著者
大門 巧 大西 建輔 青山 浩
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.216-223, 2021-08-21

我々は,DNCL のブラウザ上での実行環境として Tetra を開発したが,高等学校での授業で使用するためには,機能の充実を図ることが必要であった.そこで,Tetra を改良した DNCL のブラウザ上での実行環境である XTetra を開発した.XTetra には,従来の Tetra の機能に加え,コンソールからの標準入力,描画関数,エディタのシンタックスハイライト機能が実装されている.高等学校において,Scratch の使用経験のあるクラスと,使用経験のほとんどないクラスで XTetra を用いた授業を実施し,アンケートを用いて処理系の評価をおこなった.その結果,Scratch の使用経験のあるクラスの理解度が使用経験のないクラスと比較して高くなった.また,XTetra はビジュアルプログラミング言語の要素とテキストベースのプログラミング言語の要素の両方を備えているため,ビジュアルプログラミング言語でのプログラミング経験のある生徒の理解を高める効果が期待できるという仮説が立った.
著者
大森 美湖 矢嶋 昭雄 櫻井 眞治 大西 建 石井 彰
出版者
日本学校メンタルヘルス学会
雑誌
学校メンタルヘルス (ISSN:13445944)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.161-169, 2013 (Released:2021-03-04)
参考文献数
18

【目的】A大学では,教育実習での辞退や失格を防ぐため,2007年度より教育実習生へのメンタルヘルス支援プログラムを開始した。今回その取り組みを呈示し,成果と課題を検討した。【方法】対象は,A大学で2003~2010年に基礎実習を志望した学生8,043名である。2007年より,支援委員会が支援対象学生を選別し,支援活動を開始した。支援開始前4年間と開始後4年間の失格辞退者数を比較,またメンタルヘルス支援対象学生の分析も行った。【結果】支援開始前4年間の失格辞退者は178名(4.4%)であったが,支援開始後4年間は68名(1.7%)と有意に減少していた。実習を行った支援対象学生48 名は全員無事に実習を終了できた。【考察】支援開始後の失格辞退者の減少要因として,①失格辞退の可能性の高い学生を支援することができた,②支援体制を周知させることで,学生も教員もメンタルヘルスへの意識が高まり,情報共有をし易くなった,③問題発生後の段階的支援があること等が考えられた。失格辞退者が減少したこと,実習を行った支援対象学生は全員実習を終了できたこと等から支援は有効と考えられる。今後は,この支援体制で拾えなかったメンタルヘルスの問題をもつ学生をいかに発見するかが課題である。
著者
大西建児 湯本 剛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.133-139, 2008-02-15

ソフトウェアの開発において,開発総工数のうちソフトウェアテストプロセスが占める割合が多いにも関わらず,産業界の多くの開発現場ではソフトウェアテストのプロセスが最適化されているとはまだまだ言い難い状況である.昨今のソフトウェア開発で求められている,できるだけ短い開発サイクルでソフトウェア品質を維持しつつ,開発コストとのバランスを取るようにするためには,ソフトウェア開発全体のプロセス改善とともに,テストのプロセス改善をも同時に進めることが不可欠である.本稿では基本的なテストプロセスの解説およびテストプロセス改善手法について紹介する.
著者
大西建輔 星 守
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.93, pp.67-74, 2001-09-25

確率分布を与えた場合に路長の期待値を最適とする二分探索木 最適木と呼ぶ が二分木の内点数の二乗で計算できることは Kunthによりすでに証明がなされている. 前回の発表では、確率分布のパラメタ空間をそれぞれの最適木に対応する領域に分割する手法について述べた.本稿では、どのような二分探索木でも 最適木となるりうるのか?これらの領域がどのような場合に接するのか?という問題に対して 二分探索木の回転操作を用いた条件を与える.For a given probabilistic distribution, a binary search tree with optimal path length among all trees is called optimal tree. Knuth showed that such a tree is computed in the time of square of the number of nodes of binary search tree. In our previous paper, we showed algorithms that the parametric space of discrete probabilistic distribution is divided into regions corresponding with binary search tree. In this paper, we investigate that any binary search tree can become optimal tree and which two optimal regions are adjacent. Some conditions related with single rotation is showed.