著者
坪井 直人
巻号頁・発行日
2004-03

Supervisor:小野 寛晰
著者
因田 恭也 坪井 直哉 伊藤 昭男 辻 幸臣 山田 功 七里 守 吉田 幸彦 山田 健二 三輪 田悟 平山 治雄 前田 聰 栗山 康介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Supplement6, pp.54-60, 1995-10-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6

症例は69歳男性.約2週間の便秘があり,その後1~2分の意識消失発作を頻回に繰り返すため当院に入院した.入院後,咳嗽や嘔吐の後に,意識消失発作を繰り返した.ホルター心電図で発作の時間に一致して洞停止を認めた.洞停止は,時に補充調律を伴わず,最高40秒の心休止を呈した.VVIペースメーカーを植え込んだ.この洞停止の発作は一過性であり,1週間の間に頻回に発作がみられたが,その後は全くみられなくなり,ペースメーカーが作動することもなかった.冠動脈造影では有意狭窄を認めず,スパズムも誘発されなかった.心臓電気生理学的検査では洞機能に異常を認めなかった.頸動脈洞マッサージ,チルトテストにても心拍,血圧に異常な変化を示さなかった.洞停止が頻回にみられた時期の心拍変動は日内リズムが消失しており,高周波成分,低周波成分ともパワーの不規則な乱れを示した.長い洞停止の発作直前の心拍変動は高周波成分,低周波成分ともに徐々にパワーの増大を示した.洞停止の原因として自律神経の異常が関与していたことが推察された.本症例では数週間の経過で一過性に自律神経の異常をきたし,それが補充収縮を伴わない長い洞停止を引き起こしたと考えられた.いわゆる洞機能不全症候群とは異なり,補充調律の抑制されるこのような症例では突然死に至る危険性が高いと考えられた.
著者
坪井 直
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.49, 2009

1. 仰天の原爆に遭遇 ―過去―<br>当時私は20歳の学生で、爆心地から約1kmの街路上で被爆した。その瞬間10mも吹き飛ばされて気を失った。意識が蘇ったとき、周囲は真っ暗だった。ほとんど全身を火傷し、僅かに残った衣服もボロボロのまま、家屋の全壊や火の海となった街中をさまよい続けた。阿鼻叫喚、死臭漂う「この世の地獄」を見た。広島はその時死んだ。私は1週間後、仮の避難所で意識不明となり、その後約40日間の出来事は一切記憶にない。<br>今まで11回の入退院を繰り返し、危篤状態も3度あり死を待つばかりだった。病歴は、慢性再生不良貧血症(現在)、虚血性心疾患(現在)、大腸がん、ヘルペス、白内障、前立腺がん(現在)など。毎日6種類の薬剤と2週間に1度の点滴治療をしている。精神的な不安・苦しみが深く潜行している被爆者も多い。<br>2. かけがえのない命 ―現在―<br>各分野の医師の方々や、識者、先輩、知人、友人、家族の配慮と支えを受け、体調を考えながら国の内外で「核兵器廃絶」を基調にしながら平和活動を行っている。北海道を始め、各地での集会に招待され、主催者も自治体、学校、労組、協同組合、若者グループ、女性グループなどで老若男女さまざまな交流をする。<br>また、海外での活動にも微力を尽くしている。NGO、国際会議、平和市民団体集会、核実験抗議等に参加、原爆展とともに交流を広めている。<br>3. 恒久平和確立の悲願 ―未来―<br>世界の核被害者の心身にわたる諸問題解決に貢献している放影研の研究がなお一層期待される。<br>核兵器の廃棄か、核兵器拡大か。地球は繁栄か、滅亡か、まさに岐路に立っている。<br>私たちは、歴史や文化、民族などの違いを認め合い、政治、経済、教育、宗教、国境など乗り越えて真の平和を保障しなければならない。<br>わたしたちはあきらめません! Never give up!
著者
坪井 直 佐藤 昌枝 高橋 正幸 佐伯 和人
出版者
一般社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 = Journal of the Remote Sensing Society of Japan (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.340-354, 2003-12-25
参考文献数
13

Scaling relation of craters indicates that the lunar central peak material can be related to the lower crust of the moon. Craters, ranging in diameter from 40 to 180 km, are believed to have exhumed material from 5-30 km beneath the surface to form the peaks. Therefore, the craters which have central peaks are selected as probable candidates for a landing site in the future Japanese lunar mission. Tompkins and Pieters (1999) investigated the central peaks of 109 impact craters across the Moon and classified lithologies of central peaks into eleven kinds of plutonic rocks using Clementine UVVIS five-color spectra.<BR>In order to verify the estimated lithologies, influences of space weathering, photometric condition, and quenched glass phase on the estimation were examined by detailed spectral data analysis. The relation between crater diameter and central peak lithologies was also examined.<BR>As a result, we conclude that the estimated mafic lithologies at the sunny side of central peaks are probable. Aristillus, Bhabha, Birkeland, Bose, Bullialdus, Finsen, Fizeau, Jackson, King, Maunder, Stevinus, Tsiolkovskiy, Tycho, Vitello, White, and Zucchius are suitable sampling sites for finding lower crust rocks among 109 central-peak craters. Additionally, we searched out olivine bearing lithologies at the central peaks. The central peaks of Jackson and Tsiolkovsky were regarded as suitable sampling sites for finding olivine bearing lithologies among 109 craters. Strange crater walls, which have more mafic lithologies than their central peaks, were found in Aristarchus, Burg, and Plinius. They suggest the existence of an unknown factor which changes the spectral properties to be more mafic.
著者
佐伯 和人 坪井 直 林 宏昭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.126-135, 2001-09-25
参考文献数
7
被引用文献数
3
著者
村松 崇 坪井 直哉 吉田 幸彦 小椋 康弘 鈴木 博彦 山下 健太郎 海野 一雅 嶋野 祐之 松下 邦洋 七里 守 竹澤 博人 平山 治雄 伊藤 昭男 外山 淳治
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.71-77, 2004

症例は65歳男性.慢性腎不全,下壁心筋梗塞の既往あり.慢性心不全の増悪で入退院を繰り返していた.2002年徐脈性心房細動のためVVIペースメーカー植え込み術を施行された.その後2003年3月から心不全が再増悪し,ドブタミン持続点滴から離脱困難となった.来院時BNPは1560,心エコー上LVDd78mm ,LVEF26%であった.両室ペーシング(BiV)の急性効果を検討したところ右室ペーシングと比較して,LVdP/dt maxが約41%改善した. 後日BiVへのupgrade手術を施行. 術後心不全は著明に軽快しドブタミンから容易に離脱可能となった.術後6日目にCL320msの非持続性心室頻拍(10連発)が1度のみ認められた.メキシレチン200mg/日を開始したところ以後心室頻拍は認められないため退院となった。退院後心不全症状はなく経過良好であったが2カ月後自宅で午睡中に突然心肺停止状態となり死亡した.経過から致死的不整脈が死因と考えられた.うっ血性心不全に対するBiV治療においてはICD機能付き両室ペースメーカーを必要とする症例が存在するが,その鑑別が重要と考えられる.
著者
坪井 直子
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.169-179, 2012-03-01

中国では古来より親孝行の実践例を説くために、しばしば孝子説話を集成した教訓書が編纂されている。それらは、およそ唐代以前の孝子伝、宋代以降の二十四孝に大別することが出来、広く流布して周辺の諸国にももたらされた。日本でも室町時代以降、二十四孝は盛んに享受されたが、その普及の中心的役割を担ったのが、御伽草子『二十四孝』である。これは元の郭居敬が撰した全相二十四孝詩選に基づくとされているが、必ずしもそうではなく、張孝張礼条の説話本文については千字文注にも拠っている。本稿では、御伽草子『二十四孝』張孝張礼条の説話本文が千字文注に拠っていることを確認するとともに、その理由を考察し二十四孝詩選の説話本文が千字文注に近似するためと考えた。また、二十四孝詩選の張孝張礼説話は、趙孝趙礼説話の変化したものと考えられているが、二十四孝系統間においては、二十四孝詩選が、孝行録系二十四孝の趙孝趙礼説話から千字文注に由来する張礼説話へ、説話を替えた可能性があることを指摘した。
著者
黒田 彰 坪井 直子 筒井 大祐
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.1-18, 2012-03-01

八幡縁起は古代、中世に流行した八幡信仰を背景とする縁起絵巻で、北野縁起などと共に我が国の社寺縁起を代表する絵巻の一である。小稿では従来、甲乙類に分類される八幡縁起絵巻の乙類に属すると見られる新出資料、愛知県刈谷市の榊原家の所蔵に掛る、八幡の本地二巻をカラー影印、翻刻により紹介する。本号に収録するのは、その下巻で、本誌前号(95号)収録の上巻に続くものである。榊原本の書誌的事項や翻刻の方針などについては、前号の略解題を参照されたい。なお『京都語文』18号(平成23年11月)には、同じ八幡縁起絵巻甲類の新出資料、鰐鳴八幡宮本八幡大菩薩御縁起(上下巻)を紹介したので、併せての参照を乞う。