著者
大塚 篤司 椛島 健治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.973-977, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
22

我が国には約40万人のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)の患者がいるとされる.ADは慢性的なかゆみを伴う皮膚疾患であり,その背景として湿疹ができやすい体質があると考えられている.その体質として皮膚の乾燥が候補因子であったが,十分な解析はなされていなかった.ところが,2006年にADの有病率とフィラグリン遺伝子の相関関係が指摘されたことで,皮膚のバリア機能と免疫とのクロストークが注目を集めることとなった.
著者
大塚 篤司 生駒 晃彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.133, no.2, pp.227-241, 2023-02-20 (Released:2023-02-20)
参考文献数
14

アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis;AD)の影響や治療について,医師と患者の認識を調べるため,医師209名と患者716名を対象にオンラインアンケート調査を実施した.その結果,患者は医師が考えるほどには日常生活の上で制限を受けていると感じておらず,心理・精神的にも困っていない可能性が示された一方で,医師よりも症状を改善させたい思いが強いことが示された.患者の意図を汲んだAD治療の実現のために,ADに対する医師と患者の認識のギャップを解消する必要性が示唆された.
著者
大塚 篤司
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

皮膚のかゆみは末梢神経が介していることは広く知られている。しかし、最近の研究では末梢神経は免疫細胞との相互作用がみられ、皮膚アレルギー疾患での病態形成に関与している可能性があることがわかった。本研究課題では、皮膚アレルギー疾患における末梢神経の役割を検討した。その結果、末梢神経から放出される神経ペプチドは接触皮膚炎に関与していることが明らかとなった。