著者
川上 彰二郎 大寺 康夫 川嶋 貴之
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1335-1345, 1999-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
42
被引用文献数
3

屈折率の異なる複数種類の透明材料が多次元的に周期配列した構造体である「フォトニック結晶」は,光に対する禁制帯であるフォトニック・バンドギャップ (PBG) と大きな異方性・分散性で特徴づけら れる,まったく新しい光材料である.これらの性質;を利用することで,超小型光集積回路や高効率発光素子など次世代の光エレクトロニクス素子が可能となる.著者らはこれまで, rfバイアス・スパッタ法 による堆積膜の形状の自己整形作用を利用した「自己クローニング」とよぶ技術を開発し,多次元フォトニック結晶の作製を行ってきた.本稿では,従来の結晶合成技術と著者らの作製法の特徴,そしてデ バイス応用例について概説する.
著者
川上 彰二郎 花泉 修 佐藤 尚 大寺 康夫 川嶋 貴之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.296-297, 1997-06-25
被引用文献数
20

2種類の透明媒質からなるサブミクロン周期3次元構造を初めて作製し, 光学的に観察した結果について報告する. 材料系はSi(n=3.26) とSiO_2(n=1.46) であり, バイアススパッタリング法によって凹凸パターンを保存しながら積層することができた. 3次元周期構造部分のパスバンドとストップバンドが1次元のみの周期構造部分に対して大きく変化している様子が確認された.
著者
川上 彰二郎 大寺 康夫 佐藤 尚 花泉 修 ペンドリー J.B. ラッセル P.st.J.
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

1.偏光分離素子の高性能化単位セル構造の最適化により,消光比,動作波長域,斜入射特性を改善した。また,ARコートにより反射損失を低減させることにより,挿入損失を低減した。2.可視域フォトニック結晶の創生TiO_2/SiO_2を用いた可視域フォトニック結晶を作製した。さらに,これを用いて,複屈折性を利用した波長板や回折格子型偏光分離素子を試作し,動作を確認した。3.バンドギャップ拡大の研究自己クローニング法による変調杉綾と垂直孔形成により,完全バンドギャップが得られることを理論的に示した。さらに,これを実現するために反応性エッチングを含んだプロセスを提案し,原理的に可能であることを実験により示した。4.新しい導波路構造の提案・設計・解析新たに,格子定数・格子方位変調型の導波路構造を提案し,設計、解析を行い,その構造の有効性を確認した。これらは,自己クローニングのみで面内導波路が形成できるという利点を持つ。5.機能性材料とフォトニック結晶の複合技術の開発研究II VI族及びIII V族化合物半導体として,それぞれCdS,InGaAlAs系半導体を自己クローニング型フォトニック結晶と複合させるプロセスを開発し,発光特性の評価を行った。