著者
望月 勉 芳山 充晴 武田 正之 中込 宙史
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

下部尿路機能異常についてTRPチャネルの関与を解明すべく、各種ノックアウトマウスを用い、様々な角度から検証を行った。排尿代謝ケージシステムを用いた実験ではTRPV4ノックアウトマウスは頻尿を呈することが明らかとなった。また除脳を施した膀胱内圧測定では野生型マウスと比べnon-voiding contraction(不随意収縮)の回数が多いことが判明した。以上の結果より、TRPチャネルは下部尿路機能、とりわけ蓄尿機能の維持に重要な働きをなしていることが示唆された。各種TRPチャネルのコントロールが今後の過活動膀胱の治療のターゲットとして期待される。
著者
座光寺 秀典 宮本 達也 神家満 学 犬塚 秀康 土田 孝之 荒木 勇雄 武田 正之
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.29-33, 2010-01-20
被引用文献数
2

われわれはロタウィルス胃腸炎後に両側尿管結石による急性腎不全となった2幼児例を経験した.症例は2歳4ヵ月の男児と1歳1ヵ月の男児.4〜5日続く下痢,嘔吐に引き続いて無尿となったため当院を受診した.便中ロタウィルス抗原陽性で腹部超音波検査と腹部CTで軽度水腎症と両側尿管結石を認めたため,ロタウィルス胃腸炎後の尿管結石嵌頓による腎後性腎不全と診断した.直ちに経皮的腎瘻を造設し,数日で腎機能は正常化した.尿アルカリ化を行い腎瘻カテーテルから砂状の結石の排出を認めた,結石分析の結果酸性尿酸アンモニウムであった.酸性尿酸アンモニウム結石は先進国ではまれであるが,近年ロタウィルス胃腸炎後の両側尿路結石による急性腎不全の報告が散見される.これまでロタウィルス感染後の急性腎不全の主因は持続する脱水症と考えられていたが,本例のような尿管結石による腎後性の要因も考慮すべきであると思われた.
著者
座光寺 秀典 宮本 達也 神家満 学 犬塚 秀康 土田 孝之 荒木 勇雄 武田 正之
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.29-33, 2010 (Released:2012-03-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1

われわれはロタウィルス胃腸炎後に両側尿管結石による急性腎不全となった2幼児例を経験した.症例は2歳4カ月の男児と1歳1カ月の男児.4~5日続く下痢,嘔吐に引き続いて無尿となったため当院を受診した.便中ロタウィルス抗原陽性で腹部超音波検査と腹部CTで軽度水腎症と両側尿管結石を認めたため,ロタウィルス胃腸炎後の尿管結石嵌頓による腎後性腎不全と診断した.直ちに経皮的腎瘻を造設し,数日で腎機能は正常化した.尿アルカリ化を行い腎瘻カテーテルから砂状の結石の排出を認めた.結石分析の結果酸性尿酸アンモニウムであった.酸性尿酸アンモニウム結石は先進国ではまれであるが,近年ロタウィルス胃腸炎後の両側尿路結石による急性腎不全の報告が散見される.これまでロタウィルス感染後の急性腎不全の主因は持続する脱水症と考えられていたが,本例のような尿管結石による腎後性の要因も考慮すべきであると思われた.
著者
大原 嶺 松澤 智史 武田 正之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.115-116, 2019-02-28

ユーモアの理解は人間の高度な知的活動である.近年のAI技術の発展は著しいが,ユーモア関連での成果は比較的少ない.本研究では,ユーモア分野の中でもパターンが定型化されているなぞかけに着目する.なぞかけを生成するためにはお題に対する音韻類似語と関連語を抽出する必要があるが,音韻類似後の抽出部分には同音異義語辞書を,関連後の抽出部分にはWord2Vecの学習モデルを用いた.その結果,従来のシステムに比べてより豊富な語彙を持ち,幅広いお題に対応することのできるなぞかけ支援システムを構築した.
著者
古川 忠延 松澤 智史 松尾 豊 内山 幸樹 武田 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1258-1266, 2005-07-01
被引用文献数
2

最近注目を集めているWeblog(以下Blog)では, ブックマーク(ユーザが自身のBlogページ内からリンクしているお気に入りのBlog)やコメント, トラックバックなどによりBlog同士の関係性を把握することができる.このようなBlogのつながりは全体としてBlogネットワークを構成し, ユーザへの情報推薦に有用な情報源であると考えられる.本論文では, Blogネットワークにおいて, ユーザがどのようなページを頻繁に閲覧しているのかを, Blog間の関係性に着目して分析し, その把握を試みた.機械学習アルゴリズムを用いてユーザが閲覧する要因を分析した結果, Blogネットワークにおいてはブックマークを経由しての閲覧が大きな割合を占めていることが分かった.また, ユーザが閲覧している先のBlog運営者がコメントやトラックバックといったアクションを起こしている先のBlogも, ユーザにとって興味深いBlogとなっている可能性が高いことを裏づけるデータを得ることができた.
著者
宮本 達也 中込 宙史 武田 正之
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

膀胱上皮細胞にPiezo1が発現しており、膀胱伸展刺激を感知し、尿意や蓄尿機能の調節を担っているのではないかと考え、研究を行った。マウス膀胱上皮にはPiezo1が発現していた。またPiezo1は伸展刺激に応答して細胞内にCa2+の流入させることが分かった。またPiezo1阻害薬であるGsMTX4は、膀胱上皮におけるPiezo1を阻害し、伸展刺激反応を鈍化させ、蓄尿に有利に働くことが分かった。
著者
西川 智博 武田 正之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.355-356, 1995-03-15

近年のハードウェア進歩により、信号処理のための高速なDSPが一般レベルで簡単に入手できるようになった。このDSPを使うことにより、従来のデスクトップコンピュータのCPUだけでは難しかったリアルタイムの信号処理計算が、容易に行えるようになった。本研究では、信号処理計算や、解析計算などの高速性が要求される部分に、DSPを導入し、デスクトップコンピュータ上でのリアルタイム信号解析システムの応用として、音響信号から楽音情報などをリアルタイムに抽出する採譜システムを試作し、リアルタイムの有用性と、DSPプログラミングの工夫について研究を行った。
著者
大原 嶺 松澤 智史 武田 正之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.115-116, 2019-02-28

ユーモアの理解は人間の高度な知的活動である.近年のAI技術の発展は著しいが,ユーモア関連での成果は比較的少ない.本研究では,ユーモア分野の中でもパターンが定型化されているなぞかけに着目する.なぞかけを生成するためにはお題に対する音韻類似語と関連語を抽出する必要があるが,音韻類似後の抽出部分には同音異義語辞書を,関連後の抽出部分にはWord2Vecの学習モデルを用いた.その結果,従来のシステムに比べてより豊富な語彙を持ち,幅広いお題に対応することのできるなぞかけ支援システムを構築した.
著者
髙橋 聡 和田 耕一郎 公文 裕巳 増田 均 鈴木 康之 横山 修 本間 之夫 武田 正之
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.62-65, 2014-04-20 (Released:2015-06-13)
参考文献数
10

NIH慢性前立腺炎問診票は,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の症状の程度や治療の評価に用いられる症状スコアである.我が国では,日本泌尿器科学会が公認したNIH慢性前立腺炎問診票日本語版が確立されていないことから,日本泌尿器科学会では(排尿機能・神経泌尿器科)専門部会長の武田正之を委員長としてNIH慢性前立腺炎問診票日本語版作成委員会を立ち上げ検討を行った.検討の結果,過去に発表されたNIH慢性前立腺炎問診票日本語版の案と日本語版International Prostatic Symptom Score(IPSS)から,NIH慢性前立腺炎問診票日本語版を作成した.今後の臨床研究において,このNIH慢性前立腺炎問診票日本語版が活用されることを強く希望する.
著者
土田 孝之 武田 正之 宮本 達也 小林 英樹 中込 宙史 芳山 充晴
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

間質性膀胱炎に対して、ブシ末(トリカブト)中心とした漢方を処方した。3年間継続治療をして、副作用なく効果は持続している。低侵襲性で患者への貢献度は高い。また、ボツリヌス毒素の膀胱筋層内注入療法は10回以上繰り返しても、副作用、効果の減弱は認めない。また膀胱上皮細胞の伸展刺激におけるATP放出の分子メカニズムを、細胞内小胞へのATPの蓄積ならびに開口放出の視点から捉え、ボツリヌス毒素はこのATP放出を抑制する。膀胱痛症候群(PBS)の動物モデルにおいて、脊髄神経膠星状細胞(アストロサイト)の顕著な活性化が示された。マウスの実験でアストロサイトの活性化を漢方のブシによって抑制することが可能。
著者
石田 克久 北原鉄朗 武田正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.743-746, 2004-03-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本稿では,即興演奏における不自然な旋律を自動的に補正するシステムについて述べる.旋律補正の一アプローチとしてアヴェイラブルノートスケールから外れる音(アウト音)を補正対象とする方法が考えられるが,アウト音が必ずしも不自然とは限らない.本研究では,アウト音が補正されるべきか否かを,N-gramモデルを用いて決定する手法を提案する.実際の即興演奏に対して補正処理を行ったところアウト音をすべて補正する手法に比べて,適合率を約13%改善(ただし再現率は約2%低下)することができた.This paper describes a system that corrects unnatural melodies inimprovisation. It is not suitable to correct all notes out of the available note scale because these notes are not necessarily unnatural.We propose a method for determining notes to be corrected based onthe N-gram model.Experimental results show that our methodimproves the precision rate of melody correction.
著者
東 達軌 武田 正之
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.30-30, 2010-12-10

近年では,計算の対象としてあげられる問題は多様化しており,様々な問題領域の構文や意味論を任意に設定可能であるようなプログラミング環境が望まれている.本研究では,そのような汎用のメタプログラミング環境の構築を目的としている.本発表ではそのような環境で用いる計算モデルの1つとして,リフレクティブなグラフ書換え言語REGRELを提案する.REGRELは頂点と接続の両方にラベルを持つ有向グラフを書換え対象とするグラフ書換え系である.プログラムの構造やその値をグラフで表現し,計算の意味を書換え規則で表現する.書換え規則自体もまたグラフで表現されているため,高階書換えを行うことが可能である.そして,高階書換えによってリフレクションを表現することができる.REGRELの動作は並行動作,非決定性動作を基本としている.逐次動作,決定性動作はその特別な場合として扱う.また,分類と呼ばれる機構を持ち,書換え規則の適用範囲を制限することができる.本発表ではREGRELの定義を示し,その応用としてアクターモデルなどいくつかの計算モデルの表現方法を示す.また,評価戦略の決定や計算順序の制御など基本的な言語機能の表現を,REGRELの基本機能によって表現できることを示す.最後に,他のグラフ書換え系との比較について論じる.Domains for computational application become diverse and programming environment that can use various syntax and semantics for such domains is required. We propose reflective graph rewriting language REGREL to implement such multipurpose meta programming environment. REGREL is graph rewriting system, which rewrite digraphs that have labeled nodes and arcs. Program structures and values are represented by graph, and semantics is represented by rewriting rules. Rewriting rules are also expressed by graphs. Thus, higher-order rewriting rules are able to realize reflection. The REGREL's behaviors are based on concurrent and nondeterministic operations, and sequential/deterministic behaviors are special cases for them. And, REGREL has a classification mechanism, which limit the scope of rules. In this presentation, we show definitions of REGREL at first, and describe to express other computational models such as the actor model by REGREL. It is shown that REGREL can controll computational sequences and customize the evaluation strategies using basic functions. At last, we discuss comparisons between REGREL and other graph rewriting systems.
著者
石田 克久 北原 鉄朗 武田 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1548-1559, 2005-07-15
被引用文献数
2

本論文では,即興演奏未習得者のための演奏支援について述べる.我々の最終目標は,即興演奏未習得者が通常の楽器を用いて即興演奏を行えるようになることである.この目標を達成するために,我々は「即時的旋律創作能力の補助」と「即興演奏の練習環境の提供」の2つのアプローチで,即興演奏の未習得者をサポートする.「即時的旋律創作能力の補助」に対しては,旋律中の不適切な音を自動的に補正する演奏支援システムismを開発した.これは,演奏された旋律中の不自然な個所をリアルタイムに検出し,適切な音に変換することで,即時的な旋律創作を容易にするためのものである.「即興演奏の練習環境の提供」に対しては振動により不適切な音を指摘する学習支援システムismvを構築した.このような支援システムを実現するうえでの中心となる課題は,どのように不適切な音を検出するかである.これに対し我々は,N-gramで旋律をモデル化し,その確率値が小さなもののみを不適切と判定する手法を提案する.実験の結果,提案手法により旋律中の不適切な個所の検出精度を向上させることができ,ism/ismvが即興未習得者の演奏支援に有効であることが示された.In this paper, we describe improvisation support for players who do not have sufficient experience in improvisation. The goal of our study is that such players learn the skill for improvisation and enjoy it. In order to reach this goal, we consider two approaches: assisting their skill for real-time melody creation and providing them with a self-education environment for improvisation. For the former approach, we developed a system that automatically corrects musically inappropriate notes in the melodies of their improvisation; for the latter approach, we developed a system that indicates musically inappropriate notes with vibrating corresponding keys. The main issue in developing these systems is how to detect musically inappropriate notes. We propose a method for detecting them based on the N-gram model. This method first calculates N-gram probabilities of played notes, and then judges notes with low probabilities to be inappropriate. Experimental results show that this N-gram-based method improves the acc racy of detecting musically inappropriate notes and our systems are effective in supporting unskilled players' improvisation.