著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.38, pp.31-36, 2000-06-22
被引用文献数
1

本論文では人がWWWを利用して目的の情報を探すプロセスを明らかにするため, ユーザの視線を測定して注目している領域の種類を調べた結果について報告する.実験はあらかじめWWWプラウザの画面をキャプチャして得られた画像を被験者に提示し, 被験者に目的の情報を選択させる形式でおこなわれた.実験の結果, 被験者は一般に各領域に対して極めて短い時間しか注目していないということがわかった.また, 被験者が特定領域に長く注目している回数は, 問題によって大きく異なるという結果が得られた.これらの結果はWWW画面のデザインによってユーザが目標を探し出すプロセスが大きく異なる事を示しており, ユーザの視線を測定することでWWWの画面デザインを評価できる可能性があることを示している.
著者
木村 泉 大野 健彦 松井 龍也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.23, pp.47-54, 1994-03-10
被引用文献数
1

日本語文入力用キーボード配列として、仮にすぐれた新配列が開発されたとしても、それが現に広く使われている配列(たとえばQWER)と強く干渉したとすれば、普及の見込みは少ない。それでは人々に、あえて新配列を練習してみようかという気を起こさせることはできない。この種の干渉がどのような仕組みによって起こるかを明らかにするため、3名のQWERTY熟練者にそれぞれドボラック配列英文打ち、ドボラック配列ローマ字打ち、および快速ローマ字配列(日電)を増田の練習法によって練習してもらい、干渉現象の発生状況を観察した。予備的解析結果について報告する。If a new, superior keyboard arrangement is to replace widely used one such as QWERTY, interferences between the new and the old arrangements must be minimal. Otherwise people will not invest time and effort for the allegedly superior one. This paper presents preliminary results of an experiment for revealing the nature of the interferences that occur to skilled typing of QWERTY when the typist practices Dvorak or NEC's Kaisoku keyboard arrangement.
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.
著者
中根 愛 中谷 桃子 大野 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.33, pp.11-16, 2010-05-06

ICT機器の普及が進み,家庭内のネットワークに接続される機器間の配線・設定はますます複雑化してきている.これに伴い,ICT機器の配線・設定作業に対してネガティブな心理状態に陥るユーザが少なくない.本研究ではICT機器の配線・設定作業時に生じるネガティブな心理状態の生起プロセスを,インタビュー調査によって明らかにする.またこれを元にして,ネガティブな心理状態生起を抑制するための指針を構築する.
著者
大野 健彦
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.565-579, 2002-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
66
被引用文献数
21

Eye movement analysis has been used to understand human higher cognitive processes for over a century. It permits observation of a person's activities in detail without disturbing his or her behavior. This tutorial first discusses eye movement analysis topics, including the definition of gaze, various eye movement detection methods, eye movement analysis methods. Next, it introduces cognitive research on the analysis of eye movement for observing cognitive activities. Finally, it describes gaze based interactive systems as the application of eye movement analysis.
著者
青木 良輔 宮下 広夢 井原 雅行 大野 健彦 千明 裕 小林 稔 鏡 慎吾
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-8, 2011-07-21
被引用文献数
1

静電容量方式のマルチタッチスクリーンが取り付けられたタブレットが普及し,物理オブジェクトを用いたタブレット向けのアプリケーションが登場している.そこで,タブレット操作に物理オブジェクトを利用することを促すために,タブレット上で枠型物理オブジェクトをくるっと回して情報をみる操作方式 「くるみる」 を提案する.本方式では枠の内側からも画面を遮蔽なく閲覧できるので,枠の内側の画面を見ながら,物理オブジェクトの回転操作及び並進操作が容易に行える.回転操作を 3 次元空間の奥行き方向の操作に割り当て,枠の内側にその操作結果を拡大・縮小表示することで虫眼鏡のように使用できる.本稿では,枠型物理オブジェクトの中で,回転しやすく,握りやすいリング型物理オブジェクトに着目し,本方式の特徴,実装及び本方式の基本操作性を評価した結果を報告する.Tablets with capacitive multi-touch screens have increased and applications for tablets using physical objects have surfaced. To increase the use of physical objects to operate tablets, we propose Kuru-Miru which allows users to move and rotate a frame object to view digital information inside the frame object without obscuring the view of digital information in the screen. Rotation of the frame object acts as a magnifying glass and manipulates the depth in the image to mimic three dimensional space on a two dimensional surface. In this paper, we present our implementation of a easy to rotate and grasp ring object and report Kuru-Miru's features, implementation, and usability.
著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.602-612, 1999-02-15
参考文献数
19
被引用文献数
42

本論文では視線による高速で使いやすいコマンド選択方法を提案する. 本方法は視線には精度は高くないが高速な移動が可能であるという特性をいかすことで利用者の負担が少なく また初心者から熟練者まで使いやすいものとなっている. 我々はメニュー選択課題を題材とした評価実験を行い 本方式およびマウスによる選択作業を比較した. その結果 初心者でも視線によって高速にメニューを選択することができることを確認した. また 評価実験の結果を基に 視線の測定精度を向上させて誤選択を軽減させる方法について検討を行った. さらに視線による複数アプリケーション制御環境のプロトタイプを作成し 既存のGraphical User Interfaceと視線インタフェースの環境を統合することで使いやすい作業環境を構築できる可能性があることを示した.In this paper, a fast and easy command selection method with the eye mark is presented. This method has proved to be friendly for both novice and expert users. They do not find it burdensome because it is based on features of eye movement, which is quick and rough in measure. We conducted an experiment of a menu selection task to evaluate the method and compared the performance of the eye mark with that of the mouse. Based on the results, I proposed a method that improves the accuracy of the eye mark recorder and reduces its selection error. Finally, we present a prototype application management tool in a multi-window desktop environment. Within this environment, the new selection method with the eye mark recorder is used to control applications. The example demonstrates that incorporating the eye mark interface into the traditional Graphical User Interface makes it possible to realize an easy to use working environment.
著者
大本 義正 植田 一博 大野 健彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.3M1OS19, 2009 (Released:2018-07-30)

人間と自然なコミュニケーションをする人工物を実現するための問題の一つとして、非言語情報などを用いて無意識に伝達している意図の自動推定がある。本研究では、意図の推定として難しい状況である「嘘」に焦点を当て、コミュニケーション中に機械的に計測された情報を判別分析した結果と、同じ状況において人間が判別した結果を比較検討した。その結果、人間と比較しても高い確率で嘘を自動的に判別できる可能性を示した。
著者
宮本 勝 大野 健彦
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.72(2006-HI-119), pp.9-16, 2006-07-06

ユーザが短時間Webを見るだけで惹きつけられるためのWebデザインの方法論を確立することを目指し,視線計測を用いた評価実験を行った.検索エンジンが進化し,その利用が曰常化することで,ユーザは,1つのWebサイトを閲覧するのに費やす時間が短くなった.一方, 情報提供側は,集客のために魅力的なコンテンツを豊富に提供する必要がある.これより,豊富な情報量の提供を前提に,短時間でユーザを惹きつけるWebデザインがテーマとなる.視線を計測した結果,複数のデザイン案に共通して,ページの主要部分を,左上部から優先的に閲覧するユーザの傾向を可視化した.また,形容詞対を用いた印象評価では,レイアウトやタイトルバーの色が,ページ全体の印象に有意に影響を与えた.
著者
草野 孔希 中谷 桃子 大野 健彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1016-1025, 2014-02-15

本研究ではシナリオを用いたユーザインタフェース(UI)設計を支援するツール,UI-Fillerを提案する.ユーザにとって使いやすいUIを実現するには「誰が,どのような目的で,どのように使うか」といった,ユーザの振舞いを熟慮しながら繰り返しUIを設計することが重要である.そこで,振舞いを物語のようにシナリオとして記述することで,特別な知識がなくてもユーザ像を具体的にイメージすることが可能となる.しかし,従来のシナリオに基づく設計手法には,1.複数の利用シナリオが考えられるインタラクティブシステムにおいて,シナリオどうしの関係性やトレードオフを加味しながらUIを設計することは難しい,2.設計したUIを評価しながら繰り返し改善する際に,シナリオとUIとの対応関係を維持することが難しい,という2つの難点がある.そこで,UI-Fillerはシナリオの階層化およびタグ付けを用いたシナリオの分析と管理の支援,および分析結果の可視化によってUIの反復設計を支援する.
著者
高山 千尋 大野 健彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011-HCI-142, no.12, pp.1-8, 2011-03-10

故障修理は日常生活のあらゆる場面で広く行われる.これはトラブルシューティングと呼ばれ,複雑な思考を伴う知的作業である.トラブルシューティングには,ゴールとする状態が明確ではない,解決への手順が明確ではないなどの難しさが存在している.専門化によってトラブルシューティングが行われる故障機器の修理や保守を行うサポートセンタなどには,熟練者と呼ばれるトラブルシューティングを得意とする人が存在する.それでは,熟練者と一般の人との違いは何であろうか?本研究では,熟練者がなぜうまく異常箇所を検出し,正常な状態に修復できるのかを明らかにすることを目指している.その第一歩として,我々はネットワークの故障修理を題材として,実際に熟練者の故障修理に同行し,その具体的な作業を詳細に分析することで,彼らが特にどのような情報に着目してトラブルシューティングを実施しているのかの調査を行った.本稿では,これら調査によって見いだされた,熟練者特有の行動と,そこから推測される熟練者の知識構造について論じる.
著者
深山 篤 大野 健彦 武川 直樹 澤木 美奈子 萩田 紀博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3596-3606, 2002-12-15

本論文では,ユーザに伝わる印象を操作するための,擬人化エージェントの視線制御方法を提案する.人の視線と印象に関する従来研究をもとに印象伝達に関連する3種類の視線パラメータを選び,その値に従ってエージェントの視線を出力する視線移動モデルを構築した.これを実際にエージェントに組み込んで主観評価実験を行った結果から,本視線制御方法を用いることによってエージェントの視線のみからユーザが受ける印象を操作できることを示す.
著者
大本 義正 植田 一博 大野 健彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

人間と自然なコミュニケーションをする人工物を実現するための問題の一つとして、非言語情報などを用いて無意識に伝達している意図の自動推定がある。本研究では、意図の推定として難しい状況である「嘘」に焦点を当て、コミュニケーション中に機械的に計測された情報を判別分析した結果と、同じ状況において人間が判別した結果を比較検討した。その結果、人間と比較しても高い確率で嘘を自動的に判別できる可能性を示した。
著者
大野 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.291, pp.17-24, 1999-09-13
被引用文献数
13

本研究では,視線を利用してウインドウを操作する環境Ewmを提案する.これまでマルチウインドウシステムにおいてウインドウの操作にはマウスなどのポインティングデバイスが一般的に利用されてきた.そのため操作のたびにポインティングデバイスを操作する必要があり,また操作をおこなうための特別な知識を必要とした.我々の提案するシステムはユーザの視線を観察することでウインドウの操作を自動的におこない,またユーザがウインドウを操作する場合はコマンドを視線によって実行することが可能であるという特徴を持つことで,手を用いることなくわずかな知識で操作可能なウインドウ操作環境を実現している.
著者
大野 健彦 武川 直樹 吉川 厚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.38, pp.47-54, 2001-05-11
被引用文献数
6

本論文では,視線をユーザインタフェースの入力デバイスとして利用することを目的とする視線測定システムについて述べる.本システムは特別な設定を必要とせず,コンピュータの前に座ればすぐに視線測定が可能であるという特徴を持ち,従来存在するシステムに比べて手軽な視線測定を実現している.また,視線の屈折を補正して正確な視線方向を推定することにより,高い測定精度を実現している.予備評価実験から視野角0.23度から0.46度程度で測定可能であるという結果が得られた.We describe a gaze tracking system that is developed as the input device for gaze based user interface system. This system measures the eye movement without configuring the parameters at the beginning of measurement, so that it is possible to use the system as soon as sitting in front of the computer. The system calculates their gaze direction by modifying the refraction on the surface of their pupil. This algorithm realizes the high-accurate gaze detection. The preliminary evaluation test indicated that its accuracy was between 0.23 degree and 0.46 degree in the view angle.
著者
大野 健彦 武川 直樹 吉川 厚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1136-1149, 2003-04-15
被引用文献数
36

本論文では,視線によるコンピュータ操作を目的とする視線測定システムについて述べる.本システムは簡易な個人キャリブレーションのみで視線測定を実現することに主眼を置いている.従来の視線測定システムは視線測定時に発生する視線のずれを補正するために,個人キャリブレーションとして視線測定前に画面上に位置する5から20点のマーカを注視する作業が必要であった.そのため視線測定を行うまでに手間を要し,特に視線をコンピュータの操作手段として利用する場合に大きな問題であった.本システムは,ずれの補正を2段階に分離した新しい視線測定法を導入することで,最低2点のマーカによる個人キャリブレーションを実現した.まず視線算出手段において眼球モデルを導入し,ずれの発生要因となる角膜表面での光の屈折をあらかじめ補正する.次に個人キャリブレーション手段において残るずれを補正する.評価実験の結果,個人キャリブレーションにおいて画面上の2点を注視するだけで,視野角1.06度程度(裸眼,頭部を固定しない条件)と,視線をコンピュータ操作に利用するのに十分な測定精度が得られることを確認した.We describe a real-time gaze tracking system for use in controlling a computer by gaze.This system is particularly concerned with reducing the effort of personal calibration necessary at the beginning of gaze direction detection.Existing systems require that the user gazes at five to twenty points on the screen for personal calibration.This burdensome and should be omitted, especially for computer control by gaze.Our system requires only two points on the screen for personal calibration.To achieve this,we developed a new gaze detection method that consists of two sub-procedures for correcting gaze direction error.One, the gaze direction measurement procedure,first calculates the gaze direction with the eyeball model.This model compensates the refraction at the surface of the cornea,which is one of the main causes of gaze direction error.The other, the personal calibration procedure, reduces the residual error.The results of an evaluation test confirmed that the accuracy of gaze detection is about 1.06 degrees in the view angle (naked-eye users, head-free condition), which is sufficient for the purpose of computer control by gaze.
著者
草野 孔希 中谷 桃子 大野 健彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1016-1025, 2014-02-15

本研究ではシナリオを用いたユーザインタフェース(UI)設計を支援するツール,UI-Fillerを提案する.ユーザにとって使いやすいUIを実現するには「誰が,どのような目的で,どのように使うか」といった,ユーザの振舞いを熟慮しながら繰り返しUIを設計することが重要である.そこで,振舞いを物語のようにシナリオとして記述することで,特別な知識がなくてもユーザ像を具体的にイメージすることが可能となる.しかし,従来のシナリオに基づく設計手法には,1.複数の利用シナリオが考えられるインタラクティブシステムにおいて,シナリオどうしの関係性やトレードオフを加味しながらUIを設計することは難しい,2.設計したUIを評価しながら繰り返し改善する際に,シナリオとUIとの対応関係を維持することが難しい,という2つの難点がある.そこで,UI-Fillerはシナリオの階層化およびタグ付けを用いたシナリオの分析と管理の支援,および分析結果の可視化によってUIの反復設計を支援する.Clearly picturing user behavior is one of the key requirements when designing successful interactive software. However, covering all possible user behaviors with one UI is a complex challenge. UI-Filler is designed to support the characterization of user behavior based on scenarios and then using the information in UI design. Scenarios make it easy to understand and share user behavior even if we have little design knowledge. However, they have two big weaknesses; 1) integrating several scenarios in one UI is difficult, even if we can create appropriate scenarios, 2) maintaining the links between scenarios and the UI is a heavy task in iterative design. Our tool solves the above problems through its hierarchical scenario structure and visualized overview of scenarios. It enhances the designer's skill in writing scenarios and designing UIs smoothly and easily.
著者
宮本 勝 大野 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.72, pp.9-16, 2006-07-06
被引用文献数
1

ユーザが短時間Webを見るだけで惹きつけられるためのWebデザインの方法論を確立することを目指し,視線計測を用いた評価実験を行った.検索エンジンが進化し,その利用が曰常化することで,ユーザは,1つのWebサイトを閲覧するのに費やす時間が短くなった.一方, 情報提供側は,集客のために魅力的なコンテンツを豊富に提供する必要がある.これより,豊富な情報量の提供を前提に,短時間でユーザを惹きつけるWebデザインがテーマとなる.視線を計測した結果,複数のデザイン案に共通して,ページの主要部分を,左上部から優先的に閲覧するユーザの傾向を可視化した.また,形容詞対を用いた印象評価では,レイアウトやタイトルバーの色が,ページ全体の印象に有意に影響を与えた.In order to investigate attractive Web design scheme, we conducted the Web browsin gexperiment with eye tracking system. Web users have been come to take shorter time to browse each web page because they have adapted themselves to use the search engine, and they jump one page to another in short time. On the other hand, Web site provider must prepare many rich contents compete rivals.Consequently,it is important to investigate web design given rapid browsing and rich contents.First,using eye tracking system, we visualized users' serch behavior which is characterised with questionnaire consisted of adjustive parts. The page layout and the color of time Bar influenced imoression f web page sig
著者
大野 健彦 中谷 桃子 中根 愛 セン ユージン
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.1, pp.94-106, 2011-01-01

情報家電の利用時,ユーザが「作業にうんざりする」と感じる場面がしばしば登場する.このような状態を検出し,その発生原因を特定,解消することは情報家電の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たす.特に利用開始前に必要な接続・設定作業には,うんざりしやすい様々な要因が含まれる.本研究では情報家電の接続作業におけるうんざり状態の要因を明らかにすることを目的として,ビー玉評価法と呼ぶ「うんざり」状態を検出する簡易な方法を考案し,情報家電の配線作業に適用した実験について述べる.実験の結果,うんざりする程度は人によって大きく異なること,またユーザがマニュアル読解時,特に適切なページにたどりつけない場合にうんざりする場合が多いことが示された.またビー玉評価法がこのような作業の評価に適切であることが示された.