著者
大本 義正 戸田 泰史 植田 一博 岡田 将吾 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ファシリテーションによって議論を効果的かつ円滑に行なえることが知られているが、どのような情報に基づいて介入すべきかはよくわかっていない。本論文では上手なファシリテータが介入する直前の議論の状態と参加者の態度を、発散収束と視線・発話の有無に基づいて分析し、どのような状況でどのようなファシリテーション行動が行われるのかを検討した。この知見は、人間の会話への人工物による介入の実現に役立つと思われる。
著者
大本 義正 植田 一博 大野 健彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.3M1OS19, 2009 (Released:2018-07-30)

人間と自然なコミュニケーションをする人工物を実現するための問題の一つとして、非言語情報などを用いて無意識に伝達している意図の自動推定がある。本研究では、意図の推定として難しい状況である「嘘」に焦点を当て、コミュニケーション中に機械的に計測された情報を判別分析した結果と、同じ状況において人間が判別した結果を比較検討した。その結果、人間と比較しても高い確率で嘘を自動的に判別できる可能性を示した。
著者
久野 真登 西田 豊明 大本 義正
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3O5GS1301, 2020

<p>当研究ではユーザとエージェントの協調問題解決場面において, ユーザの協調への積極性誘発を目指す. 積極性誘発にはインラクションの方法の理解と, 協調により得られる利益への信頼が重要であり, この二つのリソースが満たされている関係を社会的関係と定義する. そしてエージェントが社会感情的インタラクションを働きかけることで二つのリソースが獲得され, 社会的関係が構築できると仮定する. 提案手法として, 循環的意図更新モデルにより社会感情的行動を生成することを考える. ここで提案モデルではエージェントは社会感情的意図の階層的ネットワークを持ち, ユーザは同じモデルを持っていると仮定する. そして推定したユーザの意図モデルを基にエージェントの意図モデルを更新し, それに応じて社会感情的行動が生成される. これによりエージェントの行動がユーザに合わせて発展するため, ユーザはエージェントとの関係性に関する利益を見出すことができ, 社会的関係が強まると考えられる. 提案モデルの評価のため, ユーザとエージェントが協力してタワーディフェンスを行うという実験を行い, 社会感情的行動のユーザの積極性に対する一定の効果を確認した.</p>
著者
三宅 峰 大本 義正 西田 豊明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.335-336, 2010-03-08
参考文献数
5

主人の代わりにスケジュール調整や交渉を行うマネージャエージェントの実現を目指している.一般に交渉の判断材料として,単に主人の実益だけでなく,丁寧さのような相手の性格や信頼性,主人の好みなどの複雑な要素があるが,人が交渉する際にどんな要素を考慮するかは状況に依存しており,詳細には検討されてこなかった.そこで本研究では,マネージャエージェント実現への第一歩として,交渉の際に丁寧さのような性格を人がどの程度考慮に入れているのか検証することを目標とする.そのために,テニスのタッグパートナーの選択交渉をタスクとし,交渉相手のエージェントに強さと丁寧さ,信頼性のパラメータを設定して実験を行い,アンケートとコンジョイント分析を用いて各パラメータの交渉への影響を検討した.その結果,丁寧さと信頼性は強さと同程度に考慮されていることがわかった.
著者
大本 義正 片岡 操 西田 豊明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1E33, 2018-07-30

<p>適切な相談相手と意見を出しあうことで考えを広げ,深めることができる.本研究は適切な相談相手と認められ,対話姿勢を引き出すエージェントの実現を目指す.ユーザ思考の発散と収束に基づくマクロな対話リズムを形成することにより,ユーザがポジティブな対話姿勢を示すようになることを期待した.実験の結果,収束的な介入によって自然さなどの印象が向上し,一貫してテンポのよい会話が成立することが確認された.</p>
著者
大本 義正 植田 一博 大野 健彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

人間と自然なコミュニケーションをする人工物を実現するための問題の一つとして、非言語情報などを用いて無意識に伝達している意図の自動推定がある。本研究では、意図の推定として難しい状況である「嘘」に焦点を当て、コミュニケーション中に機械的に計測された情報を判別分析した結果と、同じ状況において人間が判別した結果を比較検討した。その結果、人間と比較しても高い確率で嘘を自動的に判別できる可能性を示した。
著者
西田 豊明 河原 達也 黒橋 禎夫 中野 有紀子 角 康之 大本 義正 黄 宏軒
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,高度な会話エージェントシステム開発のためのさまざまなチャレンジが円滑にできるようにするための研究基盤と方法論を確立することである.研究成果は,会話エージェントシステム構築用プラットフォーム,コンポーネント技術,没入型WOZを用いた会話エージェントシステム開発環境,会話コーパスに基づく会話行動モデル開発方法論の開発,コンテンツ制作支援システム,評価手法の8項目から構成される包括的なものである。
著者
大柿高志 阿部将和 大本義正 西田豊明
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.765-767, 2015-03-17

構成的考証法とは、人々が断片的な考えや証拠を持ち寄ってストーリーを形成するのを助けるために、演劇ロールプレイとディスカッションを組み合わせた独自の方法論である。本論文では、構成的考証法を登場人物の内面理解を深める目的で用い、部分的実装について報告する。 ワークショップIでは、時代考証のために参加者が議論と演技を交互に行い、ひとりずつ演技をしながら議論を再検討した。演技による議論の進展があったが、内容は物理的な行動や客観的解釈に偏った。 ワークショップⅡでは、没入型ディスプレイを複数台用い、仮想空間内で時代考証の演技をしつつ、演技の役を入れ替わりながら議論を進めた。その際、人物の動機や感情への言及が観察され、部分的だが内面への踏み込みが確認された。
著者
矢野 正治 大本 義正 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

移動を伴う複数人会話の分析のために,会話場面を三次元記録し閲覧できるシステムを構築した.複数のRGB・深度カメラで撮影した会話参加者の動きを,データごとの信頼性を計算し統合することで三次元モデルと骨格座標データを推定する.3m四方程度の領域で相談しながら物の飾り付けを行うような会話場面に対して,会話参加者や物による映像の遮蔽を補完し,環境自体の三次元復元と合わせて会話場面全体の復元ができる.
著者
神田 賢一 大本 義正 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

継続的使用が見込まれるシステムにおいて,長期利用による内部要素の肥大化により,構造全体の一貫性の低下,ユーザの作業量の増大という問題が生じる.そこで,本研究では,要素間の時間的近傍関係を利用したユーザ補助機能により,システムが構造の一貫性を保つための提案を行う機能を考案した.そして,実際に知識構造可視化,共有システムを開発し,上述の機能を用いた継続的使用を行うことで,その効果を検証した.
著者
大本 義正 三宅 峰 箭内 亮太 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

特定の対象への選好構造を推定することは、人間の意志決定を助ける際に重要な手がかりとなる。このような選好構造は、検討を重ねることで変化していくことが考えられる。本研究は、検討の中で変化するユーザの選好構造を、生理指標や非言語情報によって推定しながら意志決定を助けるシステムの開発を目指した。実験の結果、開発したシステムを利用した場合の方が最終的な意志決定に対する満足度が有意に高いことが示された。