれであるが,近年ロタウィルス胃腸炎後の両側尿路結石による急性腎不全の報告が散見される.これまでロタウィルス感染後の急性腎不全の主因は持続する脱水症と考えられていたが,本例のような尿管結石による腎後性の要因も考慮すべきであると思われた.
著者
座光寺 秀典 宮本 達也 神家満 学 犬塚 秀康 土田 孝之 荒木 勇雄 武田 正之
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.29-33, 2010 (Released:2012-03-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1

われわれはロタウィルス胃腸炎後に両側尿管結石による急性腎不全となった2幼児例を経験した.症例は2歳4カ月の男児と1歳1カ月の男児.4~5日続く下痢,嘔吐に引き続いて無尿となったため当院を受診した.便中ロタウィルス抗原陽性で腹部超音波検査と腹部CTで軽度水腎症と両側尿管結石を認めたため,ロタウィルス胃腸炎後の尿管結石嵌頓による腎後性腎不全と診断した.直ちに経皮的腎瘻を造設し,数日で腎機能は正常化した.尿アルカリ化を行い腎瘻カテーテルから砂状の結石の排出を認めた.結石分析の結果酸性尿酸アンモニウムであった.酸性尿酸アンモニウム結石は先進国ではまれであるが,近年ロタウィルス胃腸炎後の両側尿路結石による急性腎不全の報告が散見される.これまでロタウィルス感染後の急性腎不全の主因は持続する脱水症と考えられていたが,本例のような尿管結石による腎後性の要因も考慮すべきであると思われた.
著者
土田 孝 森脇 武夫 熊本 直樹 一井 康二 加納 誠二 中井 真司
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.33-52, 2016 (Released:2016-03-31)
参考文献数
20
被引用文献数
8

2014年8月20日に発生した広島土砂災害では,午前3時から午前4時にかけて107箇所の土石流と59箇所のがけ崩れが同時多発的に発生し死者74名,負傷者44名,全壊家屋133棟,半壊家屋122棟という甚大な被害が発生した。本報告では土石流が発生した渓流とその下流の被害状況を中心に調査結果をまとめた。また,土砂災害警戒区域,特別警戒区域の指定を行うための基礎調査で想定されていた被害の規模と実際の被災状況を比較して考察し,基礎調査と区域指定の課題について検討を行った。
著者
土田 孝 湯 怡新
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.596, pp.295-306, 1998-06-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
5 2

地盤の不均一性を考慮したモンテカルロシミュレーションを行い, 初期建設費や破壊確率, 破壊時のコストを計算して, 期待総建設費を最小にするという観点から設計に用いるべき最適な安全率について検討した.港湾構造物の円弧すべり解析における最適な安全率は, 構造物の重要度, 地盤の不均一性や定数の信頼度および施工条件によって変わることを示した. 重力式岸壁及び矢板式岸壁の場合, 最適な安全率Fopt, は被災額率nと地盤強度定数のばらつき指標Vによって, 経験的にFopt=1.05+0.85(1+log10n)Vで表される.
著者
輪湖 建雄 土田 孝 松永 康男 濱本 晃一 岸田 隆夫 深沢 健
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.602, pp.35-52, 1998-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
22
被引用文献数
9 6

阪神・淡路大震災で被災した神戸港のケーソン式岸壁の復旧方法として背面固化による方法が考えられた. 特に嵩上げと耐震性向上を必要とする場合, 従来, 港湾・海洋環境での施工実績が乏しかった軽量混合処理土工法を, 港湾施設へ増粘剤等を用いないで水中施工で適用することが要求された. このため, 筆者らは室内試験・現場打設試験を行って課題を抽出し, それらを満たす施工システムを構築して本施工を実施した. その後, 追跡試験によりその妥当性を検証できた. こうした一連の課題解決方策は, 軽量混合処理土工法ばかりでなく, 他の固化処理工法を適用する上で役立つものと期待される.
著者
土田 孝 藤崎 治男 巻渕 正治 新舎 博 長坂 勇二 彦坂 周男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.644, pp.13-23, 2000-03-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
9
被引用文献数
4 4

本文は東京国際空港の外周護岸の嵩上げ工事において, 既設の護岸に作用する土圧を軽減するため, シールド工事による発生土を原料土とした気泡混合処理土と発泡ビーズ混合処理土を裏込め材として使用した工事に関して報告するものである. 実施工における品質管理試験の結果, 軽量混合処理土は, 原料土の土質の変化, プラント性能等によって品質にばらつきが生じるが, 今回の事例では品質管理値の範囲内での製造と打設が可能であった. また, 施工後に地盤としての特性を調べるためボーリングコアの一軸圧縮試験と3種類の原位置試験を行った結果, 軽量混合処理土による地盤は空港外周道路の路床として妥当な地盤特性を有することが確認された.
著者
土田 孝 由利 厚樹 加納 誠二 中藪 恭介 矢葺 健太郎 花岡 尚 川端 昇一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.339-348, 2013-06-30 (Released:2013-06-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

広島県内9箇所のまさ土斜面でにおいセンサを用いて地盤内のにおいの強さを調べた結果,最大1000のにおい強度を観測した。においの強さは地盤による相違が大きく,土の強熱減量が大きいほどにおい強度は大きかった。底部ににおい発生源を置き降雨を一次元的に浸透させる模型実験を行った結果,地下水面が上昇し表層部に近づいたときに地表面のにおい強度が急増することを確認した。実験結果は,深い層に強いにおいが存在する地盤において,豪雨時に地盤内のにおいを含む空気が地下水位の発生と上昇によって地表面に押し上げられにおいが発生する可能性を示している。
著者
加納 誠二 土田 孝 中川 翔太 海堀 正博 中井 真司 来山 尚義
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.243-259, 2011-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

2009年7月24日から25日にかけての連続した降雨により,東広島市志和町内うち地区の残土処分場で崩壊が発生し,流動化した土砂が流下して住宅1戸が全壊した。本論文は本災害の原因について考察したものである。災害発生箇所は何回かの地形改変を経て残土処分場となっていたため,三次元レーザー測量による崩壊後の地形の把握,軽量動的コーン貫入試験による崩壊土砂堆積厚さの調査,過去の測量地図,航空写真の解析を行って,地形改変履歴を明らかにし崩壊直前の地形を推定した。崩壊した残土斜面の底部には帯水層が存在し豊富な地下水が流れており,崩壊後の現地調査と降雨後の地下水位の上昇を考慮した安定解析により,地下水位が帯水層から約9m 上昇し斜面全体の安全率が1 以下となり,すべり崩壊が発生したと推定された。降雨によって飽和度が高まっていた崩壊土砂は,地下水の流出とともに流動化し約9°の傾斜を500m 流下したと考えられる。
著者
土田 孝之 武田 正之 宮本 達也 小林 英樹 中込 宙史 芳山 充晴
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

間質性膀胱炎に対して、ブシ末(トリカブト)中心とした漢方を処方した。3年間継続治療をして、副作用なく効果は持続している。低侵襲性で患者への貢献度は高い。また、ボツリヌス毒素の膀胱筋層内注入療法は10回以上繰り返しても、副作用、効果の減弱は認めない。また膀胱上皮細胞の伸展刺激におけるATP放出の分子メカニズムを、細胞内小胞へのATPの蓄積ならびに開口放出の視点から捉え、ボツリヌス毒素はこのATP放出を抑制する。膀胱痛症候群(PBS)の動物モデルにおいて、脊髄神経膠星状細胞(アストロサイト)の顕著な活性化が示された。マウスの実験でアストロサイトの活性化を漢方のブシによって抑制することが可能。
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝 加納 誠二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.401-411, 2009 (Released:2009-05-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

盛土の耐震性については,排水溝の整備状況によるが,降雨の浸透等により盛土の地盤物性が変化することを考慮する必要がある.そこで本研究では,盛土地盤の粘着力の低下を飽和度に応じて設定する方法を提案し,既往の人工降雨による盛土の振動台実験を対象として,有限要素法を用いた再現解析ならびにパラメトリックスタディを実施した.その結果,地下水位が生じない程度の降雨による盛土の耐震性低下については,提案手法により表現できることを示した.またパラメトリックスタディにより,盛土表層のみならず盛土内部の粘着力の値が耐震性に大きな影響を及ぼすことを示し,盛土の耐震性評価において特に粘着力の値が重要となる領域を示した.
著者
秦 吉弥 一井 康二 土田 孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C (ISSN:1880604X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.677-690, 2007 (Released:2007-07-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

盛土構造物の耐震設計法においては,地震時におけるすべり破壊の有無の判定あるいは地震後における残留変形量の評価に主眼をおいたものとなっており,斜面の崩壊範囲については検討の対象となっていない.一方で,自然斜面は耐震設計の対象ではないが,各都道府県の崖条例によって崩壊の危険による建築の禁止範囲が存在する.そこで本研究では,2001年芸予地震により崩壊した宅地を対象として,法肩から天端におけるすべり面の位置までの水平距離に着目した検討を行った.そして解析結果と崖条例による規定を比較検討することによって,現在の日本国内の崖条例で用いられている崩壊範囲の評価法の問題点を明らかにし,その問題点を踏まえた新たな提案を行った.
著者
土田 孝 森脇 武夫 田中 健路 中井 真司
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.53-68, 2016
被引用文献数
6

2014年8月20日に発生した広島土砂災害では,107か所の土石流と59か所のがけ崩れが同時多発的に発生し死者75名,負傷者44名,全壊家屋133棟,半壊家屋122棟という甚大な被害が発生した。本災害は急激な気象の変化により線状降水帯が形成されて,特定の範囲に時間80mmを超える猛烈な雨が突然降り出して2時間以上継続することにより発生した。本報告は雨量を用いた土砂災害の危険度評価手法が本災害をもたらした雨量についてどのように適用されたかを検討し,今後改善すべき点について考察を行った。