著者
藤原 賢哉 善如 悠介 西尾 圭一郎 小早川 周司 若森 直樹 地主 敏樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年、政府は、「キャッシュレス決済比率」の引き上げを政策目標として掲げている。しかし、上記の指標は、銀行の口座間送金が考慮されていないほか、最近、普及しつつあるモバイル決済等については十分カバーしていないという問題がある。「キャッシュレス決済比率」は、一つのマクロ指標ではあるが、消費者のライフスタイルや社会構造の変革(デジタル化)に対応したものになっていない。本研究では、消費者の決済手段の選択、利便性や生産性への影響、金融・決済業の産業組織や規制監督のあり方(消費者保護、金融政策含む)について、1)統計整備(普及調査、新たな指標作成)と、2)経済的影響について分析(理論・実証)を行う。
著者
地主 敏樹 岡本 光技 高橋 豊治
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.189, no.5, pp.47-64, 2004-05
著者
小巻 泰之 地主 敏樹 竹田 陽介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,2つのデータベースを新規に作成し,以下のような分析結果を得た.1)ドル円為替レートの予測に関するサーベイ・データ(世界経済情報サービスによる「為替レート予測レポート」(以下,WEISサーベイ))2)1980年代後半の外国為替市場の相場状況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)を基に,為替介入(以下,観測介入)と通貨当局者の発言(以下,口先介入)1)為替相場の市場参加者の期待形成について日本での従来の先行研究の多くが利用してきた「国際金融情報センター(JCIF)」のサーベイ・データではなく,世界経済情報サービス(ワイス)によるサーベイ)を用いると,必ずしもJCIFサーベイから得られる結果が追認される訳ではない.2つのサーベイの結果の違いは,その作成方法が電話などによるアンケート調査なのか,各人の予測形成の段階で他者の情報に影響されることにあると考えられるが,市場への影響を考慮する場合,利用するデータ属性の違いも考慮すべきであることが示される.2)為替介入の効果為替介入の市場への影響については,データが開示された1991年7月以降については分析が可能であるものの,それ以前の介入動向の影響について十分な分析は難しい.そこで,外国為替相場の場況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)ベースの情報を収集し,加えて当時の市場コンセンサスについても,日次ベースにて,1980年から2000年まで21年(約7700日分)のデータ(全133系列)の収集を行い,データベースを作成した.これにより,1980年代後半の為替介入の影響をみると,東京市場で伝えられた介入情報は多いにも関わらず,その効果は当局の意図とは異なり,一方向の大きな変動を引き起こすことが示される.この中で,為替市場へ影響を与えたとみられるのは,為替介入,経済指標及び経済指標に関する市場の予測(コンセンサスともいうべきもの)などの定量的な情報だけでなく,通貨当局者の発言,市場での噂など質的な情報も大きな影響を与えていると考えられる.
著者
地主 敏樹
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.193, no.3, pp.27-43, 2006-03
著者
地主 敏樹
出版者
神戸大学経済経営学会
雑誌
国民経済雑誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.193, no.3, pp.27-43, 2006-03
著者
清水 啓典 中島 真志 小川 英治 地主 敏樹 淵田 康之 三隅 隆司 小西 大
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究プロジェクトでは、平成15年度から18年度の4年度にわたって研究を進めてきた。その研究成果は、海外協力研究者その他(Tyler Shumway (University of Michigan and Stanford University)、Luchia Christova (Bank for International Settlements)、Jennifer Corbett (Australian National University)、Inchul Kim (Sung Kyun Kwan University)等)を招聘して、平成17年3月18日と平成19年2月20日に一橋大学で開催された国際コンファレンスにおいて発表され、内外の研究者よりコメントをいただき、客観的にも優れたものとなっている。これらのコンファレンスで報告された論文の研究成果により、IT革命が金融サービス業およびそれを取り巻く環境に与える影響を様々な観点から明らかにし、あるべき金融システムのアーキテクチャー(設計思想)を考察した。具体的には、IT化の進展が(1)日本の金融業を取り巻く環境、(2)消費者行動・企業行動および金融機関の行動、(3)政策当局の対応策に与える影響を、理論および実証の観点からより解明した。金融業を取り巻く環境への影響は、IT化の進展により金融商品の多様化とともに情報伝達スピードの加速化が見られている。また、投資家としての家計、資金調達者としての企業、及び金融仲介者として金融機関の行動にもこれらの金融商品の多様化と情報伝達スピードの加速化がより効率的な金融取引へと導いている。しかし、一方で行動ファイナンスで取り扱われているように、非経済学的金融行動についても着目する必要があることを指摘した。もちろん、情報伝達スピードの加速化と効率的金融市場において金融政策のあり方は市場ベースの政策運営が必要であることも指摘している。
著者
秋元 英一 須藤 功 村山 祐三 地主 敏樹 加藤 一誠 佐藤 千登勢 山本 明代 久田 由佳子 原口 弥生 橋川 健竜 篠原 総一 篠原 総一
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ニュー・エコノミーと呼ばれる情報技術革命とグローバリゼーションを基盤とした経済システムのパターンは1990年代以降のアメリカに典型的に見られたが、それの進展の内的メカニズムと労働、金融、テクノロジーを含む経済的、歴史的諸側面を解明し、国際シンポジウムを開催し、内外研究者の交流を図ると同時に、その成果を千葉大学公共センターの英文ジャーナルに全面的に公表した。