- 著者
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秦 吉弥
- 出版者
- 大阪大学
- 雑誌
- 若手研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
平成29年度は,過去の大規模地震(1923年大正関東地震,1993年能登半島沖地震,1995年新潟県北部の地震,2016年熊本地震など)によって発生したダイナミック地すべりを対象に,臨時地震観測や常時微動計測などを実施し,得られた記録などに基づいて地震時の地すべり挙動を事後推定することに成功した.当該研究成果については,論文集や国内外の会議において発表を行った.1923年大正関東地震については,根府川,震生湖,地震峠の三つの地すべり地を対象に,臨時地震観測や常時微動計測などを実施し,得られた観測・計測記録などに基づき地盤震動特性を評価した.そして,地盤震動特性と特性化震源モデルの組合せにより,本震時に当該地すべり地に作用した地震動を推定した.その結果,三つの地すべり地に作用した地震動の特徴が大きく異なることなどを明らかにした.1993年能登半島沖地震および1995年新潟県北部の地震については,特に深刻な被害が発生した市街地(造成宅地など)を対象に常時微動計測などを実施し,既存の強震観測点で得られた地震動記録の援用の可能性などに関しても検討を行った.2016年熊本地震については,特に甚大な被害が造成宅地において発生した益城町,阿蘇市,宇土市,南阿蘇村を中心に,臨時地震観測や常時微動計測などを実施し,得られた観測・計測記録などに基づき地盤震動特性を評価した.特に,益城町では,常時微動計測を広域かつ高密度に実施するだけでなく,断続的・継続的にも実施することによって,地盤震動特性をより詳細に評価することを試みた.