著者
垣内 信子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.10, pp.1193-1200, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
44
被引用文献数
2

Although Kampo medicine is now fully integrated into the modern Japanese healthcare system, most Kampo formulations depend on imported crude drugs from limited foreign areas. To prepare for possible shortages of crude drugs in the future, a wider scope for the supply of medicinal plants is necessary. We conducted field research and collaborated with international laboratories for phylogenic analysis and evaluation of medicinal plant resources. Our research on ephedra plants from a wide region of Eurasia has, for example, confirmed their phylogenic structure: based on DNA sequencing analysis of nuclear ribosomal internal transcribed spacer region 1 (ITS1) as well as the chloroplast intergenic spacer between trnL and trnF (trnL-F), the 8 major Chinese species and related plants grown on the continent could be divided into 3 groups. Additionally, Ephredra sinica was found to be synonymous with Ephredra dahurica and was reduced to a subspecies of Ephredra distachya. Furthermore, Ephredra likiangensis and Ephredra gerardiana, which are grouped in separate phylogenic trees, would be good candidates for medicinal material. Aconites from Hokkaido, as an example of domestic plants reviewed, were collected for phylogenic and aconitine alkaloid content analysis. The phylogenic analysis of nr ITSs revealed that the majority of specimens were genetically similar. However, the aconitine alkaloid content of the tuberous roots demonstrated that specimens from different habitats had varying alkaloid profiles. Environmental pressure of each habitat is presumed to have caused the morphology and aconitine alkaloid profiles of these genetically similar specimens to diversify.
著者
山崎 良雄 高橋 典嗣 垣内 信子 高橋 和子 間々田 和彦 田仲 永和
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.469-470, 2004

私たちの地球は、太陽系の第三惑星として、太陽やその他の惑星とともに、約45億年前に誕生した。この間、大地にはさまざまな動物や植物が繁栄し、進化をとげてきた。現在の地球は太陽系の他の惑星とちがい、「水の惑星」と呼ばれるように、生命に最適な環境がそなわっている。この地球のことをもっと知り、より地球の大切さを実感してもらうことをねらいとし、毎年学校で健康診断をするように、夏至の日を「地球の健康診断の日」とし、世界規模で地球の診断の試みを啓発普及していきたい。
著者
山崎 良雄 坪田 幸政 垣内 信子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.345-355, 2004-02-28

気象に関するアンケート調査により,児童・生徒・学生の意識・知識の実態調査を行い,学校教育と社会教育の効果を評価した。天気予報の利用の頻度は,全学年で高く,天気に対する関心の高さが確認できた。特に女子は全学年で男子より高かった。気象情報の入手先は,学年進行に伴いその多様化が認められた。十種雲級や天気図記号の理解では,学校教育の効果が確認できた。天気に関することわざは,学校教育では取り扱わない動物に関する天気のことわざも多く指摘されていたことから,毎日の生活の中でも気象に関する知識が獲得されていることが示唆された。季節の変化に対する設問から,学年が低いほど直感的な指標である気温から季節変化を感じ取り,学年と共に季節の感じ方がより高次元に(間接的に)なることが分かった。気象に関する知識の修得は,学校教育とテレビや新聞なども含めた社会教育からなされるために,学年による認知度が用語によって異なることが認められた。そこで,気象用語を成長段階に対応した認知度の変化に注目して6グループ(認知型)に分類した。
著者
渥美 聡孝 上原 直子 河崎 亮一 大塚 功 垣内 信子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.155-164, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
15
被引用文献数
2

漢方薬は医師の7割以上が日常的に処方しており,日本の医療の中で重要な要素となっているが,薬学の分野における漢方教育は確立の途上である。薬学生の漢方に対する認識を把握し,卒後も自主学習できる実践的な漢方教育のあり方を考えるため,本学薬学生を対象にアンケート調査を行った。その結果,漢方に関心のある学生は80.8%,大学で漢方を勉強する価値があると答えた学生は91.1%であり,学生は漢方に対して高い関心を持っていた。しかし漢方を「患者に紹介する自信はない(60.2%)」という,関心の高さに反して漢方の知識が身についていないことも明らかとなった。自由回答からは,1~4年までは生薬に実際に触れる体験型の講義を,5~6年生は症例検討会や西洋薬との薬物相互作用などの臨床に関する講義を希望していることが明らかとなった。変化する学生の興味を認識し,授業を行うことで,学生の学習意欲を向上させることができると考えられた。