著者
土田 理
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.18-21, 1995-03-15 (Released:2017-02-10)
参考文献数
6

物体を空気中で落下させたときの空気の影響を考えるには,その物体の終端速度を知る必要がある。これは従来中等学校レベルでは困難と思われていたが,本研究では実験値と理論値をコンピュータ上で比較することによって推定した後,落下実験での空気の影響の考察を行った。その結果,半径1(cm),質量差が1:27程度の球体の場合,落下距離が0.5(m)程度までは空気の影響を通常の測定誤差より小さいとみなせることがわかった。
著者
丹沢 哲郎 熊野 善介 土田 理 片平 克弘 今村 哲史 長洲 南海男
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-12, 2003-09-01 (Released:2022-06-30)
参考文献数
20
被引用文献数
7 1

本研究では, 日本人の科学観・技術観の特徴を明らかにすると同時に,子どもたちの科学観・技術観に直接的な影響をもつ理科教師の科学観・技術観の特徴を示し,理科授業と子どもの科学観・技術観との関連について考察を行った。したがって調査対象は高校生,大学生,中・高の教師,そして一般社会人とし,調査の結果以下の7点が明らかになった。1) 科学知識の発展プロセスの連続性と転換性について,多くの一般社会人が両者を併存的に捉えていたが,科学知識の転換を肯定する理科教師の割合は低かった。2) 観察の理論負荷性については,回答者の半数以上が認めているが,同時に,分析方法や実験方法など方法に関する要因によって異なる結論が得られるとするものが多く見られた。3) 多くの回答者は,たとえ思いつきであっても,論理的に正しければ科学理論の正当性を認めた。4) 回答者の全体的な傾向としては,理論の一形態であるモデルの役割に関しての理解度は低いが,理科教師の理解度は高かった。5) 科学を没価値的で真理追究の学問であるとするものが,理科教師の約7割はこの考えを肯定した。6) 科学と技術の密接な関連性を認識している者は回答者全体に多く見られたが, この点に関する高校生の認識割合は圧倒的に低かった。7) 理科教師の科学観・技術観と,高校生のそれとの間には大きな違いが何点か見られた。すなわち,理科教師の捉え方が授業を通して高校生に直接影響を与えているとは考えにくかった。
著者
佐伯 昭彦 土田 理 氏家 亮子 末廣 聡
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は,モバイル学習環境を活用した実験・観察型の数理教材を開発し,その教育的有効性を実際の授業で明らかにすることである.研究期間内において,インターネットとハンドヘルド・テクノロジーを活用したモバイル学習環境を構築した.授業の内容は,遠隔地にいる2つのクラスの生徒が,協調学習を通して,歩く動作とグラフの関係を探究することである.授業を評価した結果,研究目的が達成できたことが明らかになった.