著者
杉浦 正利 木下 徹 山下 淳子 井佐原 均 大名 力
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究では、書きことばと話しことばに関する英語学習者の産出データを大量に収集し、各文に英語母語話者による「書き換え文」を付けた上で、自然言語処理技術を応用し「誤り」や「不自然な表現」をコンピューターを使い自動的に抽出・解析・分類し、その特徴を英語教育の専門家が分析することで、英語学習者の中間言語体系全般にわたるエラーの全体像を明らかにすることを目的としている。本年度は、これまでの分析のまとめと、研究成果および開発したプログラムとデータを公開するための環境整備を行った。(1)英語学習者の誤りに関する体系的な分析:話しことぱと書きことばに関する分析を統合した。(1-1)誤用タグの種類と付与方法に関する知見をまとめた。(1-2)話しことばに関する誤用の傾向をまとめた。(1-3)書きことばに関する誤用の傾向をまとめた。(1-4)話しことばと書きことばの誤用の相違点をまとめた。(1-5)英語学習者の言語習得プロセスを誤用データの分析から把握できるような指標の開発を試みた。(2)開発したプログラムの公開:本研究で開発した誤り表現の自動抽出プログラムをWWW上に公開できるようにした。本プロジェクトで得られた知見のみならず、開発したプログラムも広くフリーで使用できるようにする。(3)データベースの公開:本研究で作成した誤りデータベースをWWW上で検索可能にし公開できるようにした。本プロジェクトで得られたデータをまとめ、今後、本格的に誤用研究を行う際に、さまざまな観点から誤用分析を試せるような検索システムを開発した。本研究により、自然言語処理技術の応用による誤用分析の可能性を追求できたとともに、その限界や問題点も把握でき、今後、本格的な誤用分析研究を行うための基礎となる有益な知見を得ることができた。
著者
大名力
出版者
名古屋大学
雑誌
国際開発研究フォーラム
巻号頁・発行日
no.38, 2009-03
著者
大名 力
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

"ユーザーフレンドリー"な環境の普及によりコーパス,手法等のブラックボックス化が進む現状を踏まえ,コーパス研究における基礎データの信頼性等に関して検討を行った。実際の研究を基に基礎データとして示される頻度数に問題がないか検証し,問題があるものについては誤りが生じた原因について考察し,分類を行った。また,心的実在物として文法を捉える立場から,言語研究資料としてのコーパスデータの性質について検討を行った。さらに,コパス(デタ)の代表性,対象の選択・提示方法,統計値の解釈と検定,"コロケーション"という用語の多義性,語の共起関係に関する計量的指標(主としてt-scoreとMI-score) の信頼性と妥当性等について考察を行い,それらの成果を論文,書籍等で公開した。
著者
須賀井 義教 油谷 幸利 大名 力 中村 麻結 中西 恭子
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

朝鮮語CALL(Computer-Assisted Language Learning)教材を開発して利用するためのツールや具体的な作成方法を探究し,普及することを目的として,数度にわたる講習会を行った.また,主にインターネットブラウザを通じて利用することのできる朝鮮語CALL 教材を実際に開発し,公開した.一部の教材は問題を自由に追加,修正することが可能であり,教師が学習者に合わせて問題をカスタマイズすることが可能である.