著者
遠藤 泰生 中野 勝郎 増井 志津代 荒木 純子 松原 宏之 橋川 健竜 肥後本 芳男 佐々木 弘通 森 丈夫 中野 由美子 久田 由佳子 金井 光太朗 CHAPLIN joyce CAPOZZOLA christopher GOODMAN david JAFFEE david HALL david
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「公民的要素」「政治的要素」「社会的要素」他の要素に市民権を分別しその成長を直線的に理解することに西欧の市民社会理解は特徴付けられる。しかし、19世紀前半のアメリカ合衆国における市民編成原理の歴史を理解するには、そのような枠組みは図式的すぎる。19世紀前半の合衆国における市民編成原理の追求は、領土の拡大と不断の移民の受け入れ、消費革命の浸透、奴隷制度の是非をめぐる論争などの問題に直面しながら行われた。本研究ではその歴史を、手稿請願、読書習慣、教会説教、大西洋世界における図像リテラシー他を媒体とする非公式の政治行為に携わる市民をも包摂する、巨視的視野から検討する。
著者
小澤 弘明 栗田 禎子 粟屋 利江 鈴木 茂 橋川 健竜 秋葉 淳
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、歴史学の立場から新自由主義時代を把握し、新自由主義の同時代史的分析にとどまらず、古典的自由主義時代からの連続面と断絶面の双方を明らかにした。また、新自由主義の世界史を構想するさいの方法として、新帝国主義という視角を検証し、それが構造化の特徴を把握するさいに有効であることを確認した。また、社会史研究、ファシズム研究の方法を新自由主義の研究に応用する視点を確立した。
著者
秋元 英一 須藤 功 村山 祐三 地主 敏樹 加藤 一誠 佐藤 千登勢 山本 明代 久田 由佳子 原口 弥生 橋川 健竜 篠原 総一 篠原 総一
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ニュー・エコノミーと呼ばれる情報技術革命とグローバリゼーションを基盤とした経済システムのパターンは1990年代以降のアメリカに典型的に見られたが、それの進展の内的メカニズムと労働、金融、テクノロジーを含む経済的、歴史的諸側面を解明し、国際シンポジウムを開催し、内外研究者の交流を図ると同時に、その成果を千葉大学公共センターの英文ジャーナルに全面的に公表した。
著者
遠藤 泰生 荒木 純子 増井 志津代 中野 勝郎 松原 宏之 平井 康大 山田 史郎 佐々木 弘通 田辺 千景 森 丈夫 矢口 祐人 高橋 均 橋川 健竜 岡山 裕
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

領土の拡大と大量移民の流入を規定条件に建国後の国民構成が多元性を増したアメリカ合衆国においては、社会文化的に様々の背景を持つ新たな国民を公民に束ねる公共規範の必要性が高まり、政治・宗教・経済・ジェンダーなどの植民地時代以来の社会諸規範が、汎用性を高める方向にその内実を変えた。18世紀と19世紀を架橋するそうした新たな視野から、合衆国における市民社会涵養の歴史を研究する必要性が強調されねばならない。
著者
小沢 弘明 大峰 真理 上村 清雄 橋川 健竜 秋葉 淳 後藤 春美
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、近現代ヨーロッパにおける中心=周縁関係の再編過程を分析することであった。この研究では二つの側面を重視した。第一は、ヨーロッパ内部の地域的な不均等発展を分析することである。この側面では、ルネサンス・イタリアにおける中心=周縁関係をフィレンツェとシエナめ関係に見る研究、ハプスブルク君主国とオスマン帝国内における中心=周縁関係から分析する研究を行った。第二は、ヨーロッパ概念の特質と、近代世界における構造化の中でヨーロッパの位置を探る研究である。本研究では、両大戦間期の国際社会における中心=周縁関係の議論をイギリス帝国を中心に分析する論考、植民地期の北アメリカを帝国史や大西洋史(アトランティック・ヒストリー)などの研究動向から分析する論考、18世紀フランスにおける奴隷貿易を基軸にヨーロッパ=アフリカの通商関係を再考する論考を準備した。本研究ではまた、いくつかの方法論上のアプローチも検討に付した。それは、「域内周縁」理論、 「境界地域」理論、ハプスブルク君主国やオスマン帝国について最近行われているカルチュラル・スタディーズやポストコロニアル・スタディーズからの議論である。EUの東方拡大と新自由主義による世界の構造化が進んでいる現在、とりわけ周縁の位置からヨーロッパの歴史的位置を解釈することは不可欠である。そのような視点を取ることは、帝国論や、新帝国主義論、新自由主義論などに関するわれわれの理解を深化させることになろう。本研究ではさらに、主題に関する今後の研究の基礎を拡大するためにデータベースの作成を行った。これらを利用することによって、近現代ヨーロッパ史を、これまでとは異なった観点で分析していくことが可能となろう。
著者
南塚 信吾 下斗米 伸夫 加納 格 伊集院 立 今泉 裕美子 佐々木 直美 木畑 洋一 橋川 健竜 小澤 弘明 趙 景達 山田 賢 栗田 禎子 永原 陽子 高田 洋子 星野 智子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、1980年代の世界史を、いわば輪切りにして同時代史的に分析し、それを一つの有機的に繋がる世界史として認識する視座と方法を探り出すことを目的とした。そして、まず、現代に繋がるグローバルな諸問題を確認した。それは、(1) グローバリゼーションの過程の始まり、(2) ネオリベラリズムの登場とIMFモデルの神格化、(3) 市民社会論の台頭、(4) IT革命、(5) 大量の人の移動などである。次いで、このグローバルな問題に対応して、世界の諸地域での根本的な変化を確認した。そして、アフリカやラテンアメリカでの構造改革から始まり、中越戦争、アフガン戦争、イラン革命の三つの変動を経て、ソ連や東欧での社会主義体制の崩壊、イスラーム主義の登場と湾岸戦争などにいたる世界の諸地域の有機的相互関係を析出した。
著者
古矢 旬 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹 酒井 啓子 中山 俊宏 西崎 文子 林 忠行 遠藤 泰生 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

現代アメリカの国民意識、国家意識はいかなる要素、要因によって構成され、どのような理由でどのような過程を経て変容してゆくのか、本研究はこの問に対し、歴史、政治、政治思想、外交・国際関係、経済、文化、文学、宗教などの多元的な専門領域を通して接近を図った。それにより、建国期に形成された啓蒙主義的政治理念を主柱として成立したアメリカのナショナリズムが、その後の移民の波によってもたらされた様々なエスニック文化、宗教的観念を取り込みながら、国際秩序の内で次第に重きをなしてゆくプロセスに新しい光を当てることができた。